飼い犬の唸る行動に困っていませんか?何かちょっとでも気に入らないことがあると、すぐに「うー」唸る犬は意外と多いようです。
唸られるだけで特に害はないからと、そのままにしてしまう飼い主さんも多いようですが、犬の唸る行動は威嚇行動の一種ですので、そのままにしておくのはあまりおすすめできません。
今回は、犬の唸る癖を直していく方法と、唸る理由をいくつか紹介していきたいと思います。
目次
犬が唸る時の正しいしつけ方
犬が唸るということ
犬が唸る理由は様々ありますが、基本的に犬が唸るという行為は、噛む行動に移る前の威嚇行動であるといわれています。唸り声を出すことで、自分の気持ちを相手に伝え現在の状況を回避しようといているのです。
それが叶わないとなった時には、噛むという行動に出ることもあります。そのため、唸ることの延長線上には噛む行為が結び付いていることを理解して、やめさせるようなしつけをしていくようにしましょう。
唸ったらすぐに注意
犬が唸る場面は色々とあると思いますが、基本的には唸ったらすかさず犬の目を見て低い声で「ダメ」など一言で注意をしてください。注意をする言葉の前に、犬の名前を付けたりすることはせずに、禁止の言葉だけで制止するようにします。
犬が唸った時には、その時にしていたことはすべて中断です。例えばおやつの時に唸ったら、おやつは中断してしまいましょう。その後唸るのをやめたら、すかさず大袈裟なくらい褒めてあげておやつを再開します。
これを繰り返していくと、唸ると嫌なことが起こり(おやつが中断された)、唸るのをやめたら良いことが起きた(大好きな飼い主さんが褒めてくれて、おやつが貰えた)というのを犬は段々と覚えていってくれるでしょう。
毅然とした態度をとる
何か気に入らないことがあった時などに唸る犬は、唸れば飼い主さんが自分の言うことを聞いてくれると学習してしまっている可能性が高いです。これでは他のしつけもうまくいかなくなってしまいます。
犬が可愛いあまりに甘やかし過ぎてしまうと、犬は「飼い主さんは何でも自分の言う通りにしてくれる、嫌なら唸ればやめてくれる」といった考えを持つようになり、とんでもないワガママな犬になってしまうでしょう。
愛情を持って接するのは当然大切のことですが、そこにはケジメも大切です。
犬は大切な家族の一員ではありますが、人間ではありませんので、一緒に生活をしていくからには一定のルールを決め、ダメなことを叱る時には毅然とした態度で対応をするようにしましょう。
犬が唸る時の気持ち
犬が唸る状況と理由
犬が唸るには、いくつかの理由があります。攻撃の意味や、防衛本能の時もありますし、単に興奮して思わず出てしまうこともあるようです。
餌やおもちゃへの独占欲
餌を食べている時やおもちゃで遊んでいる時に、特に取り上げようとしている訳ではなく近寄っただけでも唸る犬がいます。これは自分の持っている物への独占欲の強さの表れです。
餌を食べている時に唸る犬は、子犬の頃に兄弟犬同士のなかで餌の取り合いに負けることが多かったのかもしれません。そのせいで、自分の物はたとえ飼い主さんであっても絶対に渡さないという意識が働いている可能性があります。
恐怖心
自分では理解できない何か怖いことに出会った時など、恐怖心から唸ることもあるようです。この時には唸るだけではなく、身体もブルブルと震わせていることがあります。
人間から虐待をされたなど嫌な思いをして育ってきた犬や、人に触られることに慣れていない犬は、人の手そのものを怖がって唸ることもあるようです。
恐怖心から唸っている場合には、唸らないようなしつけを始める前に、まずは犬との信頼関係を築いていき、安心させてあげることが大切となります。
優位性の主張
犬は元々群れで生活をしてきました。群れのなかには常にボス的存在のものがいて、序列を守りながら生活をしてきたといわれています。そのため犬は、家族のなかで無意識のうちに序列を作ろうとするようです。
飼い主さんが犬の要求を常にきいてしまうような生活環境にいると、犬は自分のほうが偉いのか?と勘違いをしてしまいます。そのように学習してしまった犬は、何か気に入らないことがあれば唸って自分の主張を通そうとするようになっていくでしょう。
それを飼い主さんが受け入れていると、犬は常に優位性を保とうとして唸る回数も段々増えていってしまうことがあります。
遊びの延長
犬同士で遊んでいる時に、どんどんエキサイトして興奮から唸ってしまうこともあります。
犬のじゃれ合いを見慣れていない飼い主さんからしてみたら、驚いて止めようとしてしまうかもしれませんが、犬が鼻先にシワを寄せて唸っているのでなければ、楽しく遊んでいるのですから止めずに見守ってあげるようにしてください。
喧嘩による唸り
じゃれ合って遊んでいる時に出る唸りとは違い、喧嘩が勃発する前の唸りも時にはあります
犬同士が動きを止め、相手を見据えながら向かい合って唸っている時には、いつ喧嘩が始まってもおかしくない状況ですので、速やかに犬同士を離すようにしましょう。
縄張り意識からの唸り
番犬として外で飼っている犬によくある行動ですが、宅配業者やお客様が敷地内に入ってきた時に、自分の縄張りへ入ってきたものに対して威嚇の意味を込めて唸ることがあります。
仲間を守る唸り
自分の大切な家族である飼い主さんを、見知らぬ人から守ろうとする時に、その相手に向かって吠えたり唸ったりすることがあるでしょう。犬は仲間を大切にする性質を持っていますので、このような行動に出ることがあります。
母性からの唸り
仲間を守ろうとする唸りと似ていますが、自分の子犬を外敵から守ろうとする時に、母犬は唸るという行動に出て近付くものを威嚇するようです。
出産したばかりの母犬は神経が過敏になっていることから、飼い主さんにも唸ることがあるかもしれません。そのような時は、気持ちが落ち着くまでは構わずにそっとしておいてあげましょう。
しつける時にしてはいけないこと
叩く・怒鳴るはNG
犬のしつけをする時には、言うことをきかないからといってすぐに叩いたり、怒鳴り散らしたりすることはやめましょう。
特に唸り癖のある犬は臆病であることが多いので、叩かれたり怒鳴られたりしてしまうと、恐怖心が余計に増していき、パニックになり飼い主さんを噛んでしまうことがあるかもしれません。
その逆に、怒鳴られたことにより気持ちがどんどん萎縮していき、精神的ストレスを抱えて体調不良になってしまうこともあるので注意するようにしましょう。
叱った後に褒めない
犬を叱る時のしつけの基本は、「叱る⇒犬が叱られた行動をやめる⇒褒める」を必ずセットで行う必要があります。
この最後の褒めるという行動を忘れてしまう飼い主さんは意外と多いようです。叱られただけで終わってしまうのでは、犬は嫌な気持ちだけを残すことになってしまうだけでなく、信頼関係も崩れていってしまう可能性があります。
犬は飼い主さんに褒められるのをとても喜びますので、犬が飼い主さんの制止に対してきちんと従うことができた時には、必ず大袈裟なくらい褒めてあげるようにしてください。
唸ったら叱られたけれど、唸るのをやめたら褒められたというのを犬が学習していけば、褒められる行動をしていくようになっていきます。
まとめ
犬が唸る理由や、それを治すようにしつけていく方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
唸るのをやめさせるしつけに限らず、犬のしつけはダメなことをした時にはその場ですぐ叱るようにしていくことが肝心です。そして、褒める時にはやり過ぎなくらい大袈裟に褒めるようにしてあげてください。その方が犬も喜んで、早く覚えてくれるかもしれません。