犬を飼い始めて落ち着いてくると、もう1匹飼いたいと思い始める飼い主さんは意外と多いようです。可愛い犬がもう1匹増えて、2匹で一緒に楽しく遊んでいる姿を想像するだけでも気持ちが癒されてくるような気がします。
ただし、犬の多頭飼いにはトラブルも付き物です。
ここでは、多頭飼いをする時によく聞くトラブルや、注意をして欲しい点などをいくつか紹介していきますので、多頭飼いを考えている飼い主さんは、是非参考にしてください。
目次
犬の多頭飼いで多いトラブル
散歩が上手にできなくなる
1匹でお散歩をしていた時には、引っ張ることもなく上手に歩けていたのに、新しい犬が来て一緒に散歩をするようになった途端に、ぐいぐいと引っ張るようになってしまう犬は多いです。
これは先住犬が新入りの犬に対して、「自分の後に付いてこい」といったような、先輩風を吹かせているからかもしれません。
そんな犬の気持ちを考えると少し微笑ましくも思えますが、この状態をそのままにしてしまうと、新入りの犬も先住犬にならって引っ張るようになってしまいますので、早めに矯正するようにしましょう。
粗相をするようになる
新しく犬が来たことに、不安やストレスを感じで先住犬が粗相をするようになってしまうこともあります。
今まで上手にできていたのであれば、気持ちが落ち着いてくればまた決まったところでするようになりますので、決して叱ることはせずに犬の不安な気持ちを解消するように努力してあげてください。
粗相をした場所は、新しく来た犬がその臭いを察知してそこで排泄をしてしまうかもしれませんので、臭いが残らないように綺麗に掃除をしておくようにしましょう。
犬同士が喧嘩ばかりする
1匹じゃ寂しいかと思って増やしたのに毎日喧嘩ばかりで落ち着いて過ごせない、と言う話もよく耳にします。この場合、喧嘩の原因はたやすく想像がつくことが多いです。
先住犬が飼い主さんに甘えている時に、新しく来た犬が自分も甘えたくて近寄ってくる、先住犬のお気に入りの場所を奪おうとするなどが挙げられます。
日々起こる喧嘩は、飼い主さんの対応次第という面も大きいですが、犬同士の相性も多少は関係してます。ただし、迎え入れて対面をさせる時の手順を間違わなければ、犬同士の喧嘩はだいぶ解消されていきます。
先住犬が他の犬ともすぐに友好的に遊べるタイプであったとしても、家族として家に迎え入れるのであれば、いきなりフリーな状態で対面させるのではなく、新しく来た犬は必ずケージに入れておくようにしましょう。
外では上手に他の犬と遊べても、家の中は自分のテリトリーですので、突然知らない犬にズカズカ入ってこられては先住犬も嫌な気持ちになるかもしれません。
それに、今まで自分だけを見ていた飼い主さんが、そちらにも気を配っているのをみたら尚更です。
先住犬の気持ちに配慮をしながら、新入りの犬に対応するようにしていきましょう。次の項目で、先住犬に対する注意点もあげていきます。
犬と猫を同居させる場合には、『犬と猫を同居させるには?気をつけたい共同生活の注意点』の記事で仲良くさせる方法や注意点について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
犬の多頭飼いで注意したいこと
先住犬を常に優先する
新しく犬を迎え入れる場合には、それがまだ手のかかる子犬であったとしても、優先すべきは先住犬にしてください。
例えば、名前を呼ぶ時、ご飯をあげる時、遊ぶ時、撫でてあげる時など、全てのことにおいて、先住犬を常に優先します。
特に二匹目を迎える場合には、先住犬の気持ちには十分気づかいをしてください。今まで独占してきた飼い主さんの愛情を、新しい犬に奪われてしまうのではないかと、先住犬は不安な気持ちでいっぱいのはずです。
不安な気持ちからくるストレスで粗相をするようになったり、飼い主さんの気を引こうと、今まではしたこともないようなイタズラをしたりするかもしれません。食欲が落ちてしまう犬もいます。そうならない為にも、先住犬を常に優先し、今まで以上にしっかりと愛情を注いでください。
