猫に生理はありえない!出血は病気の可能性も!?

猫 生理

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猫も成猫になったら生理が来て出血が起こると思っていませんか。実は猫に生理はなありません。もし、出血があった場合には、生理ではなく病気の可能性があります

今回は、猫の発情と出血から考えられる疾患を紹介していきますので、万が一出血などが見られる場合の参考にしてください。

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猫に生理はありえない!

まず、猫の排卵システムは特殊なので、人と違い生理による出血がありません。生理による出血がみられるのは基本的に類人猿にのみみられる現象です。人の生理にも少し触れつつ猫の発情周期について詳しく紹介します。

人の生理について

まず、人の生理についてです。一般的に、人間と高等霊長類の子宮で周期的に起こる「生理出血(周期排卵)」のことを指します。成熟した卵胞から卵子(卵母細胞)が放出されます。これが「排卵」です。

排卵された卵子は通常は精子と受精することがないので、子宮内膜に着床しません。その後、子宮内膜は剥がれて生理出血が起こります。

つまり、人の生理出血は、妊娠の準備をしている子宮が妊娠しなかった場合に、準備された内膜が出血を伴い流れ落ちてくる現象です。簡単にいうと子宮内を次の準備のために大掃除しているわけです。

猫の発情について

猫は人みたいに生理は起こりませんが、1年に3~4回くらいの周期で発情が起こります。発情とは、雌猫が性的に成熟して繁殖能力を持ち、交尾を容認することです。通常、生後6カ月~12カ月で初めての発情を迎えます。初めの発情は不安定なことが多く、短かったり間欠的なことが多いです。

発情期の猫は卵巣から勝手に排卵されるわけではなく、交尾をしたときにだけ排卵されます(交尾排卵)。雄猫の陰茎には刺があり、交尾をしたときにこの刺が返しになっているので刺激があり痛いです(交尾刺激)。

この刺激によって排卵を行うので、定期的な排卵は行いません。そのため、生理出血はありません。この交尾排卵は、交尾されたときに多くの卵子を出せるため、効率よく子孫を残すのに適しています。猫以外だとウサギも交尾排卵を行います。

余談ですが、犬の発情時の出血は人の生理とは異なります。同じ出血なのでよく混同されますが、人の生理とはまったくの別物です。犬の出血は子宮が準備段階の時に充血し、その充血によって出血が起きます。それが発情の出血です。

なので、人は子宮の中をきれいにするとき(終わり)に出血するのに対し、犬は子宮の準備段階(始まり)に出血します。次は、生理のような出血をした際の考えられる病気を紹介します。

生理のような出血があれば病気の可能性も!?

猫には生理がないことがわかりました。なので、メス猫の陰部から出血があった場合は異常なことだということがわかるでしょう。生理出血ではなく、何らかの病気の可能性が高いです。

特に、尿路からの出血なのか生殖器からの出血なのか見分けることが大切です。血が混じっていたときに疑われる病気をいくつか紹介しましょう。

  • 子宮内膜炎
  • 子宮蓄膿症
  • 子宮の腫瘍
  • 卵巣の腫瘍
  • 膀胱炎
  • 膀胱結石
  • 膀胱の腫瘍
  • 腎臓からの出血

考えられるものとして上記のことなどが挙げられます。それぞれ一つずつ詳しくみていきましょう。

子宮内膜炎

子宮内膜炎は子宮に細菌が繁殖して内膜に炎症がある状態です。出血を伴うので陰部から不正出血があります。子宮は、子宮頚管(しきゅうけいかん)といわれる外との道が閉ざされて、外部との通路を閉じています。

しかし、発情期は、オスの精子を受け入れて受精しやすくするため子宮頚管が開き、膣内の病原菌が子宮内膜に取りついて繁殖を始めます。このようにして内膜に炎症が起こります。治療は避妊手術です。

子宮蓄膿症

子宮内膜炎から波及して起こります。猫では犬より罹患率が少ないですが、罹患しないわけではないので注意が必要です。子宮に膿がたまり最悪の場合は死に至ります。緊急手術が必要ですが、手術をしてもショックで亡くなることがあります。

