犬がしゃっくりをしているところを見ると、どうしたの?と思ってしまいませんか?
小型犬の場合は、小さな身体全体を動かしながらしゃっくりをしている姿を見ると、最初はクスッと笑ってしまう事もあるかもしれませんが、それが長く続くと心配になってしまいますよね。
飼い主さんもどうしたら良いかわからない不安を解消するためにも、犬がしゃっくりをする原因から、しゃっくりを止める方法までを順番に紹介していきますので、犬がしゃっくりをした時の対処法として、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
犬がしゃっくりをする時の考えられる原因
しゃっくりとは
しゃっくりは、犬も人も同じで横隔膜が痙攣をしている事で起こる現象です。聞きなれない言葉かもしれませんが、これを「不随収縮」と呼びます。しゃっくりには、内に溜まったガスを、痙攣と共に減少させる効果もあるのです。
時間の経過と共に、自然と治まるしゃっくりは問題ありませんが、あまり長時間続いたり、くしゃみや咳も同時に出たりするような症状がありましたら、早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
食べ方が早過ぎる
犬は元々早食いの動物ですが、あまりにも早食いをする習慣が付いてしまっている子は、しゃっくりが出やすい傾向にあります。
フードの固さが合わない
子犬の離乳食の時期など、柔らかくしたフードから徐々に固いフードに切り替えていくと思いますが、その固さがあっていないとしゃっくりを起こしやすくなります。
また、フードそのものが犬の体質に合っていない場合にも、しゃっくりを引き起こす原因になります。
ストレス
生活環境の変化や、飼い主さんと離れる不安感がストレスとなり、交感神経が過敏に働きだすと、しゃっくりが出やすくなるのです。
引越しや、新しい犬がやってきた事による生活環境の変化や、雷や花火の音などによる恐怖、飼い主さんと離れての長時間の留守番の不安などが原因といえます。
犬のストレスについては、『気をつけて!犬にとってのストレスになる要因とやってあげたいストレス解消法!』の記事で詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
病気を疑う
一過性のものではなく、長く続くしゃっくりは病気の心配をした方がいいかもしれません。下記にあげる症状が出ていましたら、早めに動物病院で診てもらうようにしてください。
- しゃっくりが長時間続いている
- しゃっくりと共に、咳やくしゃみが出る
- 食欲が落ちた
- 嘔吐する
- 呼吸が苦しそう
- 脈が速い
- しゃっくりをしているような音を鼻から出す
これらの症状から考えられる病気が下記になります。
- 心臓病(心肥大など)
- 脳梗塞
- 呼吸器系の異常(肺炎、喘息など)
- 胃捻転
- 回虫などの寄生
特に胃捻転や脳卒中などは緊急性が大変高い病気です。しゃっくりが続くからといって、必ずしもその病気とは限りませんが、明らかにいつもと違う様子を感じましたら、早めに動物病院に連れて行くようにしましょう。胃捻転や脳卒中に限らず、病気は早期発見・早期治療が大切です。
他に考えられる原因としては、おもちゃや異物の誤飲です。誤飲物は、そのまま便と一緒に排泄されてしまえば問題ないのですが、万が一どこかに詰まってしまうと呼吸困難を引き起こす事もあります。
吐く仕草を仕切りにするのに何も吐かない時は、何かが詰まっている可能性が高いので、早めに動物病院へ行くようにしてください。最悪の場合には開腹手術をして取り出さなければならなくなりますので、早目の対応をおすすめします。
睡眠中にするしゃっくり
犬が寝ている時にしゃっくりをしているのを見た事がありますか?これは夢を見ていて、その夢の中で吠えていたりする時に、寝言して表に出てきている状況です。
いわゆる寝言というやつですね。起きている時にはほとんどしゃっくりをせず、睡眠時に時々出るだけでしたら、特に問題はありません。
しゃっくりをしている時には、犬は眠りの浅いレム睡眠状態の時です。犬はレム睡眠時に記憶の整理などを一生懸命脳の中でしているので、しゃっくりをしているからといって起こしてしまうと、脳の整理が中途半端になってしまいストレスにも繋がりますので、しゃっくりをしているからといって起こす事はせずにそっと寝かせておいてあげてください。
