大切な家族である猫が亡くなってしまうことは、本当に辛く悲しいものですよね。その悲しみのあまりに、ペットロスに陥ってしまうことは誰にでも起こり得ること。そんな愛猫を失ってしまって、
「どうしたら良いのかわからない。」
という喪失感に押し潰されそうなアナタへ。大切な猫を失った時の喪失感をいやすための方法や、ペットロスについて紹介していきます。
周りからなかなか理解されにくいペットロスですが、ぜひ長く過ごした愛猫の為にも参考にしてみてくださいね。
目次
ペットロスで飼い猫が亡くなった時の喪失感は大きい
犬よりも猫のほうがペットロスに陥りやすい?
本来ペットロス症候群は、飼育していたペットが犬であろうと猫であろうと、陥る可能性はどちらでも充分にあるでしょう。
ただし、猫の飼い主さんの方がペットロスにより深く陥りやすいといわれています。
これは、猫との別れが脱走による行方不明であることや、その脱走が原因による事故死などが起こる可能性が犬よりも多いことにあるようです。
愛するペットとの突然の別れに心が付いていかないのに加え、あの時脱走しないように気を付けていれば、外に自由に出したりしていなければ、などと自分が防ぐことができるものだったのではないかという、後悔に押し潰されてペットロスに陥ってしまう方が多くいます。
ペットロスとは
ペットロスという言葉は、ここ数年でだいぶ浸透してきました。正確には「ペットロス症候群」といいます。
ペットロスは、愛するペットとの別れが原因で落ち込んでしまうだけのように思われがちです。
それだけではなく、うつ病や不眠を引き起こすこともあり、更に悪化していくと既に居ないはずのペットの幻覚を見たり、鳴き声の幻聴を聞いたりしてしまうこともあるといわれています。
このような精神的な症状を引き起こしてしまうと、それに伴って食欲不振を引き起こすこともあり、その結果消化器疾患などの身体的な支障も引き起こすようになってしまうでしょう。
ペットロス症候群の症状
ペットロスの症状は人によって様々ではありますが、一般的な症状をいくつか紹介しておきます。
- 何事にも関心や興味を持てなくなる
- 気分が常に落ち込んでいる
- 今まで楽しめていたことが、全く楽しめない(テレビや友人との会話など)
- 食欲不振や過食
- 不眠
- 集中力の低下
- 何も手につかなくなり無気力になる
これらは初期の症状であり、これらが悪化していくと先に紹介したような幻覚や幻聴などの症状が出てくるようです。
ペットロスになる可能性は誰にでもあります
気持ちの切り替えは自分のペースで
ここ数年でペットは家族の一員とする飼い主さんが増え、それに比例してペットロス症候群にかかってしまう方も増えてきました。
もちろん全ての人がペットロスに陥ってしまう訳ではなく、一定の期間を経て気持ちを切り替えていく方も多くいるでしょう。
同じようにペットを飼っていた人でも、「いつまで落ち込んでいるの?」などと心無い言葉を発してくることもあるかもしれません。
もしもそのようなことがあっても、気にすることは全くないということを覚えておいてください。人の想いはそれぞれ違って当然です。
それは一緒に生活をしている家族であっても同様となりますので、家族のなかで自分だけがいつまでも立ち直れずにいても、そこは気にする必要はありません。
人の言葉を気にすることはなく、自分のペースでペットとの別れを受け入れることが何よりも大切なことになります。
ペットロスの可能性が疑われる場合には
ペットロスは誰しもが陥る可能性があり、あまりにも症状がひどい場合には、健康に支障をきたしてしまう人もいるようです。
下記にあげるような症状が思い当たる場合には、一度心療内科などでカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
- ペットを失って1ヶ月以上経過しているにも関わらず、食欲不振(又は過食)や不眠などの症状が続いている
- ペットが側に居ないことが辛すぎて、死にたいとさえ思ってしまう
- 誰とも接触せずに2週間以上自宅に引きこもっている
- 居ないはずのペットの姿が見えたり、鳴き声が聞こえたりする
- 最期の別れの瞬間がフラッシュバックしてくる
ペットを失ったくらいでカウンセリングを受けるなどと、抵抗感を持つ方もいるかもしれません。
でも、ここにあげたような状態である場合には、精神的肉体的に大きな支障を引き起こす可能性を秘めている確立が高いので、なるべく早めに改善をしていく必要があります。
気持ちの切り替えは忘れることとは違います
飼い主さんにとってペットが大切なように、ペットにとっても飼い主さんはとても大切な存在であるはずです。
その飼い主さんが自分のせいで健康に支障をきたすようなことになっては、ペットも悲しい気持ちになってしまうでしょう。
ペットとの悲しい別れから立ち直るためには、気持ちを切り替えていく必要がありますが、これはペットを忘れるということとは全く違います。
確かに別れはとても悲しい出来事ではあったと思いますが、それまでには楽しい思い出もたくさんあったはずです。
それらの楽しかったことを忘れずに、大切な思い出として胸に抱いていくようにしてください。その方がペットもきっと喜ぶでしょう。
ペットロスにおける5段階の悲しみ
悲嘆のプロセス
ペットロスの悲しみには5段階に分けられているといわれています。
