ふと気が付くと、自分の横で犬がいびきをかいて寝ている事がありませんか?クークーという可愛らしいいびきや、ガーガーなんて豪快ないびきを聞いていると、思わず微笑んでしまいます。
でも犬のいびきには、実は病気の原因が隠されている場合がある事をご存知ですか?
ここで若干飼い犬のいびきに不安を感じた飼い主さんへ、正常ないびきと病気を疑った方がいい可能性のあるいびきの違いを紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね♪
目次
犬がいびきをする時の考えられる原因
肥満傾向の犬
いびきが出る仕組みは、犬も人も実はほぼ同じ理由からになります。最も多いのは、寝ている時に喉の中の空気の通り道が狭くなり、呼吸をする時に音がしてしまうという現象です。
肥満傾向にある犬は、脂肪が喉の周辺に多くついてしまっているので、脂肪により喉が圧迫され空気の通り道が狭くなってしまいます。その結果いびきをよくかくようになってしまうのです。
短頭の犬種
パグやシーズーなどの短頭犬種にもいびきが多くみられます。これらの犬は、人の手によって少しずつ改良が加えられて現在の形になってきました。
その過程において鼻が短くなり上向きになってきましたので、構造的に空気の通る鼻道が曲がっていて、いびきが出やすくなってしまったのです。
唇が垂れたタイプの犬種
左右の唇が垂れたようなタイプの、セントバーナードやレトリバー系の大型犬にもいびきをよくかく犬が多いです。
特にこの犬種の中でも水を飲む時にむせやすい犬は、鼻と喉の間にあるひだが産まれつき少し大きめの場合があります。そうゆう犬は、特にいびきをかきやすい傾向にあります。
超小型犬種
ティーカップ犬といわれる大きさのプードルやチワワ達は、鼻から肺までの距離が短いうえに鼻道が曲がっています。
その為に、この手の超小型犬種もいびきをかきやすいです。その中でも、大型犬種と同じように水を飲む時にむせやすい犬は、いびきをかきやすいと言われています。
改善した方が良いいびきとそれぞれの対処法
病気を疑った方がよいいびき
犬がかくいびきの中には、全く心配のないものもありますが、病気の可能性を疑った方がいい場合もあります。では、どんないびきの場合は病気を疑い対処をした方がいいのか、いくつか紹介していきます。
- 寝ている時には、常にいびきをかいている
- いびきの音がどんどん大きくなっている
- 今まではほとんどいびきをかかなかったのに、急に大きないびきをかくようになった
- いびきをかきながら、息苦しそうに寝ている
自分の犬のいびきが、これらの特徴に当てはまるかどうか、犬をよく観察してあげてください。いびきから考えられる主な病気を4つ程紹介しておきますので、いずれの場合にも少しでも心当たりがありましたら、早めに病院へ連れて行くようにしましょう。
アレルギーや感染症による鼻づまり
犬も人と同じようにアレルギーによる鼻水が出る場合があります。ただ、鼻水の原因がアレルギーであるのか、風邪による感染症による物なのかは獣医師でないと判断はつきません。
この鼻水が原因で呼吸がしにくくなり、いびきが出るきっかけとなっていますので、鼻水があまりにも長く続くようであれば一度動物病院で診察を受けてみてください。
もしも食べ物などからくるアレルギーだと分かれば、フードを変更するなどして対応すれば鼻水も出なくなり、いびきもなくなっていくと思います。
犬の風邪については、『犬も風邪をひく!犬の風邪の原因や対処法』の記事でも詳しく解説しています。
気管虚脱
これは通常は筒型の形状をしている気管が、押しつぶされて変形し正常な弾力がなくなる事がきっかけとなり、呼吸が正常にできない状態になる病気です。寝ている時のいびきだけでなく、起きている時にもよく咳き込んだりする様子が見られるようになります。
腫瘍
鼻腔の周辺に腫瘍ができてしまった場合にも、空気の通りが悪くなりいびきが出やすくなります。万が一悪性の腫瘍だった場合には、処置は早いに越した事はありません。
心臓肥大
犬の心臓肥大は、ほとんどの場合食生活に原因があります。人の食事を少しずつでも毎日貰う犬は、塩分の摂取量が過剰になり心臓肥大になる確率が高いです。
