自由に気ままに過ごすことが猫にとって一番とわかっているけれど、「お留守番させてる時がちょっと心配。家の中を自由にさせていて何かあった時はどうしよう」そう思われる飼い主さんは少なくないのではないでしょうか?
また、だからと言って「ケージの中に閉じ込めておくのもかわいそう」なんて思われたりしませんか?
今回はそんな不安をお持ちの飼い主さんの為に、猫にお留守番をさせる時の注意事項や最適なケージ、またペットホテルやペットシッターに頼む時のポイントまで盛り沢山でお届けします!
目次
猫を留守番させる時はケージに入れても大丈夫!
猫を自由に遊ばせているとわざわざ狭いスペースに潜り込んでいた、なんて事ありますよね。
広々した所で自由に走り廻ったり、ウロウロしてみたりすることは猫には必要なことですが、先ほどお話ししたように実は狭い所も好きなので、慣れてくれればケージは猫にとって安心できる場所になるのです。
誤飲事故を防げる
猫は好奇心旺盛です。紐があったら前足でチョイチョイ、持ち上げて噛み付いてとじゃれる姿はたまらなく可愛いですね。
髪を結ぶゴムや輪ゴムなども猫の好奇心をそそるようで、飼い主さんは落ちている事に気付かないけれど猫はしっかり見つけて遊んじゃいます。
遊んでいるうちはいいのですが、興奮してこういったゴムや紐を飲み込んでしまう誤飲の事故ですが、実は少なくないのです。
また、電気が通ったコードなどをかじってしまうと口を火傷してしまう危険もあるのです。こういった理由から、長時間の留守番はケージに入れておいた方が猫のためにも良いのです。
高所による事故を防げる
特に若い猫はいろんな物に興味深々。カーテンをよじ登ってカーテンレールの上に乗ってみて得意げな顔していたりしますよね。
高い所が大好きな猫ですが、カーテンに爪が引っかかってぶら下がってしまったり、登ったは良いけれど降りられなくなっていたなんて事もあるのです。
ケージに慣れていると災害時に困らずに済む
近年、大きな災害があちこちで起こってしまっていますね。いつどこで起こるかわからないものです。
飼い主さんが避難しなければならないことになった時、愛猫をボランティアの方に預かっていただく事になるかもしれません。
その場合は必ずケージでの預かりになります。猫にとって「自宅から離れる」「飼い主さんとも離れる」という避難生活は大きな負担です。
この時に元々、ケージに慣れておく事ができていれば「ここなら安心できる場所」と猫が認識する事でストレスが軽減できるのです。
ケージに慣らす
子猫の時から飼うのであればケージに慣れるのも早くて一番良いのですが、成猫からでも必ずしもできないわけではありません。
突然、ケージに入れておく事は猫にとってストレスになりますが、例えば「最初はご飯とトイレだけはケージにする」「マタタビを与える時はケージで」など、ご褒美や猫が喜ぶ事をする場所にして猫にケージを良い印象を持つような事から始めてみましょう。
特に怖がりな猫はケージが安心する場所である事を覚えるとずっと入っているほど、お気に入りになる事もあります。
窓を開けたり、知らない人が出入りしたり、玄関を開けて物を出し入れするような時はケージの扉を閉めておく事で怖がりな猫も安心ですよ。
一晩なら家でお留守番させた方がストレスも少ない
飼い主さんが旅行や帰省の際に猫をまずどうしようか悩まれる事でしょう。これは猫の性格にもよりますが、一晩なら留守番させていた方がストレスにならずに済む事が多いです。
外の世界に連れて行くという事は猫にとって安心なテリトリーから出される事になり、大きな負担となります。
特に人見知りで臆病な猫だったりする場合は大きなストレスになるので、お家で留守番して待っていてもらった方が良いでしょう。
猫をケージに入れて留守番させる時の注意点
飼い主さんがいない間に猫が安全に待っていてくれるようにケージが有効だという事がわかっていただけたと思います。
では、どんな物が必要でどういった注意が必要か知りたくなったのではないでしょうか?
