愛するペットの死に直面し、ペットロスに陥ってしまう方が増えています。
ペットロスの症状は様々であり、気持ちの落ち込みとともにペットの後を追いたいと考えてしまう方も実際にいます。
ここでは、改めてペットロスとはどのようなものなのか、そしてそれを乗り越えるにはどうしたらいいのかを紹介していきます。
目次
ペットロスで後追いを考えてしまう時もある
ペットロスになるのは当然のこと
アメリカでは1980年代頃から「ペットロス」という言葉が広く使われるようになり、日本でも90年代頃から段々とその言葉が世間に浸透してきました。
ところが、その言葉の意味が正しく伝わらずに浸透したことで、ペットロスは「ペットの死がきっかけでかかる心の病気」と解釈されるようになってきているのです。
これは間違いで、ペットロスは特有の人がかかる病気ではなく、ペットを大切に思っていた人たちなら誰しも感じるものであるといえます。
昨今ペットは大切な家族の一員という位置づけであることが多く、そのペットの死は大切な家族の死と同じ意味があるでしょう。
家族を失えば誰しも悲しみに暮れ、何も手に付かないような日々を送ることも当然あります。ペットロスとはそれと同様のものです。
悲しみにくれることも異常ではありません
ペットを失って悲しみにくれてしまうことは、いたって普通の感情で異常なことでは全くありません。
- 無気力になり、何も手に付かなくなる
- ペットの死を受け入れられない
- 最期の瞬間を何度も思い出してしまう
- 人と接するのが嫌になり自宅に引きこもる
- 食欲不振や不眠
- 頭痛や胃痛
- 自分の行動を振り返り自責の念にかられる
- ペットの死は家族や獣医師のせいと責任の転嫁をし始める
ここにあげたものは、ペットロスの一般的な症状になります。大切な家族や恋人だけでなく、友人を失くした時にもこのような症状が表れる場合もあるでしょう。
家族の一員であるペットを失った時にも、これらの症状が出ることは当然といえます。
心ない言葉は気に留めない
悲しみの感情の深さや、それに伴う症状は人それぞれです。なかには「いつまで悲しんでいるの」などと、心ない言葉を平気で浴びせてくる人もいるかもしれません。
肉親が亡くなった時には会社は忌引き休暇を認めてくれますが、ペットの場合に同じように休暇を認めている会社は稀に存在しますが極少数です。
こんな時には堂々と休暇申請をして、ペットとの最期の別れの時を過ごしましょう。大切な家族との別れの時間ですので、遠慮することはまったくありません。
批判的な言葉を発する人のことは気に留めず、死を悼む気持ちを大切にしましょう。
「ペットが死んだくらいで仕事を休むなんて」などという考えを持つ人は当然いますが、その逆に悲しみの深さを理解してくれる人はたくさんいることを忘れないでください。
ペットロスに陥り、悲しみが深すぎて後を追いたくなってしまうような感情も、過剰な反応ではなく、それだけペットに対する愛情が深かった証拠でしょう。
ペットロスに遭った時の乗り越え方
感情を表に出す
悲しみを押し殺して、涙を流さないようにと必死にこらえるよりも、悲しい時には感情のままに思い切って泣き叫んでください。
負の感情は溜め込まずに、どんどん外に放出することで、悲しみの気持ちも徐々にではありますが和らいでいく傾向があります。
悲しみの気持ちを外に出すことは、恥ずかしいことではありません。
人前だからといって一度でも感情を隠してしまうと、そのままどんどん心の奥底に溜めていくようになってしまいます。
悲しみのストレスは溜め込まず、出し切るようにしましょう。
無理はせずに休息をとる
ペットが死んでしまって悲しくて仕方がないけれど、いつも通りに仕事や学校に行く人は大変多いです。
対外的には悲しみを表に出さないように取り繕うことで、余計なストレスを感じる場合もありますし、思わぬミスをしてしまうこともあるかもしれません。
ペットロスを感じたら、思い切って休息を取るようにしましょう。人前で無理に普段通りに振舞うよりも、一度休息を取り心も身体も休ませてあげてください。
大切な家族との別れを経験したあとですので、自分で感じているよりも心身ともに疲れは溜まっているはずです。
思い出を振り返る
ペットを亡くしたばかりで思い出を振り返るなんて、そんな辛いことはできないと思われる方は多いかと思います。
ですが、そんな時こそ楽しく過ごした頃の写真や、一緒に遊んだおもちゃを一つ一つ丁寧に見ながら、思い出や気持ちを整理する作業が必要なのです。
