犬が人のように「ふぅー」とため息をついているのを聞いた事がありませんか?犬がため息をつく時ってどんな気持ちなのか、考えてしまいますよね
。何か不満でもあるのか、それとも疲れているのか、もしかして具合が悪いなんて事もあるかもしれません。
愛犬がいったいどうなってしまったのか心配な飼い主さんへ、犬がため息をつく時はどんな時なのかを詳しく紹介します。ため息をつく時、犬はどんな気持ちなのかぜひ飼い主さんは知っておきましょう。
目次
犬がため息をする理由
何かが不満な時
犬も人と同じで、不満に思っている事があるとため息をつきます。
不満に思っている理由は様々ですが、飼い主さんがなかなか散歩に連れて行ってくれない時や、おやつをくれない時、気持ち良く寝ていたのに邪魔をされた時、ご飯の時間になかなかならない時など、不満の気持ちがため息になって表れてしまうのです。
ため息を出した後に鼻を「ふんっ」と鳴らす事もあります。気に入らない事に直面した時に「ふんっ」と言ってそっぽを向く人がいますよね。
まさにそれと同じで、ため息と共についつい不満が態度に出てしまっている証拠です。犬が不満そうにしているからといって、すぐに構ってあげるのはしつけ上よくない事もありますが、何故不満そうにしているのか原因を探る事はしてあげてくださいね。
リラックスしている時
犬はリラックスしている時にもため息をつきます。不満のある時もため息をつくのですが、その違いが一番分かりやすいのが、目を閉じているかどうかです。目を閉じてため息をついている時には、ほとんどの場合リラックスによるため息だと思ってよいでしょう。
ご飯を食べた後や、飼い主さんと遊んだ後、ブラッシングをしてもらった後などに気持ち良くなって眠りにつく前に、目を閉じながら「ふー」と一息つく感じです。
その逆で、飼い主さんの方をしっかりと見据えながらため息をつく時は、不満がある時だと覚えておいてください。
拒絶したい時
その時にされている行動が嫌な時や、やめて欲しいと思っている時にも犬はため息をつきます。一例ですが、お子さんが犬の事を可愛がり過ぎて、ちょっとしつこくかまってしまったり、いつまでも抱っこをしたまま離さなかったりする場合がありますよね。
そんな時にモゾモゾしながら短めのため息をついている時があるのですが、これは明らかに嫌がっているサインです。
そっと降ろしてあげて、そのまま犬が離れて行くようでしたら、追いかけたりせずにそっとしておいてあげましょう。あまりしつこくかまうと、ストレスが溜まってしまいます。
臭いをかぎたい時
犬は散歩中にもため息をついている事があります。これは不満などの表れではなく、臭いを確かめる時にする仕草です。人で言う深呼吸に近いのかもしれません。決して散歩が嫌でため息をついている訳ではないので、そのまま散歩を続けてあげてくださいね。
疲れてしまった時
これも人と同様なのですが、疲れてしまって何もしたくない時にも犬はため息をつきます。もしもお散歩中に立ち止まったまま動かなくなって、ため息をついているようでしたら、これは疲れてしまって動きたくない気持ちの表れです。老犬などによくするかもしれません。
このような様子が頻繁に見られるようでしたら、散歩の時間を短くする事も考慮してみてください。また、ため息があまりに多い場合には、病気の疑いもありますので、それは次の項目で説明していきたいと思います。
その他にも犬がストレスを感じている可能性があります。犬がストレスを感じることを、『気をつけて!犬にとってのストレスになる要因とやってあげたいストレス解消法!』の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
病気が隠れている可能性も!
