シャンプー中、絶叫を上げて鳴きまくったり、必死に逃げようとする我が愛犬にグッタリなんて事になっていませんか?
だからといって犬は毎日のお散歩や排泄などによって意外と汚れますし、鼻が潰れている犬種や体から出る脂分が多かったりする犬種は独特のにおいがしてきちゃいます。
シャンプーはしたいけど「どうしたらいいの?」と悩む飼い主さん、実は犬がシャンプーを嫌がる場合の原因の大部分は、飼い主さんによる不注意が多いんですよ。ちょっとしたやり方で愛犬がシャンプー嫌いなってしまうことがあります。
愛犬の清潔を保つためにも、シャンプーを嫌がらない為に飼い主さんが意識してあげたいことを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
犬がシャンプーを嫌がる理由
シャンプーをする事、お風呂に入る事は私たちにとっては心地よいものですよね。でも、犬にとっては怖くなる事が意外と多いのです。
飼い主さんがやってしまいがちなミスがいくつかあります。思い当たる事はあるのではないでしょうか?では順番にご説明しましょう。
シャワーが怖い
シャンプーをする時にまずシャワーの水を出しますよね。この時「何されるんだろう?」と不安になっている犬の目の前で「ジャーッ」と出してしまう事は、怖がりな犬にとっては恐怖そのものです。
この事からトラウマになってしまい、シャンプーでパニック状態になってしまう犬もいるのです。
頭から急に流すと顔を流される事が嫌いになる
私たちがシャワーを浴びる時、頭から流すと気持ちいいですよね。でも、犬にとっては急にシャワーを出して犬の頭からいきなりかけてしまう事はただただ恐怖です。
これを特に慣れていない犬に行ってしまうと顔を流せなくなります。お鼻に水が入って苦しいのに止めてくれなかったなど、飼い主さんのやり方によって原因になる事があるのです。
温度が熱かった、冷たかった事から嫌いになる
シャワーを使っていると給湯器の具合でお湯の温度が変わる事がありますよね。冬場は最初が冷たかったり、途中冷たくなったりする事がありますし、夏場は出始めが熱かったりします。
飼い主さんがお湯を確認しないで使っていると、この温度変化に気が付かなくて犬が不快な思いをしてシャンプーを嫌いになってしまう事があるのです。
小さい頃に慣れさせていない
成犬になってから「そろそろ洗った方がいいかしら?」と思い立ってシャンプーする飼い主さんがいらっしゃいますが、犬も飼い主も慣れていないため暴れてしまう事がほとんどです。
飼い主さんがいくら気持ちの良い事と思っても、犬にしたら慣れないシャワーやヌルヌルしたシャンプーを付けられてビックリと恐怖でしかないのです。
しかも、飼い主さんが力尽くで押さえて行えば、シャンプーを嫌な事としての認識が出来上がってしまいます。
お風呂の音が反響して怖い
お風呂場で歌を歌いながら湯舟に浸かるって至福の時ですよね。皆様がご存知の通り、お風呂場は他の場所より音が響きます。聴覚が人間より敏感な犬は、この音の大きさにびっくりして怖がるのです。
また、シャワーを出した時の音もお風呂場だと更にうるさく感じるので、ましてやそのうるさい物を向けられるという行為が犬にとっては恐怖になってまう事があるのです。
基本のしつけが入っていない
可愛いがゆえに愛犬に甘くなってしまう飼い主さんの気持ちはよくわかるのですが、しつけは別です。シャンプーをした時に咬みついてしまう場合は理由が二つあります。
恐怖でパニックを起こして咬みつく
※見分け方:目を見開いて呼吸が荒く、舌の色が紫色になってしまう場合もある。
水に対してとかシャワーの音など恐怖を感じている事がわかれば、やり方を変えるなどする事でシャンプーをする事ができるようになる可能性があります。
飼い主を認めていなくて咬みつく
※見分け方:周りを伺うような目をして唸っておどしてくる、それでも止めないと咬みつく。
この場合はまずしつけをし直しする事から始めなければいけません。飼い主を飼い主として犬が認め、従う事を教える事が先決です。
また、シャンプーをする場合は犬が全身をくまなく飼い主に触らせる事ができるというのが大前提なのです。敏感な足を触れない、口を掴む事ができないなどがあれば、シャンプーをするにも難しくなります。
種類による性格の差
犬の種類によっては本来、水を使ってシャンプーをする犬種ではない種類の犬もいます。
その一方で、洋犬の中には狩猟のために川や湖など水に入る仕事をしていた事から、元々水が大好きな犬種もいるのです。
シャンプーをしない歴史のある日本犬
元々、柴犬などの日本犬はシャンプーしない犬種でした。
日本犬のドッグショーはクマを檻に入れて犬が背中の毛を立てて吠えながら向かっていく様の美しさ、勇ましさを競うのですが、その時に毛が膨れるようにシャンプーは行わないのです。
日本犬は猟犬の役割から家庭の番犬になり、今は愛玩犬として飼われる事が多くなった事からシャンプーの必要性が出てきた犬種なのです。この事から日本犬系の犬はシャンプーが嫌いな犬が多いわけなのです。
