飼い猫が痒そうにしているのを発見して、体をくまなく調べたらノミがいた!どうして!?どこから!?とついつい慌ててしまいますよね。屋外と屋内に自由に行き来できる猫なら、ほぼ100%ノミやダニがついていると言っても過言ではありません。
また、完全室内飼いでも、外を自由に行き来できる猫との接触があれば、ノミやダニが移ってしまうもの。小さいながらも、ノミやダニが体にくっついているのを考えると、寒気がしてしまいますね。
繁殖能力も凄まじいノミやダニはきちんと駆除をしていないと、貧血などを起こす可能性があり大変なことになってしまいます!ノミやダニの予防をすることは、猫の健康のためにも大切なことなので、対策や予防方法などを解説していきますね♪
目次
猫のダニ・ノミは早めに対策しておこう!
愛猫からノミやマダニを発見した時、ビックリしてしまいますよね!マダニは人間にも寄生する害虫で、殺人ダニと言う異名も持っているほどです。
これは、SFTSウイルスというウイルスを持っているマダニに咬まれたために重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病、ツツガムシ病などを発症してしまい、重症化すると命も落としかねません。
ノミやダニ、マダニは放っておいてもいなくなることはなく、猫の体の上で繁殖を続けているのです。住居スペースの環境の悪化、猫の体調の悪化なども考えて、見つけたら早急に対策をする必要があります。
ノミを見つけても絶対に手で取ったり、つぶしたりしないで!
ノミの体の中には瓜実条虫(サナダムシ)という、お腹に寄生する虫の幼虫が住み付いていることがあり、ノミを手でつぶしてしまうとその寄生虫の幼虫が爪の中に入り込むことがあります。
爪の中に幼虫がいることを知らず、食べ物などを口にしてしまうと、人間にも寄生してしまうので大変危険です。更に、マダニの場合は、取り方を誤ると、マダニの口についている突起がもげて猫の皮膚に残ってしまい皮膚炎になってしまう可能性もあります。
ダニやノミ対策はこまめな掃除を!
ダニやノミの大量繁殖を防ぐには、お部屋の掃除が大切になってきます。ノミの繁殖スピードは速く、ゾッとしますが1日に最大50個もの卵を産み付けるのです!
例えば、猫に5匹のノミがいた場合、猫が過ごすスペースには95匹ほどのサナギや幼虫がいると思ってもいいと言うお話もあります。
ですので、猫がいるスペースの掃除は定期的に行い、清潔にしてあげるようにしましょう。いつも使っている毛布やベットは、60℃のお湯で10分間洗うと、ノミやダニが死滅しやすくなりますし、卵や幼虫の死滅効果も期待できます。
お湯をかけることのできない、家具や床などは、通常の掃除機で吸い込むよりもスチームクリーナーを使い、ノミやダニを駆除しましょう。ついでに、殺菌、消毒効果もあるので、清潔に保つことができて便利でいいですね!
市販のノミ取り薬は医薬部外品!
ホームセンターやペットショップで販売されている、ノミ取りのお薬や首輪を見かけたことがありませんか?比較的、安価なものが多く、ついつい買ってしまいそうになる気持ちもわかります…が、医薬部外品の意味をご存知でしょうか?
医薬部外品とは、いわゆる医薬品と化粧品の間のようなものです。ですので、市販薬の効果には限界があり、雨に濡れたりシャンプーをしたりすると効果が薄くなってしまい、持続期間があまり長くありません。
また、背中などに垂らす滴下タイプのものは、農業用の殺虫剤と同じ成分のものがあったことがあり、過去に中毒症状が出た猫がいたり、死亡事故が起きてしまったものもあります。この成分は、pyrethrinsやpyrethroidsと成分表に記載されているので、どうしても市販薬を使わなければいけない場合はチェックしてください。
動物病院で処方されるノミ取り薬を使おう
動物病院で処方される、ノミ取り薬はフロントラインやレボリューションというものが主で、この2つのお薬は、動物用医薬品です。動物医薬品とは、動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされているお薬で、効果が非常に高いものです。
これらのお薬は、効果が1か月以上続き、ノミやダニの卵や発育を阻止、体の中の内部寄生虫、マダニにも対応しています。更に、犬だけではなく、近年まれに猫にも感染が確認されているフィラリア症(犬糸状虫症)も予防してくれるものもあります。
お薬を付けて、猫は48時間経過するとシャンプーなどで体が濡れてもOKです!医薬部外品は効果が低くなりますが、動物医薬品は効果を変わらず発揮し続けてくれます。
副作用については、猫の体調が悪い時以外は比較的出ずらい傾向があるので、猫の体調と相談して日程を決めていきましょう。
多頭飼いの場合は全ての猫にノミダニ駆除薬を!
