家の中や庭でムカデを見掛けたら、それだけで驚いてしまいますよね。それを猫がおもちゃにして遊んでいたら、どうしていいか分からなくなってしまうのではないでしょうか。
ムカデは人だけでなく猫にも咬みつくことがありますので、猫が咬まれて痛い思いをしないように飼い主さんは注意してあげる必要があります。
そこで今回は、猫がムカデに咬まれてしまった時の対処法について紹介していきますので、もしもの時に備えて是非読んでおいてください。
目次
猫がムカデに咬まれた時の対処法
ムカデについて
日本産のムカデは大きなもので体長が20cm以上になるものもいるそうですが、一般的によく見かけるものは体調が10㎝~15㎝程度のものが多いです。
ムカデは頭にある脚(顎肢といいます)の根元に毒を分泌する場所があり、毒は頭にある脚で咬みついたその先から注入されるのではなく、咬みついたのと同時に毒が分泌され咬み傷から侵入していくような仕組みになっています。
そのため、万が一ムカデに咬まれたとしても、体内に侵入していく毒素はそれほど多くはなく、皮膚の表面か咬まれた傷口の入口付近に停滞していることが多いです。
ムカデの毒
ムカデの毒は、ヒスタミンや蛋白分解酵素などいくつかの物質が含まれた複合的な毒だといわれています。咬まれると、その毒素により赤く腫れあがり痛みを伴うでしょう。
また、稀ではありますが、アレルギー反応を引き起こし呼吸困難などのショック症状を引き起こす場合もあります。
ムカデに咬まれたら
ムカデは、クネクネとした不規則な動きをしますので、猫にとっては恰好のおもちゃです。見付けてしまうと夢中で追いかけてしまい、前足で叩くような行為をしてしまうでしょう。
するとムカデも怒って反撃をしてきますので、その結果前足などを咬まれてしまうのです。
もしもムカデに咬まれてしまった時には、すぐに43℃~45℃位のお湯で咬まれた場所をよく洗ってあげてください。
温度が少し熱いので猫は嫌がるかもしれませんが、ムカデの毒には解毒薬がありませんので、ここで毒をきちんと流すことはとても大切なことになります。しっかりと行うようにしてください。
この毒を洗い流す時のお湯の温度は大変重要です。40℃位のお湯で洗ってしまうと、ムカデの毒はその温度に反応して活性化してしまう特徴があります。
また、赤く腫れているからといって冷やしてしまうのも、毒を活性化させてしまうので、水で洗い流すようなこともしないようにしてください。
ムカデは逃がさない
室内で猫がムカデで遊んでいるのを見掛けたら、逃がさず必ず捕まえましょう。
ただし、ゴキブリなどのように新聞紙を丸めたような物で叩いても、なかなか息絶えてくれません。
叩いて弱ったところを割りばしなどで掴み遠くに捨てにいくか、熱湯の中に入れて完全に動かなくなってから新聞紙などに包んでゴミとして処理してください。
もしも取り逃してしまった時には、バルサンのような殺虫剤を焚くのがおすすめですが、猫がいると難しい場合もありますので、その時には粘着テープ式のゴキブリホイホイを活用する方法もあります。
ただし、ゴキブリホイホイの入口の傾斜はムカデには登りにくいので、入口がフラットになるように加工をして、猫がいたずらをしないような部屋の隅などに設置してください。
粘着シートの真ん中辺りに、ソーセージなどの加工肉を罠として仕掛けるとかかりやすくなります。
猫に異常が出てきた時の対処法
体調の変化に気を付ける
ムカデに咬まれた場合赤く腫れあがりはしますが、時間の経過と共に自然と腫れはひいていき、それと共に咬まれた箇所を気にしてしきりに舐めていた猫も全く気にしなくなります。
腫れが引くまでは個体差や侵入した毒の量によって差がありますが、咬まれてすぐに毒を洗い流した場合は腫れが引くのも早いです。
数日経っても腫れが引かないようであれば、炎症を強く起こしている可能性がありますので動物病院で一度診てもらうようにしましょう。
食欲がない時
ムカデに咬まれた後に、食欲が落ちて元気がない様子であれば痛みがひどいのかもしれません。