早速、猫が快適にお留守番できるように、準備しなければならない事をご説明していきましょう。
どんなケージでも良いわけじゃない
猫にとって大事な運動は上下運動です。ケージは必ず段があるもので、二段以上ある物を選んであげてください。
最近は猫が爪を研いだり、登って遊んだり出来るキャットタワーがケージの中に付いている物もあります。
たくさんの種類の中からご自身の家の作りやスペースを考えて選んでみましょう。猫の好きな上下運動ができるように、できるだけ高さがあるケージが良いので、以下のものなどもおすすめです。
留守番時のご飯
一晩の留守番にしても、帰宅が遅くなる場合でも猫がお腹を空かせて待っていると思うとお仕事にも集中できませんよね。
例えばまとめて置いて行ったとしても、食いしん坊の猫は最初にほとんど食べてしまう事も考えられます。
そこでおすすめは、時間なると自動でご飯を出してくれる自動給餌機です。大きさや機能もいろいろあるので、色んな物をチェックしてみることをおすすめします。
但し、機械だけあって何らかの理由でお留守番中に故障することも考えると、通常の餌のお皿も置いておくとより安心できますよ。
自動給水機
飼い主さんがいない間にお水をこぼしてしまって飲めなくなっていた、なんて事にならないようにしたいですよね。おすすめは自動給水機です。
簡易な物から流水になっていたりする物までいろいろな商品が販売されています。こんな物まであったんだとビックリしますよ。
留守番時のトイレはシステムトイレがおすすめ
猫はとてもきれい好きなので汚れたトイレを嫌がって我慢してしまえば、膀胱炎などの病気にもなりかねません。
高機能な猫用のおトイレが出ていて、尿は一週間交換や掃除不要なシステムトイレがあります。
ただし、猫によっては砂の好みがあって、特定の砂以外は嫌がる事があります。例えば、鉱物の砂以外は断固拒否で、トイレじゃない所で粗相をしてしまう事もあります。
そういった場合は砂はたっぷり入れてあげるなど、少し小さめでも良いのでトイレを2つケージに用意するようにしましょう。
2泊以上留守の場合はペットホテルorペットシッターを頼もう!
飼い主さんの様々な事情で二泊以上のお留守番になった場合、安全のためにもペットホテルにお願いするか、ペットシッターさんにお願いする事をおすすめします。
では、次にその場合の注意点やポイントについてご説明していきますね。
ワクチン接種は絶対にしておくこと!
ペットホテルに猫を預ける際に必要となるのが混合ワクチンの接種です。
猫の感染症予防のワクチンで生後45日から60日に一回目、追加ワクチンを一か月後に打って、次からは一年後になります。
ここで注意点です。ワクチンの免疫が上がるのは二週間後になります。預ける日から逆算して「お泊りの日の二週間より前」にワクチンは済ませておきましょう。
その際にワクチン接種の証明書が発行されます。お預かりの際にペットホテル側からこれを提示するよう求められる事が多いです。
キャリーバッグ
連れて行くときに必ずキャリーバッグに入れて行っていただきたいです。これは脱走の予防にもなるのですが、猫のお泊りの際にとても役立つのです。以下のようなタイプがおすすめです。
- プラスチック製の固い物
- キャリーバッグの扉が外れるタイプ
- 上下で留め具を外すと分離して使う事ができる物
上記のようなキャリーバッグですと、扉を外してキャリーバッグごとケージに入れるか、扉と上部を外してキャリーバッグの下部をベッドにして使ってあげる事ができるのです。
怖がりな猫を無理にキャリーバッグから引きずり出さなくて良いので、預かる側も猫もストレスが少なくて済むのでおすすめです。
お泊り前に確認
ペットホテルに預ける事にしたら、頼んでみようかなと思われるペットショップなどにお電話してお問い合わせをしみたり、訪れてみると良いでしょう。
スタッフの雰囲気を知る事で飼い主さんも安心して預ける事ができるからです。
また、犬の姿を見ると「シャーッ」と威嚇する猫も多いですよね。できれば猫からは犬の姿は見えない方がストレスにならなくて良いです。
犬と猫のお泊りする所は別の空間になっている方が良いでしょう。
事前に打ち合わせておく
ペットシッターさんに頼む場合は自宅の鍵を預けるわけですから、信用が大事ですね。事前の打ち合わせを行ってくれる所がほとんどです。
逆に、一度も猫に会ってもらえずに来るペットシッターは頼まないようにしましょう。
食事内容や健康状態、トイレの始末など細かい所もしっかり打ち合わせをしてくれます。ご自身の愛猫に合いそうな方かどうか、事前の打ち合わせでお会いしてみることが出来ます。
お世話の他に
ペットシッターさんが猫とおもちゃで遊んだり、一緒に過ごす時間をとってくださいます。
また、猫の様子をメールやLINEなどで動画・写真を送ってくださるサービスもあります。実際の姿を見る事で飼い主さんも安心してお願いできるのではないでしょうか。
猫にお留守番をおとなしくさせる方法を、『ペットホテルはストレス!猫に留守番をおとなしくさせる方法!』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
まとめ
筆者が動物病院に勤務していた時、お盆や年末などでご実家に帰省される場合やご旅行に行かれる際におなじみとなっている猫がいました。
何度もその猫のお預かりをしてお会いしていると、猫も覚えていて懐いてくれたり、警戒心が薄れて自分から寄って来てくれたりします。
ペットホテルにしてもペットシッターさんにしても信用の出来る方を見付けて同じ方に頼む事で、猫のストレスも軽減されると思いますよ。
また、ペットシッターさんの中には猫専門のキャットシッターさんもいます。猫を家から出すリスクを考えてペットシッターさんを利用する飼い主さんが増えているのです。
ご自身と愛猫に合うスタイルを探してみてくださいね。