悲しい現実から目を背けたくなる気持ちはとても理解できますが、背けたままでは悲しみの気持ちはいつまでも解消されない場合が多く、心にはもやもやしたものがいつまでも居座り続けることになりかねません。
しかし、急ぐ必要はありません。ゆっくりで構わないので、ペットのことを想いながら現実を受け止めていくことで、ペットロスから抜け出せることができます。
遺品を身に付ける
最近では、荼毘に付したペットの遺骨の一部をカプセルのような物に入れて、常に身に付けることのできるグッズが多く販売されています。ペンダントトップやキーホルダーなど形態は様々です。
ペットの一部をいつまでも手元に持っているなんて、逆効果では?と思う方もいるかもしれませんが、実際に手元にそれを持つことでペットに守られているような感覚になり、心に落ち着きを取り戻す飼い主さんが多いといわれています。
これは、目の前からは姿が消えてしまったけれども、常に自分のそばにいるという安心感からくる場合が多いです。その遺品の存在を認めていくことは、ペットの死を実感していくことにも繋がっていきます。
新しい命を迎える
大切なペットを失ってすぐには、別のペットを迎えようという気持ちにはならないでしょう。死んでしまったペットの代わりはいないのは当然です。
ただ、ペットロスに陥ってしまうほどに、動物に愛情をかけられる飼い主さんであれば、その心を癒してくれるのも動物の存在であることが多いといわれています。
気持ちが少しでも落ち着いたら、ペットの譲渡会やペットショップを覗きがてら外に出てみるのもおすすめです。
無理に新しい命を探す必要はありませんが、亡くなったペットの導きで、もしかしたら新たな出会いがあるかもしれませんよ。
カウンセリングを受ける
ペットが亡くなり気持ちが落ち込んだまま、1ヶ月以上が経ってもなかなか心がすっきりしない時には、診療内科でカウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。
最近ではペットロスに特化したカウンセリングを行ってくれる、ペットロスカウンセラーも増えてきています。
長期間に渡り、気持ちの落ち込みや食欲不振などから抜け出せない場合、そのまま身体を壊していってしまう場合もあります。飼い主さんが体調を崩すことは、亡くなったペットは絶対に望んでいません。
ペットのことをいつまでも大切に想う気持ちであれば、ご自分の身体も同じように大切に労わってあげるようにしてください。
ペットを失って辛い時に読んで欲しい本
本で心を癒す
ペットロスに陥って外にも出たくないと思われている時には、ゆっくりと本を読んでみてはいかがでしょうか。
同じようにペットロスで苦しんだ方たちが、この本を読んで気持ちが楽になったという本をいくつか紹介していきます。
虹の橋―Rainbow Bridge
インターネット上で話題になった作者不詳の詩を元にして、絵本として販売されるようになりました。
愛するペットとの別れは永遠の別れではなく、また会いたいと願っていればいつか必ず叶うと綴られています。
ペットロスに悩む多くの人が、この詩を読んで救われています。
ペットたちは死後も生きている
ペットの死はそこで全てが終わるのではなく、新しい始まりにすぎないという考えを持たせてくれるといわれています。
また次にペットに会う時のために、しっかりと自分の人生を過ごしていこうという気持ちにさせてくれます。
イギリスでは半世紀以上愛読された、有名なベストセラー本となります。
しっぽのある天使たち
この本の作者は獣医師であり、ペットロスの悩みを経験した飼い主さんたちに協力を仰いで書かれた一冊です。
ペットロスで悩んでいる人は自分だけではないんだということに気付かされ、心強く感じられるといわれています。
大切な愛猫を失ってしまった方へ、『ペットロスで辛い…飼い猫が亡くなった時の喪失感を紛らわすためにできること』の記事で喪失感を紛らわすためにできることをまとめていますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
まとめ
ペットロスは誰にでも起こり得るものだということを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ペットを失うことは、辛く悲しい経験です。そこから立ち直っていくのには、その方法もかかる時間も人それぞれとなります。
自分のペースで、ペットの死を受け入れるようにしていきましょう。
ペットは先に逝ってしまったけれども、楽しく過ごした思い出はたくさん残していってくれたはずです。
悲しみにくれるだけではなく、楽しかったことも思い出してあげるようにしてください。