食事をきちんと取らない状態が続いてしまうと、別の病気を引き起こしてしまう可能性も出てきてしまいますので、念の為病院へ連れて行くようにしてください。
苦しそうにしている時
ムカデの毒は、稀にアナフィラキシーショックを引き起こす場合があります。
ムカデに咬まれた後に、呼吸が苦しそうであったり、ぐったりしていたりする時には、夜間でもすぐに動物病院へ連れて行くようにしてください。最悪の場合、呼吸困難を引き起こし命に危険が及ぶ場合があります。
飼い猫がいつもと様子が違う場合には、必ず動物病院で診てもらうようにしましょう。また、定期的な健康診断も必要です。詳しくは、『定期的に必要!?猫の健康診断にかかる費用まとめ』の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
猫が万が一ムカデを食べたら
猫は肉食動物
猫はそもそも肉食動物ですので、ネズミや鳥などを捕まえて食べることをしてきました。
現在の飼い猫は、栄養バランスの整った餌を充分に飼い主さんから与えてもらっているので、自分で獲物を取って食べることは滅多にしません。
野良猫などは今でも蛋白源として蜘蛛やバッタなどの昆虫を捕まえて食べていますので、ムカデを食べることも不思議なことではありません。
餌を充分に貰っている飼い猫でも獲物を捕る本能はありますので、食べる為というよりも獲物を狩る本能で仕留め、その延長で食べてしまうこともあるのです。
その他の虫など
猫は意外となんでも食べてしまう動物です。ムカデだけでなくゴキブリや蜘蛛などを食べてしまうこともあります。
人の目から見ると何とも気持ちの悪いことですが、ムカデと同様にゴキブリや蜘蛛も食べてしまっても特に問題はないのですが、もしも食べたゴキブリが殺虫成分のような物を食べてしまっていた場合には、食べてから少し時間が経過した後に猫に嘔吐など何かしらの中毒症状が出てくることがあるかもしれません。
猫は体内の異物を吐き出す性質がありますので、1度や2度の嘔吐で症状がおさまれば経過観察で大丈夫だと思いますが、何度も嘔吐を繰り返すようでしたら、早めに動物病院へ連れていくようにしてください。
カエルは要注意
ピョンピョンと動くカエルも猫にとっては格好のおもちゃです。ただ、カエルを食べてしまうとカエルに寄生している「マンソン裂頭条虫」に猫も寄生されてしまいます。
猫がグルーミングの時に自分に寄生したノミを食べてしまうと、ノミが持っているサナダ虫に寄生されてしまうのと同じ状況です。
どちらも薬を投与することで駆除することはできますが、体内での寄生なので飼い主さんは気が付きにくく長期に渡り寄生されてしまうこともあるかもしれません。
寄生されている間は、異常に食欲が旺盛になったり、下痢をしたりすることもありますので、できればそのような物には寄生されないように注意をしてあげてください。
今回ご紹介したムカデに咬まれた場合以外でも、猫が怪我をしたり、病気になったりします。その時に、猫等は保険がないので治療費も莫大になってしまい適切な治療を受けさすことができない事にもなりかねません。
そのために、ペット保険は必要かどうかの検討はしてみませんか?詳しくは、『将来が不安!猫にペット保険は必要かどうかを徹底検証!』の記事で解説していますので、もしもが起こる前にぜひ参考にしてみてください。
まとめ
猫がムカデに咬まれてしまった時の対処方法について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ムカデに咬まれた時には、すぐに毒を洗い流す対処をするのとしないのとでは、その後の腫れ具合にも変化があります。これは猫だけでなく、人の場合も同じですので是非覚えておいてください。
猫はムカデでも虫でも躊躇なく食べてしまうことがありますので、飼い主さんはなるべくそのような状況にならないように、室内にはムカデや虫が入りこまないように注意を払うようにしましょう。
ムカデに咬まれた後や、食べてしまった後に猫の様子が少しでもおかしいと感じましたら、念の為に早めに動物病院へ連れて行くようにしてください。