多頭飼いの中で1匹にノミが見つかった場合、接触する猫全てにノミやダニが寄生していると言えます。
これは、ノミが見つかった猫と他の猫の部屋が別であったとしても、成虫、サナギ、幼虫、卵の全てが飼い主さんの衣服や爪などに付着し拡散、寄生してしまいます。ですので、ノミダニ駆除薬を一斉に全ての猫に行う必要があります。
ダニやノミが猫に寄生すると痒がるだけではなく、皮膚炎や猫ヘモバルトネラ症と言う病気を引き起こす危険性があります。
猫ヘモバルトネラ症は、ヘモバルトネラフェリスという菌がノミやマダニによって媒介されると言われており、症状は貧血、体重減少、食欲不振、元気消失、呼吸数増加、黄疸などが挙げられます。
この病気は、症状を回復させることは可能ですが、完全に菌を退治することができなく、一生涯を通しての付き合いとなってしまいます。更に妊娠、出産時には、お腹の中の子猫も母猫の体内での感染が見られます。
再発頻度は少ないようですが、できればノミやダニを予防して病気にならないようにしてあげることの方がいいですよね!では次に、ダニやノミの予防法についてお話をしたいと思います。
動物病院でノミやダニの駆除をするとかかる費用について、『猫のノミ駆除を病院で行った時にかかる費用まとめ』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダニやノミをできるだけ予防する為にできること
シャンプーを行う
ダニやノミを予防するには、定期的にノミ取りシャンプーなどでシャンプーを行うことをおすすめします。しかし猫の場合は、お風呂を嫌う子もいますので、無理のないようにしましょうね!
お風呂を嫌がった場合は、毎日のブラッシングでノミなどがいないか確認しましょう。無香性の猫専用のボディタオルで、体を清潔にしてあげることもおすすめです。
室内飼いにする
猫がどこからノミやダニを拾ってくるかと言うと、それは外が多いですよね!草むらで遊ぶことでついてしまうこともありますし、他のノミなどに寄生されている猫との接触で感染してしまいます。なので、猫を室内飼いに変えてあげましょう。
はじめは退屈そうにしたり、外に出たいと訴えてくる時もありますが、お部屋の中で飼い主さんと一緒に遊んだり運動をすれば、じきに落ち着いてくるでしょう。
外の世界には、車も多いですし、他の猫とのトラブルなど、猫にとっては危険がいっぱいです。ノミやダニの予防だけの理由だけではなく、こういった危険から猫を守るためにも室内飼いにしてあげましょう。
バルサンなどの害虫駆除薬をお部屋に使用する
お部屋に定期的に害虫駆除薬を使うこともおすすめです。最近のものはノンスモークタイプもあるので、アパートやマンションでも使いやすくなっています。
ただし、殺虫剤の成分が室内に付着してしまい、これを猫が舐めたら大変です!害虫駆除薬を使用した後は、水拭きなどをして猫の健康を害さないように工夫することが必要です。
布製品には布団乾燥機を定期的にかける
クッションやタオル、毛布などは上記でもご説明した通り、60℃のお湯で10分洗濯するといいのですが、マットレスや布団などの大型布製品には定期的に布団乾燥機をかけて、ダニやノミを寄せ付けないようにしましょう。
布団乾燥機なら、雨の日などにも使えるのですが、無い場合は天気のいい日に天日干しするといいですよ。
飼い主さんはおうちに入る前に粘着シートでコロコロを!
ノミやダニは飼い主さんの衣服から、おうちの中に侵入することもあり得ます。ですので、おうちに入る前には粘着シートで、できるかぎりコロコロしましょう!
そうすると、僅かかもしれませんが、ノミやダニをくっつけて室内に侵入することを防ぐことができます。ゴミは屋内に置かず、なるべくベランダに出したり、早めにゴミ置き場に捨てましょう。
まとめ
ノミやダニは1年中活動しており、暖かい季節になることを待ち望んでいますので、寒い時期でも上記のような予防を怠らずに行うことが大切です。
猫にノミやマダニが付着しているのを発見したら、速やかに病院に行き、適切なお薬を処方してもらいましょう。小さな虫だからと決して甘く見ず、様々な病気を発病する恐れがある怖さを理解してもらえたらと思います。