犬に首輪をつけてみたら「ひたすら取ろうとする」とか「動かなくなってしまった」とか「震え出して隅っこに隠れた」などしてしまって困っていませんか?
もちろんすんなり首輪してお散歩大好きになる犬もいますが、飼い主さん「なんでうちの犬だけ?」と落ち込まないでくださいね。
頭の良い犬や怖がりの犬はこういった傾向があるのですよ。嫌がる場合には理由があるのです。ちょっと工夫してアプローチの仕方を変えてやってみましょう。
目次
犬が首輪を嫌がる原因
理由がわからないと対処もできませんよね。犬の性格や年齢などから考えられる理由がいろいろあります。
まずは愛犬に思い当たる項目を探してみてください。では、具体的にご説明していきましょう。
まだ首輪に慣れていない
急に首輪をするといきなり知らない物が首につくのですから、犬としても違和感を感じる事は飼い主さんもおわかりになる事でしょう。この首輪に違和感を感じる事が「大きいか」「小さいか」は個体差です。
「何だろう?」と思っても「気にしない」犬がいる一方で「異物がついたから取らなくては」と思う犬や「何これ怖い」と動けなくなったり、震えてしまう犬もいるわけです。
そうやって気になってしまう犬はとても慎重で頭の良い犬が多いく、覚えの良い犬が多いのですよ。
首輪がキツイ
犬は毛に覆われているため首の太さがわかりにくいです。思ったより締めてしまっていて苦しい思いをさせてしまっている事があります。
また、その状態でいれば皮膚に炎症を起こしてしまう事もあります。適切につけるには首輪をして「指1本~2本」入る事が目安です。
首輪の素材が合わない
首輪はたくさんのデザインがあって素材も様々です。「今までは嫌がらずに首輪をしてくれていたのに」という場合はその素材が原因で嫌がっている事があります。
これは首輪に限らず気を付けた方が良いところです。例えば「ベット」や「敷物」でも湿疹ができたり、フケが出たりする事があります。
首輪の汚れから皮膚炎を起こしている
犬に首輪をつけっぱなしにされている場合に犬はシャンプーするけれど「首輪は洗っていなかった」、「しばらく買い替えていなかった」などという事がよくあります。そうなると首輪に汚れが付いて臭くなっている事もあります。
そこから皮膚炎を起こしてしまうと「かゆみ」や「痛み」が起きますので何度も後ろ足で掻いたり、時には外そうとする事があります。
首輪の種類が嫌い
首輪は使い方が様々な物が出ています。これは素材同様に「今までは大丈夫だった」場合に嫌がる事があります。
元の首輪に戻すか、違った首輪を試してみても良いでしょう。具体的な物をあげてご紹介しますね。
ベルト
首輪と言えばこのタイプが一番ポピュラーですね。穴に金具を差し込んでベルトを固定する首輪です。革やナイロンでできた物が多く、丈夫です。最初につける首輪として良いでしょう。
バックル
留め具の部分がプラスチック製で「カチ」っと音がして、ワンタッチでつけられるので便利ですね。素材はナイロンが多いようです。
試着する前に首周りの長さを計ってつけないと犬の首を絞めてしまうので注意が必要ですが、最初につける首輪としては良いですね。
チョークチェーン
金属製の鎖とロープタイプがある首輪です。引っ張ると首輪がしまる構造になっているので、しつけ用の首輪です。
金属製は力からの強い、大型犬向きです。首輪をつけたままは危険ですのでできません。最初につける首輪としては不向きです。
ハーフチョーク
通常の首輪の端の両側に輪の金具が付いていて、そこに別の輪になった部分に金具の輪が付いています。これを引くと首輪の長さまで締まる構造なのでチョークチェーンより締まりません。
また首に直接当たる部分が革や布でできているため、犬の負担がチョークチェーンより軽いです。この程度の首輪なら最初から大丈夫な犬もいると思いますが、注意点としてつけたままはできない事と怖がりな犬には不向きです。
具体的に見ないとわかりにくいかと思いますので、以下参考にしてみてくださいね。
スパイクチェーン
これは内側に突起が付いていて、チョークチェーン同様にしつけ用です。最近ではあまりつけているのを見かけないですね。
引っ張り癖のある犬などにつける訓練用ですので、最初につける首輪としては不向きです。首輪をつけたままは危険ですのでできません。
ジェントルリーダー
犬の体の構造から作られたしつけ用の首輪です。布製の口輪のような構造で犬が飼い主より前に出ると犬の口が下に引かれるので、犬はそれ以上前には進めないのです。
これは慣れるまで時間がかかる事があり、つけ始めは通常のリードと2本使うなど工夫が必要です。
ひっぱり癖からこのタイプに変えて嫌がる犬は少なくないです。その場合は犬のトレーナーさんなど専門の方の指導も考えた方がよいでしょう。最初につける首輪としては不向きです。これは首輪の構造上、つけたままはできません。
犬が首輪を嫌がる時に試したいトレーニング方法
リボン・ハンカチ・バンダナなどで慣らす
最初に首に「何かがついていても大丈夫」と思ってくれるようにリボン、ハンカチ、バンダナを使ってあげると良いでしょう。
素材が柔らかいですし、軽いので違和感が少ないのです。子犬であれば一番最初はご飯を食べている時にそっと付けてみると良いですよ。
良い事として関連付けをする
例えばリボンを付けたらご飯を食べさせる。食べ終わったら外す。またリボンを付けたら遊ばせる。遊び終わりに外す。これはリボンを付けると嬉しい事があるという関連付けです。