犬の寝言やいびきについては、『犬もいびきをするの?!考えられる原因と必要な対処法』の記事でも詳しく紹介しています。
しゃっくりと共に吐く場合
時にはしゃっくりをしながら、むせ始め吐いてしまう事があります。吐いた後に元気にしているようでしたら、次の食事の時間には量を少し減らしてみてください。
食事の量を減らしても、また同じように吐く場合には内蔵系に何か問題が発生している可能性があります。速やかに動物病院で診てもらいましょう。
犬のしゃっくりを留めるためにできること
驚かす
犬がしゃっくりをし始めたら、人にやるのと同じように、背中をポンと軽く叩いて驚かしてみましょう。一瞬犬はビクッとして、その拍子にしゃっくりが止まるかもしれません。
ただし、何度も繰り返し驚かす事をしていると犬は慣れてしまいますので、1回のしゃっくりに付き、驚かすのは1回だけにしておきましょう。
水やおやつを与える
これも人にする方法と同じですが、水を飲ませて呼吸を落ち着かせるようにしましょう。水だけでなく、おやつなどを与えて気をそらすのも有効な方法です。
遊びに誘う
呼吸のリズムが変わるように、遊びに誘うのもしゃっくりを止めるには有効的な方法です。ボールなどを使って、軽く走らせるといいかもしれません。
時間があるようでしたら、外に散歩に連れ出してしまってもいいでしょう。ちょっとした変化で、ピタッと止まる事がよくあります。
マッサージをする
しゃっくりは横隔膜の痙攣が原因ですので、犬の胃と肋骨の間辺りの場所を手のひらで優しく押してあげると、痙攣を起こしている横隔膜の動きが落ち着き、しゃっくりが止まる事があります。その他には、喉や胸の周辺を同じようにマッサージするのもおすすめです。
予防も大事!しゃっくりをしないためにできること
食事はゆっくり食べさせる
早食いをしてしまう犬の場合は、食事は少しずつあげるようにしてみましょう。与える量はいつもと同じで構いませんので、飼い主さんが横に付いて、少量ずつお更に入れて食べ終わったら足してあげるようにします。
そうする事により、自然といつもより食べ終わるまでには時間がかかる事になり、しゃっくりも出なくなります。それが無理な場合には、皿の中に凸凹が付いている早食い防止用の皿があります。
ホームセンターなどで手軽に手に入りますので、それを使用してみるのもおすすめです。
フードを変える
食事の後にしゃっくりが出る事が多いのであれば、原因の一つとして食事内容を疑ってみましょう。早食いであれば、先に説明したような対処を行い、そうでなければフードを違う物に変えてみたり、フードの固さを変えてみたりしてください。
ふやかし方も、ドライフードの芯が完全になくなるまでふやかす方法もありますが、少し固さが残る程度にふやかしてみてもいいでしょう。食事一つとっても色々と試せることは多いので、ぜひ試してみてください。
安心感を与える
長時間のお留守番を不安に思っている様子でしたら、飼い主さんの洋服など匂いに付いた物を、側に置いてあげるようにしてください。犬は匂いに敏感ですので、飼い主さんの匂いがする物があるだけで落ち着いてくれます。
もし、新しい犬を迎え入れたなどの生活環境の変化があったのでしたら、何事も先住犬を優先するようにしてあげてください。自分が優先されていると犬が認識してくれれば、不安も段々となくなっていきます。
犬におとなしくお留守番させる方法については、『犬にお留守番をおとなしくさせる方法!何時間までセーフ?』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
人間もしゃっくりが続くと嫌な気分になりますよね。それはきっと犬も同じだと思いますので、犬がしゃっくりをしていたら、止めてあげるように少し手助けをしてあげてください。
人のしゃっくりと違い犬のしゃっくりは、呼吸のリズムを少し変えてあげるだけで、割と簡単に止まる事が多いです。
ただし、あまりにも頻繁にしゃっくりが出たり、しゃっくりと共に咳き込んだりするような様子が見受けられましたら、念の為動物病院で一度診察をするようにしてください。