シャンプー嫌いな犬の体を洗う為に飼い主ができること
先ほどご説明した内容に「やってしまった!」と思われた飼い主さんもいらっしゃる事でしょう。
そんな飼い主さん、大丈夫です。犬はとても賢い生き物ですよね。教えていく事で犬も少しずつ学び、わかってくれるようになる事がありますよ。
では、次にシャンプーをする時も注意点を具体的にご説明しましょう。
シャワーをお尻側の足元で出す
シャワーを出す際には犬のお尻側の足元にシャワーヘッドを下向きにして半開きで出します。
ここで一気に全開で水を全量出してしまうとまず「音」でビックリしてしまうので、気をつけましょう。
シャワーヘッドと犬を密着させる
シャワーヘッドと水の当たる部分との距離があると水の勢いが強くなりますよね。
犬にとっては水が飛んでくるのが見えると怖がるので見えない方が良いです。犬の体にシャワーヘッドを密着させてなるべく離さないようにしましょう。
お湯の温度の変化は親指で計る
シャワーしている時に犬にお湯をかけながら温度を何度も確認する事が必要です。かかる部分に片手を当てて流しながらであれば、確認できますね。
また、シャワーヘッドを密着させた状態の場合はシャワーヘッドを持った手の親指を常にお湯側にしておきます。一本の指で常に出てくるお湯の温度がわかるので良いですよ。
シャワーをかける順番
シャワーで水をかけられる事が嫌いな犬は、水をかけられる順番がとても大事です。顔が一番嫌がる場合が多いので最後にします。
シャンプーをした後、本当ならば頭からかけられると効率は良いのですが、シャワーが嫌いな犬の場合はこの順番でやる方が良いでしょう。
- 尻尾
- お尻
- 下半身(後ろ足や股など)
- お腹
- 背中
- 上半身(前足、肩、内股)
- 胸
- 首
- 頭
スポンジを使って流す
家庭の台所などでお使いになるスポンジはとても便利です。必ず「両面が柔らかい素材のスポンジ」を選んでください。
どう使うかといいますと、顔を流す事を嫌がる犬は蛇口からお湯を少しずつ出して、そこにスポンジを浸してお顔を流します。これを繰り返して何度も流せばお顔を流す事ができますよ。鼻に水が入らないように気を付けましょう。
シャワーの音が嫌いな犬はタライにいれたお湯にスポンジを浸けて水を吸わせて犬を流す事ができます。タライに嫌がらずに犬が入ってくれるようなら、何度かお湯を変えれば全身を洗う事ができますよね。
大きめの犬の場合は、体を流すのに大きめのスポンジが良いでしょう。車を洗車する時に使う用のスポンジが大きくて使いやすいです。
鼻が潰れている犬種はコットンを使って洗う
鼻が潰れている犬種の場合は鼻に水が入りやすいですよね。
スポンジでも水が入ってしまう事があるので、化粧をする時に使うコットンがおすすめです。数枚重ねて水を絞って適度に含ませて拭くような感じで何度か流します。
屋外で水遊びさせる
風呂場の音の反響が嫌いな犬は夏場、屋外でタライに少量の水を張って足を浸からせてみましょう。
嫌がらずに入っているようならホースで下から水をかけてみます。嫌がる場合は無理せず、少しずつホースから水を出して飲ませたりしてみましょう。
どうしても難しい場合
いろいろやってみたけれど、難しいと感じる飼い主さん。落ち込まないでください。その犬の気質や育った環境で難しい場合はあります。
犬にとってストレスになってしまいますし、飼い主さんにとっても負担になってしまったら、お互いにつらいですよね。その場合は違う方法を試してみましょう。
ドライシャンプーをする
思い切って水を使って洗う事は諦めるという選択もあります。粉タイプのドライシャンプーやスプレーして拭き取るタイプのシャンプーがあります。
また、体を拭くタオルも販売されているので、ブラッシングと合わせてこれらをする事である程度きれいな状態が保てますよ。
ペットショップに頼む
犬が飼い主さんに甘えてやらせない場合もあります。ペットショップや動物病院で扱いに慣れたトリマーさんにお願いするという方法もあります。
頼む時は嫌がるポイントや咬みつきの有無もしっかり伝えて事前に相談される事が大事です。
また、ペットショップなどではフロアにドックバスが置いてある構造なので、お風呂場のような音の響きがないです。音で嫌がるようでしたら検討してみましょう。
また、犬のお風呂に入れる頻度はどのくらいが良いのかについて、『犬のお風呂の頻度はどのくらい必要?正しいお風呂の入れ方もご紹介!』の記事で更に詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
まとめ
ついつい一生懸命になると怖い顔で、しかも「動かないで!」などと怒ってしまいがちですが、嫌がっている犬にはますます嫌な印象を与えてしまいます。
「大丈夫、怖くないよ」と優しく声をかけてあげましょう。
飼い主さんに「きれいになったね」と微笑まれる事が犬にとってのご褒美でもあります。
言葉の交わせない犬は飼い主の感情を常にいろいろな事から感じ取っていて、特に表情は大事です。たくさんほめて「笑顔」を忘れずにシャンプーしてあげてくださいね。