最近、ハリネズミをペットとして飼う人が増えていることをご存知ですか?
ハリネズミと触れ合えることのできるハリネズミカフェも大人気で、休日には行列ができて整理券が配られるほどです。
ただ残念なことに、ハリネズミはどのように飼育していけばいいのか、それはまだあまり知られていないので、今回はハリネズミの人気がある理由と、飼い方について紹介していきたいと思います。
目次
ハリネズミがペットとして人気な理由
夜行性だからお留守番が得意
ハリネズミは典型的な夜行性の動物なので、飼い主さんが仕事や学校で留守の間はすやすやと眠っています。
万が一起きている時間があっても、うるさく鳴いたりすることもありませんので、安心してお留守番をさせることができます。
経済的負担が少ない
ハリネズミを飼育していくうえで、毎月必ず必要になる費用は餌代とケージの中に敷く床材となります。
後の項目で詳しく紹介しますが、犬や猫と比べると身体も小さいことから食べる量も少ないので、経済的負担は少なくてすむはずです。
臭いがあまりしない
定期的にケージを掃除していれば、嫌な臭いなどはほとんどしないと言われています。ワンルームのマンションの閉めきった状態でのお留守番でも、帰宅時に臭いが気にならないのも人気の秘密なのかもしれません。
懐いてくれる
ハリネズミは嗅覚が鋭く、毎日優しくお世話をしてくれる人の匂いを覚えて懐いてくれるようになります。飼っているうちに、匂いだけでなく声も覚えてくれますので、飼い主さんの手の中で安心して眠るようになるのは嬉しいですよね。
ただし、あくまでも絶対に人懐っこいハリネズミばかりではないということは覚えておきましょう。
仕草が可愛い
やはり何と言っても一番の人気の秘密は、その可愛らしさでしょう。ハリネズミは小さい身体でありながら、感情表現がとても豊かだと言われています。
嬉しい時や悲しい時、甘えたい時など様々な表情を見せてくれるようになり、その姿の虜になってしまう人も多いです。また、食事をする時の仕草も可愛らしく、ずっと見ていても飽きないと言われています。
ハリネズミの飼い方
飼育の適温
ハリネズミは自分での体温維持が苦手な動物ですので、室内の温度は22~27度、湿度は40~60%を保ってあげる必要があります。
特に冬場は、動きがいつもより鈍くなったり、手足が冷たく感じたりした場合には、室温が低すぎて冬眠をはじめてしまう前触れかもしれません。
ハリネズミが冬眠をするということは、仮死状態になってしまうということですので下手をするとそのまま死んでしまうこともあります。そのため、保温には気を使うようにしてください。
食事
ハリネズミには、消化がよく高カロリーの餌を与える必要があります。ペットショップやホームセンターなどで、ハリネズミ専用のフードが販売されていますのでそちらを適正量与えていれば基本的には問題ありません。
本来であれば、生きている芋虫などを好んで食べるのですが、それは敬遠される飼い主さんが多いです。
可能であれば、おやつ程度にミルワームや生きている昆虫を時々与えてあげることをおすすめします。これらも、ペットショップなどで販売していますので、入手するのは難しくありません。
一点注意していただきたいのは、ハリネズミはネズミという名がつきますが、実はモグラの仲間です。
ネズミの仲間だと勘違いして、ハムスターの餌を与えてしまう飼い主さんが意外と多くいますが、ネズミ用の餌を与え続けてしまうと、栄養障害を引き起こす場合がありますので、くれぐれもハリネズミ用の餌を用意するようにしてください。
ケージの掃除
日々の掃除は、うんちやおしっこで汚れてしまった部分の床材を交換し、餌入れや給水器の掃除をしてあげる程度で大丈夫です。
カビ発生防止に、定期的にケージ内を全て洗浄する必要もありますが、この時床材は全て新しい物に替えることはせず、今まで使用していた自分の匂いの付いている床材を1/3程度入れてあげてください。
自分の匂いのしていた物が急に全てなくなってしまうと、不安を感じて落ち着かなくなってしまうかもしれません。また、掃除をする時間帯はハリネズミの睡眠時間は避けて、夕方以降に開始するようにしてください。
慣らし方
