犬を飼育していると、ノミやダニによる寄生は気になる問題ではないでしょうか?
ノミやダニは散歩時に付着してしまうことが多く、きちんと対処をしておかないと大量に繁殖して大変なことになってしまいます。
今回は、犬に寄生するノミやダニについて、散歩時に注意して欲しいことや対策方法を紹介していきますので、是非参考にしてください。
目次
犬の散歩中にノミ・ダニが付着する可能性が高い
ノミやダニの危険性
飼い犬がノミやダニに寄生されるのはよくないというのは分かっていても、具体的にはどのような悪影響があるのかをきちんと理解されている方は少ないかもしれません。
まずはノミとダニの危険性について紹介していきましょう。
ノミの危険性
ノミに寄生されて一番困るのは、やはりそのしつこい痒みです。ノミに血を吸われると、その噛み跡は長期間に渡り強い痒みを発生させます。
犬はもちろんその痒みを我慢することができませんので、足を使って掻きむしってしまうでしょう。
その結果爪の先などで皮膚に傷が付き、そこから化膿して皮膚トラブルを起こす可能性もあります。
ノミの寄生に気が付くのが遅れ、ノミにどんどん血を吸われていってしまうと最悪の場合は貧血の症状を引き起こしてしまうこともあるでしょう。
ノミに対してアレルギーを持っている犬の場合には、更に症状は悪化することもあります。
飼い犬がノミに寄生されれば、もちろん飼い主である人にも被害は及び、繁殖したノミに血を吸われて強い痒みに苦しむことになってしまうでしょう。
ダニの危険性
ダニには色々な種類がいるのですが、犬に寄生するダニといえば「マダニ」が有名です。
マダニはノミと同様に犬に寄生すると血を吸いますので、長期間に渡り寄生したままですと、どんどん血を吸われていき貧血を起こしてしまうこともあります。
最近はメディアでもマダニの怖さを伝えているように、マダニを媒介して命の危険が及ぶような病気に感染してしまうこともあるでしょう。
もちろんマダニに寄生されると必ずしもそうなる訳ではありませんが、犬だけでなく人も同様に危険な病気に感染する可能性がありますので、ノミよりも注意すべきかもしれません。
ノミやダニは草むらで待機している
ノミやダニは基本的には1年中生息はしていますが、平均気温が13℃を超えてくると活動が活発になってくるでしょう。
そして、梅雨時を迎える6月からはじまり、暑さの残る9月の間は最も活動が活発になり繁殖活動を繰り返していきます。
ノミやダニは、草むらや日の当たらない湿気のある場所で寄生する対象をじっと待ち、犬がそこに近付くと、その体温や振動だけでなく犬が吐き出す二酸化炭素に反応して、犬の足やお腹などに飛びつきます。
その後犬の皮膚上を動き回りながら血管を見付け、早ければ飛びついてから数秒後には吸血を開始するでしょう。
素晴らしい脚力を持つノミ
ノミやダニは犬や猫など動物の血液が大好物であるといわれています。それだけでなく、それらの動物の皮膚から落ちるフケなども餌として食べています。
気温が暖かくなり繁殖行動が活発化してくるノミやダニは、草むらの奥に潜んでいることもあるのですが、時には草や木の先端や道端の日陰で犬がやってくるのをじっと待っています。これはノミが持って生まれた本能からくる行動だそうです。
犬がその近くを通過するとその存在を素早くを感知し、体長1~3ミリほどの小さい体でありながら素晴らしい筋力を持つ後ろ脚ですぐさま犬の体に飛びつきます。
その飛行距離は、自分の体長の約60倍の距離であり、高さは約100倍程度になります。そのため、ノミに存在を感知されてしまうとあっという間に飛びつかれてしまうのです。
犬の散歩中にノミ・ダニを付着させない為の注意点
草むらには近付けない
ノミやダニは草むらに多く生息しています。散歩をしていると犬はどうしても草むらに近寄りたがると思いますが、そこはきちんと制止するようにしてください。
特に草の背丈が犬の体高程度まであり、適度に湿気のあるような草むらには、ほぼノミやダニが生息していると思ってもいいでしょう。
ただし、草むらに入っていかなくても草むらの側を歩かせるだけでも、ノミやダニは犬の体温や近付いてくる振動を察知して寄生してくることがあります。
そこからも分かるように、散歩中の寄生を完全に防ぐのは大変難しいことです。そのため、予防や自宅での対処が大切になってきます。
他の犬との触れ合い
散歩中には近所の犬仲間とじゃれて遊ぶこともあるでしょう。
そんな時に、相手の犬に万が一ノミやダニが寄生していると、当然それらは遊んでいる最中にこちらにも寄生してしまいます。
他の犬と遊ばせる時には、犬を通じて寄生してくる可能性があることも念頭におき、帰宅時には犬を念入りにチェックするようにしてください。
防ノミ・防ダニの洋服を着せる
ノミやダニは犬の体に飛びついてそのまま寄生をしますので、散歩時に犬に洋服を着せて被毛や肌の露出部分を少なくすることで、寄生される確率も減ることになります。
ホームセンターなどでは、防ノミ・防ダニ加工が施されている洋服も販売されていますので、そのような物も上手に利用してみてください。