心臓肥大になると、心臓が気管を圧迫するために呼吸をする時に一見いびきのような音を発します。常にいびきをするようになったり、咳き込んだりする事が多くなるのが特徴です。
肥満からくるいびきの対処法
主な病気の他には、肥満傾向の犬のいびきはダイエットをして体重を管理してあげる必要が出てきます。肥満をそのままにしておくと、心臓に負担がかかりますし、別の病気の要因に繋がってしまう可能性もあります。
いつもより少し運動を増やしたり、フードをヘルシーな物に切り替えたりして体重管理を見直すと、自然といびきも減っていくようになります。
たばこの副流煙が原因の対処法
たばこの副流煙は、人間だけでなく犬にも悪い影響を与えています。犬にとってたばこの煙は粘膜に大変強い刺激を与え、その結果粘膜を知らず知らずのうちに傷付けてしまっているのです。
煙の影響で傷付いた粘膜は、自衛本能で鼻水を自然と出すようになります。この鼻水のせいで鼻がつまり、結果的にいびきが出るようになってしまうのです。
たばこの副流煙が人に与える影響が世間でも話題になっていますが、犬に与える影響もほぼ同じだと言われています。犬の健康を考えるのであれば、禁煙をするか犬の近くでは喫煙をしないようにしてください。
犬が寝言を言っている時の原因
レム睡眠
犬の睡眠は人と同じように、レム睡眠とノンレム睡眠を周期的に繰り返し、眠りの浅い時の状態はレム睡眠となるのですが、犬が寝言を言うのはこのレム睡眠の時になります。
レム睡眠時の犬は、一見寝ているように見えますが脳は活発に動いていて、起きている間に起きた出来事を脳の中で整理したり、夢の中で獲物を追いかけていたりします。
その夢の中で起きている出来事に対して、吠えたり唸ったりしている事が、寝言となって表に出てきてしまうのです。
寝言はストレスの表れ
犬が寝言を言うのは、ストレスを抱えている時だという説もあります。レム睡眠時に犬が記憶を整理するのは、それまでに学んだ事を振り返っている為、それを行っている時はリラックスができていない状態になるので、イコールストレスを抱えているという事になるそうです。
人も何かを覚えようと一生懸命になると、脳が疲れてきますよね。そしてひと眠りすると脳も休息ができてすっきりするようにできています。犬もそれと同じように脳が疲れるのですが、人と違う点があるのです。
犬はレム睡眠時に記憶の整理をしながら抱えたストレスを、寝言をいう事で発散する事ができます。これは誰かに教えてもらってやっているのではなく、犬の本能で自然とできる技といってもいいでしょう。
犬の寝言については、『犬も寝言を言う!?寝ている時は夢を見ているの?』の記事でも詳しく紹介しています。
寝言を言っている時はそっとしておいて
先に説明しましたが、犬は眠りながら記憶を脳の中で整理をし、その整理中に起こるストレスを寝言で発散しています。この記憶の中には、嫌だと感じた気持ちや怖かった思いなども含まれていて、犬は次に目覚める時までにその気持ちをリセットしようとしているのです。
その為、寝言を言っている犬に「どうしたの?」などと声をかけて起こしてしまうと、脳の整理がきちんと進まないばかりでなく、ストレスの発散もできないままになってしまい、逆にストレスを溜め込んでしまう可能性があります。
夢の中で何か嫌な記憶を整理している最中などに、飼い主さんがうっかり声をかけて起こしてしまったりすると、犬は現実と夢を混同していまい間違って飼い主さんを噛んでしまうかもしれません。
飼い主さんがびっくりしてしまうような遠吠えをする事もありますが、起こさずにそっとしておいてあげてくださいね。
まとめ
犬の寝言やいびきはなんとも可愛いものですが、いびきの様子によっては病気が隠れている場合がありますので、いびきの音がやけに大きかったり、息苦しいような様子が見られたりしましたら、なるべく早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
そして、今までは犬が寝言を言っていると「怖い夢でも見てるのかもしれないから」と言って起こしてしまっていた飼い主さん、これからはそっとしておいてあげるようにしてくださいね。