新しく来た犬も、慣れない環境で不安はいっぱいあります。優先すべきは先住犬ですが、かける愛情は平等に与え、疎外感や寂しい思いをさせないようにしてあげましょう。
個々にスペースを与える
多頭飼いをする時には、個々の犬にそれぞれ自分だけのスペースとして、頭数分のケージやサークルを用意してあげてください。
先住犬のケージが広いからといって、いきなりそこに新しい犬を入れてしまったりすると、先住犬は自分のテリトリーを突然荒らされて、パニックになってしまいます。
いずれは同じケージやサークルで過ごすとしても、最初のうちは別々の空間を用意してあげてください。
犬同士の喧嘩には介入しない
犬同士が少し馴染んでくると、多少の小競り合いが出てくるようになります。例えば、同じおもちゃが頭数分あったとしても、何故か一つのおもちゃを取り合って喧嘩が始まることもあります。
そんな時、つい取り合いに負けている方の味方をしてしまいがちですが、ここは飼い主さんが介入する場面ではありません。犬の世界には、犬なりのルールや上下関係があります。
いつも負けているのが同じ犬だとしても、大きな怪我に発展するような喧嘩でない限り、飼い主さんは中途半端に喧嘩を止めたりせずに見守るようにしてください。
犬同士で上下関係がきちんと決まれば、上の者は下の者に対して手加減をして対応するはずです。いつも負けてばかりいる犬も、その辺はちゃんとわきまえています。
その為、飼い主さんが「いつも負けてばかりだから、今日は加勢してあげよう」などと介入してしまうと、犬たちはその飼い主さんの態度に混乱をしてしまい、喧嘩が悪化してしまう可能性もありますので、喧嘩は放置するのではなく様子を見守るようにしてください。
先住犬のしつけはすませておく
新しく犬を迎えるのであれば、先住犬のトイレや無駄吠えのしつけはきちんと済ませておく必要があります。
先住犬のしつけが済んでいれば、一緒に生活をしていくなかで様々なルールを新しく来た犬に教えていってくれることもありますし、新入りの犬が先住犬を見習い自然と覚えていくこともあるからです。
その逆で、トイレも決まった場所ですることができず、無駄吠えも激しいような状況ですと、新入りの犬もそれを真似るようになってしまいます。
良いことも悪いことも、全てがお手本になってしまいますので、先住犬のしつけがきちんとできていなくて困っているようでしたら、次の犬を迎えるのはしつけが済んでからにしましょう。困りごとが2倍に増えてしまうだけになるかもしれません。
先住犬の性格を見極めておく
新しく犬を迎え入れる前には、先住犬の性格をよく理解しておきましょう。
物音や家族の以外の人に対して臆病であったり、新しい環境や場所に馴染みにくかったりする子は、新入りの犬が来るとストレスを溜めてしまう場合が多い傾向にあります。時には、食欲が無くなってしまうこともあるかもしれません。
そのような子の場合には、新入りの犬との対面には十分時間をかけてゆっくりと慣らしていく必要があります。
噛みつくなどの問題行動がある犬は、新入りの犬が来たことにパニックになり、更に攻撃的になってしまうこともあるあります。この場合は、まったく別の空間で飼育することも考慮したうえで迎えいれるようにしてください。
まとめ
犬を多頭飼いする時に起こるトラブルと、注意点をいくつか紹介してきました。
犬の性格次第では、何のトラブルもなくすんなり仲良くなってくれるケースも勿論ありますが、後々困ったことが起こらない為にも、飼い主さんの最初の対応が肝心となります。
先住犬の気持ちを大切にしながら、新入りの犬にも安心感を与えるように同じだけ愛情を注ぐのは、時には難しいかもしれません。
犬同士が仲良くなってくれれば一緒に遊ぶ時間も増えていき、飼い主さんが気を配ることもだんだんと減っていきますので、それまでは犬の様子をよく見てあげるようにしてください。