ノミ・ダニから犬を守る為に飼い主ができること
散歩から帰ったら必ずチェックすること
ノミやダニの寄生を防ぐための対策を色々と講じていても、寄生を100%防ぐことは難しいでしょう。
散歩から帰宅したら自宅に入る前にチェックをして室内に連れこまないようにしてください。
帰宅後はブラッシング
散歩が終了しましたら、家の中に入る前にブラッシングをしておきましょう。
ノミなどを発見しやすくするためには、目の細かいクシやノミ取り専用のクシを使用するのがおすすめです。
ブラッシングをすることで、寄生したノミやダニを発見することができるだけでなく、散歩中に付いた埃なども取り除くことができるので一石二鳥となります。
皮膚をチェック
ノミやダニは犬の皮膚の柔らかい部分を好んで寄生します。お腹や耳のなか、足の付け根などに寄生されていないよく見てあげましょう。
飼い主さんも要注意
犬をブラッシングして、そこで満足してはいけません。犬と一緒に歩いてきたのですから、飼い主さん自身にもノミやダニがくっついている可能性はあります。
家の中に入る前には、洋服をよくはたきましょう。足元や靴などもよくはたくことで、付いていたノミやダニが振り落とされます。
生活環境を清潔に保つ
散歩後に念入りにチェックをしたとしても、散歩中に卵を産みつけられてしまっていては、そこまではなかなか気が付くことができません。
もしも卵を室内に持ち込んでしまうと、それが成虫になりあっという間に繁殖をしてしまいます。
そうならないためにも、犬が生活している環境は常に清潔に保つようにして、万が一卵が落ちていても繁殖されないようにしておきましょう。
ベッドはお湯で洗う
犬の愛用しているベッドや毛布などは、定期的に洗うようにしてください。
その時、60℃以上のお湯にしばらく付けておくと、万が一ノミやダニがベッドに付いていてもそのお湯で駆除することができます。
クッションなどは天日干し
ノミやダニの幼虫は、日光に当てることで死滅またはその場からいなくなる確率が大変高いです。
犬が使用しているクッションや敷物などは、定期的に天日干しにして、取りこむ時にはよくはたくようにしてください。
そうすることで、卵も落とすことができます。乾燥機にかけるのもおすすめです。
予防薬を使用する
散歩時の寄生は100%阻止することはほぼ不可能ですので、事前に駆除薬を使用しておくようにしましょう。
- スポットタイプ:首の後ろ付近に予防薬を直接滴下します
- チュアブルタイプ:お肉風味で、おやつ感覚で食べさせることができます
どちらのタイプも各メーカーによって効果の持続期間や効果が違います。
既に寄生している成虫を駆除できるもの、卵が孵化できなくなるもの、サナギの成長を阻止させるものなどの効果のうち、全てを網羅している場合や成虫にしか効果がない場合もありますので、それぞれの効果をよく確認してから購入するようにしましょう。
ノミやダニを発見したら
犬に寄生しているノミやダニを発見した時には、その場で潰したり無理に引っ張って取ったりすることはしないでください。それぞれに合った駆除方法を紹介します。
ノミを発見してもすぐに潰さない
ノミを発見した時には、絶対にその場で潰すことはしないでください。
ノミを潰してしまうと、その潰したはずみでお腹に持っている卵が飛び散ってしまいます。この卵がまた孵化してしまっては、いつまでたっても完全に駆除することはできません。
ノミを見付けた場合には、水やお湯の中に沈めて完全に動かなくなるまで放置しておきます。ノミ取り用シャンプーなどがありましたら、少し垂らしておくとより効果的です。
ノミを1匹発見したら、まだ他にもいる可能性がありますので更に念入りに探してみてください。
犬が足で直接かくことのできない尻尾の付け根付近や、足の付け根などに固まっていることがあります。
ダニを発見したら
ダニが皮膚に食いついているのを発見しても、無理に引っ張ることはしないでください。
ダニの体を持って引っ張ると、犬の皮膚に食いついているダニの体の一部がちぎれて、そのまま犬の皮膚に残ってしまいます。
その残留物のせいで、皮膚炎を起こしてしまうことがありますので、駆除する時にはすべてをきれいに取り除く必要があります。
ダニを取り除く専用のピンセットなども販売されていますので、それを利用する方法もありますが、できれば動物病院にて取り除く方が安心です。
更に犬のノミ・ダニ対策でできることを、『犬のノミ・ダニ対策!ノミを見つけた時の対策と予防方法!』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ飼い主さんは合わせて参考にしてみてください。
まとめ
犬に寄生するノミやダニについて紹介してきましたが、ノミに咬まれると本当にいつまでも痒いので、狂ったように掻きむしる犬を見るとこちらまで辛くなってしまいます。
犬はもちろんですが、飼い主さんもノミやダニの被害に合わないために、春先になりましたら対策を講じるようにしてください。