頻繁なため息は要注意
犬のため息があまりにも頻繁な場合には、病気の可能性を考えた方がいいかもしれません。飼い主さんがため息だと思っていたものは、実は呼吸が苦しくて大きく深呼吸をしていた可能性もあります。
呼吸が苦しくなる病気は主に呼吸器の病気もしくは心臓の病気です。その代表例を2つ紹介しておきますので、参考にしてください。
- フィラリア症
⇒蚊が媒介する感染症です。フィラリアという寄生虫が、心臓や心臓のそばの動脈に寄生するため、心臓に負担がかかります。
症状は、咳が出る・呼吸が苦しくなる・元気がなくなる・食欲がなくなる・お腹が膨らんでくる・血尿が出るなどです。 - 気管虚脱
⇒気管が押しつぶされて、呼吸がしにくくなる病気です。先天性の場合もありますが、短頭種や老犬、肥満犬に起こりやすい病気です。
上記の2つの病気にかかりますと、呼吸が苦しくなり自然と身体全体で大きく息を吸おうとします。ため息のように見えるのは息を吐く時ですね。
ため息がいつもより多いように感じても、ご飯をしっかり食べて、走り回る元気があるようでしたら、少し様子を見ても大丈夫かもしれません。ただし、呼吸の様子は注意深く見守るようにしてください。
精神的な病気
犬も人と同じようにうつ病にかかる場合があります。そうなると、やはり不満や不安からくるため息を頻繁につくようになるのです。うつ病の症状は、下記になります。
- 目に力がなくなる(遠くを見ているような、虚ろな視線)
- 飼い主さんの呼びかけに反応しない
- 自分の手足を噛む
- 食欲低下、下痢、嘔吐
食欲低下や下痢の症状が出てきてしまうと、何かの感染症なのかうつ病なのか、判断はつきにくいのですが、普段からお留守番の時間がとても長かったり、飼い主さんが忙しくていつもイライラしていたりする家庭の犬は、うつ病になる可能性があると言われています。
自分の手足などを噛んで、傷付けるような行為をしているようでしたら、うつ病の可能性はかなり高いです。
短頭種
フレンチブルドッグのような短頭種は、鼻の通りをよくするために、ため息のような呼吸をよくします。
普段から割とため息のような呼吸をするので、いつもと様子が変わらなければ心配はありませんが、ため息の後に鼻水をやたらに垂らしているようになった時には、病気を疑った方がいいかもしれません。
これは鼻腔狭窄といい、鼻の穴が狭くなる病気で、これにかかると呼吸がしにくくなってしまいます。鼻水を垂らしながら、ため息のような呼吸をしている様子が見受けられましたら、早めに動物病院に連れて行くようにしましょう。
こんな時は早めに病院へ
まずは頻繁にため息をつくようになったなと感じましたら、その他に何か症状がないかよく観察をしてみてください。
先に紹介したように、ため息が少し多く感じたとしても、食欲も通常通りでお散歩でも元気に走り回っているようでしたら、少し様子を見るようでも構わないと思います。
ただし、食欲が最近落ちてきた、散歩にあまり行きたがらない、呼吸が荒いまたは呼吸をする時に身体全体を使うように大きくするなどの症状が確認出来た場合には、早めに動物病院で診察を受けるようにしてください。
特に高齢犬の場合には、老いと共に心臓への負担がかかっている可能性もありますので、なるべく早めに受診する事をおすすめします。
うつ病の可能性が疑われる場合にも、何か病気が隠れているかもしれませんので、念の為一度動物病院で診察をしてもらう方がいいでしょう。
うつ病の場合には、飼い主さんが犬とコミュニケーションを取るようにするのが一番の治療法ですが、飼い主さんの呼びかけにも全く応じないような、あまりにも症状がひどい場合には、動物病院で投薬治療をすすめられる事もあります。
ただし、実際のところ犬のうつ病薬は研究途中の為、本来はあまりおすすめできる物ではありません。犬は元々群れで生活をしていたので、孤独に過ごす事を好まない動物です。飼い主さんの責務として、生活の改善策を考えてみてあげてください。
まとめ
犬がつくため息についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。犬も人と同じように、不満に思った時や疲れた時に、ため息をついていたとは驚きました。
リラックスしている時にもため息をつくので、自分の愛犬がつくため息の種類は、常にそちらのため息でいて欲しいものです。
ただ、ため息があまりにも頻繁な場合には、病気の可能性もあります。犬のため息は、不満な時やリラックスしている時にも様子が違うように、体調不良から出てしまうため息も様子が違うはずです。
犬の体調管理は飼い主さんの大切な役目ですので、日頃から犬の様子をよく観察するようにして、何か違和感がありましたら早めに動物病院へ行くようにしてください。