愛護法で動物の遺棄は犯罪の1つとされていますが、残念ながらまだまだ犬を捨てる人が後を絶たず、もしかしたら捨て犬を拾うこともあるかもしれません。
しかし、拾ったはいいけれど、子犬を飼うことが難しい方もいますよね。その場合には、子犬を里親に出し新しい飼い主さんを探すという方法があります。
里親に出したいけれど、どのようにすればいいか分からない方のために、今回は里親募集をするにあたっての方法や、流れをご紹介します。
目次
子犬の里親を探す方法
子犬を拾ったけれど、何らかの事情で飼えない場合、犬の里親制度を利用してみましょう!里親を探す方法は以下のものが挙げられます。
- 新聞の折り込みに掲載する
- 動物病院などに貼り紙をお願いする
- SNSで拡散する
- 里親を探せるサイトを利用する
これらの方法で、新しい飼い主さんを探すことができますので、以下に詳しく記述していきます。
新聞の折り込みに掲載する
週に1度程度、新聞に折り込みされる広報を使って里親を探す方法です。掲載するには費用が必要な場合もあるので、各新聞社の営業所に問い合わせて聞いてみましょう。
動物病院などに貼り紙をお願いする
子犬を拾ったら、まず動物病院での診察が必要になり、寄生虫などの病原菌を駆除してもらい健康診断を受ける必要があります。この時に、獣医さんに貼り紙をしてもいいかお願いしてみましょう。
動物病院は様々な動物と、その飼い主さんが訪れる場所ですよね。なので、動物が好きな人の目に募集を訴えることによって、周りに声をかけてくれることもあるかもしれません。貼り紙は、自作する必要があり、写真なども入れると新しい飼い主さんを見つけやすくなります。
SNSで拡散する
今はほとんどの方が何かしらのSNSを利用していると思います。なので、このSNSで里親募集を呼びかけてみましょう!拡散希望の旨を記述すると、知り合いから知り合いに情報の伝達がなされ、新しい飼い主さんにたどり着くことができるかもしれません。
里親を探すサイトを利用する
里親を探すにあたって、一番探しやすいポイントは、より多くの里親希望の人の目に触れることです。なので、里親募集のサイトを利用することは、新しい飼い主さんを探しやすくなる方法でとても理にかなった方法です。
里親募集のサイトは個人でも利用することができますので、是非活用してみてください。里親募集のサイトで大手のものは以下のものになります。
どちらのサイトも無料の会員登録をして、里親募集の要項をUPすることができます。都道府県ごとでの募集の制限もできますので、引き渡し場所のことも考えてエリアの指定をしておくといいですね!
また、引き渡しに関する交通費の請求もお互いの合意に基づいて請求が可能です。注意点としては、金銭が絡む里親の募集は禁止となっています。
病院代や避妊去勢手術などの交渉は可能となっていますので、必要があれば記載しておきましょう。サイトでの里親募集では掲載に押さえておきたいポイントがあり、以下のことが挙げられます。
- 犬の写真(複数枚あれば尚いい)
- 種類
- 性別
- おおよその年齢
- ワクチンや避妊去勢手術の有無
- 単身者、高齢者の応募が可能か
- 募集経緯(保護した時の状況など)
- 現在でわかる範囲の性格や特徴
- 健康状態(動物病院の診察の内容や処置内容など)
- エサの種類や与え方、食べる量など
- 引き渡し方法
これらのことを詳しく掲載した方が、里親が見つかる確率がグンとUPしますので、細かに記載しておくといいですね!
里親を決める時に気をつけたいこと
里親募集をかけても、すぐに決まるということはありませんし、一緒に生活をしていると情が出てきてしまうものです。せっかく救った小さな命なのだから、良い飼い主さんにめぐり合って欲しいと思うことは自然なことですよね。
里親募集をかけて、連絡が複数ある場合もありますし、少ない時もあります。しかし、ここで焦ってはいけません。新しい飼い主さんを選ぶ権利は、今はあなたにあります。状況によって応募を見送るということも、大切な判断なのです。
犬が飼える環境かどうか
犬が飼える家かどうかの確認は大切なことです。一軒家、もしくはペット可能の集合住宅に住んでいるか、確認しましょう。それ以外の場合は、犬を飼える環境ではないのでお断りするようにしてください。
更に、犬を飼うためには一緒に住んでいる家族の同意も必要になりますよね。募集者の家族が、犬を飼うことに同意しているかしっかり確認しましょう。後になって、
「やっぱり家族がダメだっていうから」
「アレルギーだったけれど飼えると思っていたら無理だった」
なんてことが無いようにしないと、犬が再び里親募集に出されたり、保健所に引き取られたり、捨てられたりということがあるかもしれません。
単身者、高齢者の応募
応募者の中には、単身者や高齢者の方もいることがあります。単身者の方は、一人暮らしをしている方のことで、家を空ける時間が多い事もあります。
高齢者の方の場合、年齢によりますがもしかしたら犬の方が、寿命が長いことだってあり得ます。この単身者、高齢者は犬の散歩がなかなかできない状況のことも考えられますので、しっかり確認をしましょう。
犬を飼うことが初めての人
犬を始めて飼う人でも一生懸命犬について勉強する人もいます。しかし逆に好奇心だったり、無料というキーワードに引き寄せられて募集をする人も中にはいます。
こういった飼い主は、その場のみの一時の気持ちで犬を飼おうと考えている人が多いのが現状で、引き渡した後にネグレクト(飼育放棄)に繋がることも考えられます。犬についてどの程度の知識があるのか確認をしましょう。