良い事があるとわかってくるとリボンをみただけで尻尾をふるようになります。そうなったらリボンと一緒に首輪を付けてみます。警戒するようでしたらつける前ににおいを嗅がせてみたり、持ちながら撫でてあげても良いでしょう。
気にするような時は意識を違う物に向かせる
つけたままでいると後ろ足で「カイカイ」することがあります。多少は「カイカイ」も放置で大丈夫ですが、あまり気にするようでしたら違う方に意識を持っていきます。
飼い主さんと引き合いしておもちゃで遊んだり、時間がかかるおやつを与えるのも良いでしょう。
最初は緩めにつける
首輪を初めてつける時は、必ず室内や檻など囲いのある環境で行いますよね。ですから最初、首輪は緩めで構いません。
ベルトタイプであれば、穴に金具を通しただけの状態で良いです。すぐに外せるようにしておきます。犬にまずはその硬さや素材感を知ってもらう事から始めましょう。
首輪を付ける時の注意点
よくやってしまいがちなミスが首輪をする時に追い掛け回す事です。
追いかけっこをして「遊ぶんだ」と犬が勘違いしてしまいますし、追い詰めてしまうと「怖い事」になってしまうのです。基本の「コイ」「マテ」ができている事が重要になります。
輪くぐりをして遊ぶ
どうしても首輪を犬が嫌がる場合に遊びながらできるトレーニングをご紹介しましょう。
- 犬の顔が通る大きさの輪を手で作ります。
- 飼い主の口におやつをくわえます。
- 犬の前に手の輪を近づけて、くわえたおやつを見せます。
- 犬が手の輪をくぐっておやつを食べたら成功です。
以上が犬も楽しんでできるようになったらリボンやハンカチなどに変えて行い、最初はすぐに外します。
次につけたままで嫌がるか様子をみて大丈夫になったら、その次に首輪に変えていきます。
犬に首輪をする時期は信頼関係を築けているかどうか
犬が首輪に慣れていない事や皮膚炎などではなかった場合に嫌がる理由の一つに飼い主との信頼関係という事もあります。
連れて来たばかりで環境にも人にも慣れていない時であれば犬も「何をされるのだろう?」という不安が先に立ちます。まずはしつけを含めた信頼関係を築く事を優先しましょう。
子犬は家と人に慣れてから
子犬から飼う場合は何事も吸収が早いので慣らしやすいです。
ただ子犬が家に来て「家や家族」にまずは慣れてもらう事が先決です。個々に慣れる期間は違いますが、子犬を家に連れてきてから2週間程度はみてあげて欲しいです。
首輪の必要性
家の中で飼う場合は首輪をつけておかないという場合が多いですが、外に連れ出す場合は必ず犬を繋ぐかキャリーバックなどに入れて行く事になります。
交通量が多い場所は特に首輪は犬にとって飼い主さんとを繋ぐ命綱になります。万が一に備えて迷子札を付けておく事もできますよね。
それに日本は犬を繋ぐという法律、条令がある事をご存知でしょうか?
ちょっと難しい話にはなりますが、生き物を飼う事はそういった条例にも関わってくるものですし、それだけ責任を持って飼養管理していかなければならないのだという事がわかっていただける事になるのでご説明していきましょう。
動物と人を守る動物愛護法
動物愛護法という法律をお聞きになった事がありますよね。これは動物の虐待の防止、動物の適切な取り扱いなどについいて定めた法律です。
動物の生命を尊重し愛護すること、また動物による人の生命・身体財産への侵略を防止することを目的とした「動物にとっても、動物を愛する人にとっても」大事な法律です。
ノーリードでの散歩は違法
動物愛護法の第七条では動物の所有者又は占有者は「動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」としています。
この但し書きに該当する場面、状況は基本的に想定できないので「ノーリード」状態で犬を連れて散歩はダメとしたうえで、第九条では「動物の飼い方・管理の仕方の詳細は飼い主さんの住んでいる自治体で決めなさい」と定めています。
これに従って各自治体で条例があるのですが、それぞれに違いはあるものの、そこでも大概「ノーリードでのお散歩はダメ」という規定があります。
東京を例にしますと東京都動物の愛護及び管理に関する条例の第九条で「散歩のときはリードをつけなさい」という事を定めています。
罰則は厳しい
違反した場合は条例違反となり、第三十九条で「拘留又は科料に処する」と定めています。
この「拘留」と「科料」というのは刑法罰にあたりますので、必ず条例や法律は守るようにしましょう。
更に、犬にはマイクロチップを装着することが法律で決められています。犬のマイクロチップについて、『犬にマイクロチップは必要?付けるメリットとデメリットまとめ』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
首輪はリードを通して犬との愛情の確認ができる大事な道具です。少し時間がかかる場合もあるでしょうが、根気強く教えていくと犬はしっかり覚えてくれます。
大変な時はどうしてもほめるタイミングを失ってしまいがちですが、忘れずにほめるようにしましょう。
またどうしても首輪を嫌がる場合は胴輪を試してみましょう。ワンタッチで装着できますが、外れにくい仕組みの物もあります。愛犬にあったタイプを探してみてくださいね。