ハリネズミは嗅覚が大変優れていて、嗅ぎ慣れない匂いが近付いてくると警戒して威嚇をすることがあります。そこで、まずは飼い主さんの匂いに慣れてもらうことが大切です。
まずは、手をそっと近づけて臭いに慣れてもらい、その後手の平にゆっくり乗せて優しく包み込んであげてください。これを繰り返すことで、飼い主さんの匂いを覚えていってくれます。
匂いを覚えて貰う方法として、餌を手渡しであげてみたり、飼い主さんの匂いのついた布などをケージの中に少し入れておいたりするのもおすすめです。また、きつい匂いを嫌がりますので、煙草を吸ったすぐ後や香水を付けたばかりの手で触ることはやめるようにしましょう。
噛みつく場合
ハリネズミが噛む理由はいくつかありますので、その理由に合った対処を行っていくようにしてください。
餌と間違えている
手渡しで餌を与えているうちに、指と餌の区別が付かなくなり噛みついてしまうような場合、既に指を餌と認識してしまっていると矯正は少し難しくなります。
今後餌を与える時にはピンセットなどを使用するようにして、直接触る時には手を洗い餌の匂いがしないようにしてから触るようにしていきましょう。
不安を感じている
生活環境に不安や恐怖を感じている場合に、防衛本能から噛みつくことがあります。これは、まだ飼い主さんに完全に慣れていないか、何か嫌なことをされたのを覚えている可能性があります。
ハリネズミは大変臆病な動物ですので、少しでも威嚇するような仕草を見せているようでしたら、無理に触ろうとしたりせずにゆっくりと時間をかけて慣らしていくようにしてください。
ストレスを感じている
何かしらの理由でストレスを感じている時にも、噛みつくことがあります。ストレスの原因として代表的なものは、ケージが狭い・運動不足・不適切な接し方などです。
運動不足解消には、ケージのなかにトンネルや回し車などの運動器具を設置してあげるといいでしょう。それと並行して、飼育環境をもう一度見直してみるようにしてください。
ハリネズミの飼育費用
ハリネズミの価格
ハリネズミはペットショップやブリーダーから購入することができ、価格は1~4万円と少し開きがあります。
これは都市部では取扱業者も多く価格競争がある為に割と安く販売されているのに対し、地方部では取扱業者が少ない為に高額になってしまう背景があります。
ハリネズミの色によっても価格は多少違いがあり、最も一般的なカラーであるソルト&ペッパーは、取扱いも多く価格も手ごろでしょう。
最初に揃える物
ハリネズミを飼うためには、適切な飼育環境を整えるために揃えなければならない物がいくつかありますので、一般的な価格と合わせて紹介していきます。
品目 | 費用 |
---|---|
ケージ | 5,000円 |
回し車 | 2,500円 |
小屋 | 2,000円 |
床材 | 1,000円 |
餌 | 1,500円 |
給水器 | 500円 |
餌皿 | 500円 |
合計 | 13,000円 |
この他には、適温を保つために冬場はペットヒーターなどが必要になる場合があり、ヒーターの種類にもよりますが3000~5000円程度で購入できるでしょう。
飼育維持費用
ハリネズミを飼育していく消耗品費用としては、掃除の時に交換する床材と毎日の餌代があります。ケージの広さや与える餌の種類によって価格は多少変わってきますが、両方合わせて月々約3000円程度で賄えるでしょう。
その他には、室内温度を適温にしておくためにお留守番の間もエアコンを使用すれば、その分の電気代が加算されることになります。
その他にも一人暮らしでペットを飼いたいと考えている人は、『一人暮らしでもOK!ペットとして飼いやすい動物とは?』の記事もぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ハリネズミが人気の理由を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
犬や猫と比べると、留守の間に鳴いて近所迷惑を心配する必要がないだけでなく、月々にかかる維持費も割と安価ですむことも人気に繋がっているのかもしれません。
ここ最近で人気が出てきてはいますが、まだポピュラーなペットとは言い難い面もありますので、常に情報収集をしながら飼育していくことをおすすめします。