子宮・卵巣の腫瘍

子宮や卵巣の腫瘍から出血が起きて陰部から出てくることがあります。ホルモンの分泌も過剰になることが多く、多飲多尿や発情が終わらないなどの症状も出てくることが多いです。避妊手術を行い腫瘍を摘出します。悪性であれば転移がないか予後をしっかり診ていく必要があります。

膀胱炎

出血の中で一番多い原因です。細菌感染がおきて、膀胱粘膜が炎症を起こし血尿が出ます。抗生物質で治療します。

膀胱結石

膀胱に結石があり、その結石が粘膜を傷つけて出血が起きるため、尿路から出血します。大きいとレントゲンでわかります。症状がきついと手術になりますが、結石をとっても体質的に石ができやすいのはかわらないので、再発することが多いです。

膀胱の腫瘍

膀胱内に腫瘍ができる疾患です。移行上皮がんなどの悪性腫瘍が多く、良性は少ないと言われています。腫瘍表面から出血するため尿路から出血します。大きくなると、尿道を物理的に圧迫したりすることにより、排尿困難といった症状も現れます。

猫での膀胱腫瘍の頻度はそれほど高くありませんが、悪性腫瘍の場合、尿管など周辺臓器への転移に注意が必要です。CT検査で転移がない場合、外科手術をするのが一般的ですが、腫瘍の場所によっては手術が困難な場合もあります。

腎臓からの出血

腎臓に強い衝撃を与えたり、腎結石がある場合、腎臓からの出血です。膀胱を通りそのまま尿として血液は排泄されます。強い衝撃で腎臓が出血しているなら、一時的なことなのでそのまま様子を見ましょう。腎結石はレントゲンで診断します。

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このように様々な疾患があります。どれも治療を要する疾患なので、病院へ連れて行きましょう。

出血が尿に含まれている場合には、飼い猫に血尿が出た時の考えられる原因と飼い主の対処法の記事も合わせて参考にしてみてください。

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メス猫の発情期のサイン

猫には生理がない代わりに、本能的な「発情期」があります。メス猫がどんな行動をすれば発情期が来たのかはすぐにわかります。発情期の時期やサイン、鳴き声について紹介していきますので、飼い猫のサインを見逃さないようにしましょう。

発情時期

猫の発情は、明期(明るい時間帯)が長くなると起きます。1~9月に発情しますが、年間を通じて12時間以上の照明があたると発情に季節性がなくなることが多いです。最近では街の照明も多いので、野良猫でもあまり季節性がないことがあります。

発情期のサイン

猫の1回の発情している期間は、だいたい2~3週間ほどです。発情期の期間は、年齢や周りに異性がいるかどうか、飼い猫か野良猫かなどの環境によっても大きく左右されます。発情期の前には、様々なサインがみられます。

「地面に体をこすりつける」
「スプレーの回数が多くなる」
「よく鳴くようになる」
「オス猫に優しい」

などがサインです。日頃よく観察していると気がつくことができます。ただし、サインを出す期間は3日ほどしかないので、気づかないこともあります。サインが全くなくても病気ではないので心配いりません。

鳴き声

発情期の猫の鳴き声は、主にメス猫がオス猫を惹きつけるために発します。鳴き声は「うおぉ~ん」というような低い声が特徴です。

その鳴き声を上げながら、匂いをつけるために地面に体をこすりつけ(ローリング)、フセの状態から腰だけを上げるような(ロードシス)オス猫を許容する姿勢をとります。

特にメス猫が満たされない気持ちを大きな鳴き声で表現し、オス猫が同じように鳴き声で応じる場合もあります。猫は夜行性の動物なので、メスオス共に飼っていると夜中に鳴き声で近所迷惑になってしまうこともあります。

猫の発情期について更に詳しく、猫の発情期はいつ?飼い主なら知っておきたい猫の発情期対策の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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まとめ

猫がトイレをした際に血が混じっているのを発見したとして、それが陰部からの出血なのか尿路からの出血なのか判断がつかないと思います。

どちらにしろ、陰部からの出血も尿路からの出血も、どちらも病気の可能性があります。すぐに動物病院に連れて獣医師の診察を受けましょう。

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