未成年の応募者
未成年の場合、年齢にもよりますが仕事をしていない=収入源が安定していないことがあり、犬にかかる費用を支払っていけない現実的な問題があります。未成年の応募者には、親や親族からの連絡でないと受けられないことをしっかり伝えましょう。
結婚していないカップルからの応募の場合
結婚していないカップルの場合、突然別れることがあります。別れても、どちらかが責任を持って飼ってくれればいいのですが、そうはいかない場合も起こりうることがあります。
別れた時に、犬の押し付け合いになることもありますし、引き取っても犬に対する愛情が消えてしまうこともあります。しっかりとどちらが飼い主になるのか、万が一別れた場合でも犬の生涯の面倒を見てくれるのか、確認しましょう。
トライアル、自宅の訪問を応じてくれるかの確認を
犬の里親募集の中にはトライアルというものがあります。トライアルは数日間、募集者に犬と共に生活をしてもらうことです。
多頭飼いの場合や、先住に他の犬や猫がいる場合、動物同士の相性は人間が思う以上に大切なものです。実際に犬と生活をしてもらい、相性が悪かった場合は返還してもらうことも視野に入れておきましょう。
またこの時に、可能であればですが犬が生活するであろう場所を下見させてもらうということも犬がより良い生活を送るためのアイディアです。
これは、応募者のプライベートな空間をみせてもらうことなので、嫌がる方もいます。なので「絶対必要ではない」ということと「できれば」という形で、応募者に相談してみましょう。
里親が決まるまでの流れ
里親が決まるまでの流れは以下のようになります。
- 里親募集をする
- 応募者から連絡が来る
- 応募者の中から犬を引き渡してもいい人を人選する
- 応募者と犬のお見合いをする
- 募集者と応募者で条件の確認をする
- トライアル期間を設ける
- 応募者が犬を飼う準備を整える
- 準備が整ったら引き渡し場所を決める
- 譲渡契約書を双方が書く
- 犬の引き渡し
①~③については先述の内容を確認していただければと思います。ここでは、④~⑩について、詳しくお話していきますね。
応募者と犬のお見合いをする
募集者の中から人選した方と犬を実際に会わせてお見合いをしてみましょう!お見合いは、犬とのフィーリングを確かめてもらうことと、募集者との面接と言えばわかりやすいかと思います。
犬と遊んでもらったりしつつ、応募者に直接質問を投げかけてみたり、質問に答えたりしましょう。募集者も犬を実際に見て、引き取るかどうか決めるポイントなので犬の身なりは清潔にしておいた方がいいですね!
募集者と応募者で条件の確認をする
犬を引き渡すにあたって、交通費や病院代、不妊去勢手術などの費用の条件の確認をしておきましょう。費用についてお互いが合意することができれば、引き渡し当日に準備しておいてもらう金額を伝えておくと安心できます。
トライアル期間を設ける
これは先述もしましたが、実際に応募者と犬が生活を共にしてもらうことです。先住犬や先住猫がいる場合、お互いの相性を見てもらったり、犬の性格などを知ってもらうためです。
トライアルに連れて行くときに、相手のお家の中を見てもいいか聞いてみましょう。これは犬にとって危ないものがないかなどの確認にもなりますので、可能であればお願いしてみてください。トライアル期間は約3日~1週間程度で行うといいですよ!
応募者が犬を飼う準備を整える
応募者に引き渡すことをお互いが合意したら、応募者に犬を飼う準備をしてもらいます。準備にかかる期間などもおおよそ聞いておくといいですね!また、募集者から渡せる余った餌や毛布やおもちゃなどがあれば、それも伝えておきましょう。
準備が整ったら引き渡し場所を決める
応募者の犬を飼う準備が整ったら、引き渡し場所や時間を決めていきましょう。引き渡し場所は公園や、ドッグカフェなどの場所がおすすめです。
お互いの都合のいい場所を設定し、時間も確認してください。次に書く譲渡契約書に必要な身分証明書のコピーも件も伝えておくとスムーズになります。
譲渡契約書を双方が書く
引き渡し日が来たら、譲渡契約書を準備しておき、引き渡し場所で双方が記入しましょう。譲渡契約書の内容は以下のようになります。
- 飼育放棄をしないこと(飼育不可になった場合、譲渡人に報告)
- 適切なワクチン接種をするなどの医療ケアをすること
- 避妊去勢手術をすること(未手術の場合)
- 転売や虐待が見られた時の措置について
- 応募者の氏名、住所、連絡先、身分証明書のコピー
- 募集者の氏名、住所、連絡先、身分証明書のコピー
譲渡契約書は、里親募集サイトからダウンロードすることもできますので、コピーして利用しましょう。この譲渡契約書は募集者と、応募者がそれぞれ1通ずつ保管しておくようになります。
犬の引き渡し
上記のことが全て完了したら、いよいよ犬の引き渡しです。少し寂しく感じるでしょうが、より良い犬の生活を願って、新しい飼い主さんへ引き渡しましょう。
まだまだ、犬の殺処分がなくならない状況です。ペットショップからではなく、里親制度を利用して犬を飼ってくれる人が増えたら良い社会になりますよね。
まとめ
子犬を拾った場合の里親募集の経緯についてご紹介しました。拾った犬が幸せな生活を送れるように、里親募集をして、新しい飼い主さんを見つけてあげましょう。
引き渡しの後、不安であれば、新しい飼い主さんに相談して写真や近況の連絡をしてもらうこともできますので、相談してみてくださいね!