- 「否認」:ペットが死んでしまった事実を受け入れることができない
- 「怒り」:ペットの死に関わる後悔が怒りに変わっていく
- 「取引」:ペットの死をなかったことにしようと、非現実的な取引をしようと考える
- 「抑うつ」:自分も死にたいと考えるようになる
- 「受容」:時間の経過や何かをきっかけとしてペットの死を受け入れはじめる
この5段階のプロセスを経ていくことで、ペットロスに陥ってしまった人は徐々に回復に向かっていくのですが、まずは自分がどの段階であるのかを自分自身で把握することも大切となってくるでしょう。
次に、それぞれの段階の詳細を紹介していきましょう。
否認
ペットとの別れが受け入れられずに、現実として受け止めず拒絶をする状態です。
人はあまりにも悲しみや辛い気持ちが大き過ぎると、精神的なダメージを少なくする為に本能的に自己防衛をしてしまいます。
実際には死んでしまっているにも関わらずに「ちょっと眠っているだけ」「死んだなんていうのは嘘だ」などと、自分の都合のいい方向へ思い込もうとしてしまいます。
怒り
なぜあの時こうしなかったのか、自分は何もしてあげられなかった、などと後悔の気持ちが怒りに変換されていく状態です。
ペットが死んでしまったのは、自分や家族だけでなく獣医師も含め、ペットの死に関わった全ての人のせいだと責任の転嫁をして、怒りを増幅させていく場合もあります。
取引
どうにかしてペットの死という事実を覆そうと、非現実的なことにすがりはじめるようです。
例えば、自分の命と引き換えにペットを生き返らせて欲しいなどと、神様に祈る人もいるでしょう。
この取引は獣医師に向けられることもあり、何かと引き換えにペットを生き返らせて欲しいと懇願する方もいます。
抑うつ
ペットの死をきっかけに、ネガティブ思考に陥り無気力になってしまいます。
周囲からの何気ない些細な言葉にも傷つき、最悪の場合には死を考えるようになっていく場合があるのです。
精神的な落ち込みと共に食欲不振に陥る場合も多く、健康に支障をきたしてしまうこともあります。
受容
受容の段階に入るには、人それぞれきっかけが違うでしょう。
周囲からの温かい言葉であったり、ふと目にした本がきっかであったりするなど、これをしたから受容できたという決まったものは存在しません。
ペットを失くした悲しみや後悔の感情が時の経過と共に徐々に薄れていき、ゆっくりとペットの死を受け入れていく方も多いようです。
飼い猫が亡くなってペットロスになった時の気の紛らわし方
我慢せずに思い切り泣く
悲しみや辛さは歯を食いしばって我慢する必要はありません。泣きたい時には思い切りなき、声をあげたければ思い切り叫びましょう。
涙にはストレスホルモンが含まれているといわれていて、涙を流して声をあげることで身体に溜まっている悲しみのストレスを発散させる効果があります。
そして泣いている最中にはその行為に集中するように人はできていますので、思い切り泣くことで気持ちが少し紛れ、泣きやんだ時には悲しみが少し和らいでいることもあります。
無理のない範囲で動く
悲しみが深いあまりに何も手につかないということもよくありますが、あえて何かをしてみましょう。
スポーツが得意な人は少しでも身体を動かすのもいいですし、手先が器用な方は何か製作してみるのもおすすめです。
何もしたくない気持ちは十分に理解できますが、じっと家に閉じこもっていては悲しみのストレスが増していってしまいます。無理のない範囲で構いませんので、少しでも外の空気を吸うようにしていきましょう。
誰かに話を聞いてもらう
自分のペットへの想いなど、誰も理解してくれないなどと思わずに、思い切って誰かに悲しみのすべてをぶつけてみることにも効果があるようです。
必ず親身になって耳を傾けてくれる人はいます。もしも近くにあまり親しい人が居ない状況であれば、心療内科などでカウンセリングを受けるのも一つの方法です。
人は自分の心の中の悲しみや怒りを口に出して吐き出すと、その行為によってストレスが発散されて段々と気持ちが落ち着いていくといわれています。
思い切って別の猫を迎える
死んでしまった猫の代わりは、もちろんどんな猫にもできません。代わりの猫を迎えるというのではなく、新たな一歩を踏み出す為にまた猫の力を借りるのです。
別の猫を迎えたからといって、先に逝ってしまった猫は怒ったりはしません。むしろ、新しい仲間が飼い主さんの元にきて、飼い主さんが少しずつでも元気になってくれることを喜んでくれるでしょう。
自分が居なくなってそこまで悲しんでくれる飼い主さんの幸せを猫も望んでいるはずです。
辛いペットロスの乗り越え方を、『ペットロスで後追いしたい…そう考えてしまう人へ、ペットロスの乗り越え方を紹介』の記事で更に詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
まとめ
愛猫を失った時のペットロスについてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ペットロスは特に過剰な考えから起こるのではなく、愛する猫を失ったことで当然起こってしまうことです。
最初は辛く悲しい気持ちであふれてしまうかもしれませんが、猫の死をゆっくりとでもいいので受け入れていき、
忘れていくのではなく大切な思い出として心の中に持ち続けていくようにしていきましょう。