飼い犬のお風呂事情は様々ですよね。自宅のお風呂場で、押さえつけてでも強引に洗う飼い主さんや、ペットサロンに定期的にお願いする飼い主さんなど、各家庭で回数や方法も違うと思います。
できる事なら犬が嫌な思いをせずに、優雅にお風呂に入って欲しいものですよね。
そして、どのくらいの頻度でお風呂に入れるべきか悩んでいる飼い主さんへ、犬が気持ち良くお風呂に入れる方法や、その頻度、お風呂に入れる時に注意するべき事をまとめてみましたので、犬のお風呂事情で悩んでいる飼い主さんは是非参考にしてみてください。
目次
犬をお風呂に入れる頻度
お風呂に入れる最適な頻度
犬をお風呂に入れる最適な頻度というのは実は明確にはありません。それぞれの犬の生活環境や犬種にもよって汚れの具合は変わってきますので、飼い主さんが犬の臭いなどで判断をする必要があります。
ただし、人と同じようにほぼ毎日お風呂に入れる必要はありませんし、それは決して良いことではありませんのでやめてください。その理由について次の項目で説明したいと思います。
頻繁過ぎるお風呂はよくない!
お風呂に入れる判断は飼い主さん次第とはいえ、あまり頻繁過ぎるお風呂はよくありません。特に汚れてしまったなどの何か事情がない限り、多くても月に2回程度までにおさえるようにしたほうがよいでしょう。
実は犬の皮膚は、人の皮膚の厚さと比べると20~30%程度しかなくとても繊細な作りになっています。その繊細な皮膚を被毛や被毛に付いている油脂で守っているのですが、シャンプーを頻繁にし過ぎてしまうと、汚れだけではなく皮膚に必要な皮脂までも全て落としてしま事になってしまうのです。
この皮脂がなくなってしまうと、乾燥に伴う肌トラブルなどを起こしてしまう可能性がありますので、シャンプーはあまり頻繁には行わないようにしましょう。
犬をお風呂に入れる方法や体の洗い方
まずは音に慣れさせる
初めて犬をお風呂に入れる時は、まずはシャワーから出る水の音やドライヤーの音に慣れさせる事からはじめましょう。いざ洗い終わったら、ドライヤーの音に驚いてびしょびしょのまま部屋に逃げ込んだなんて話もよく聞きます。
犬にとっては、シャワーの音もドライヤーの音も、日常生活の中で聞く音ではありませんので、最初は小さな音から段々と慣れさせてあげるようにしましょう。
濡らす前にはブラッシング
被毛を濡らす前には、スリッカーブラシなどを使用して念入りにブラッシングをしましょう。被毛のもつれがありましたら、シャンプー前によくほぐします。
ブラッシングを行う事で、汚れを浮かす効果もありますし、被毛がもつれたままシャンプーをしてしまうと汚れがきちんと取れないだけでなく、ドライの際に更に毛がもつれる原因となってしまうからです。いきなり犬を濡らすのではなく、まずはブラッシングをしましょう。
濡らし方
お湯は少しぬるめの36℃~38℃に設定してください。まずはお尻の辺りからゆっくりとお湯をかけていきましょう。そして徐々に背中、後ろ足、胴、前足の順番で濡らしていき、顔の周辺は最後にします。
最初に顔を濡らしてしまうと、犬はまだ心の準備ができてない場合もあり、驚いて暴れてしまう子もいるのです。
身体は平気だけど顔が濡れるのを極端に嫌がる犬の場合には、無理をせずに濡れたタオルで優しく拭いてあげるだけでもいいと思います。
柴犬やラブラドールなどは被毛が固めで水をはじく性質がありますので、表面だけ濡らしても肌まで濡れていない場合があります。指先で優しく被毛をもむようにしながらよく濡らしていくようにしてください。
洗い方
洗う順番も濡らす順番と同じで構いませんが、耳の穴や鼻の穴には水が入らないように十分注意をしてください。
シャンプーは原液を直接犬にかけるのではなく、ペットボトルのような物にシャンプーをぬるま湯で少し薄めた物を用意しておいて、それを犬にかけながら泡立てていくのがスムーズです。
足の内側の付け根付近や、指の1本1本も優しく握るような感じで洗ってあげてください。背中や胴などの広い部分は、指の腹を使ってマッサージをするような感じで洗っていきます。
すすぎ
シャンプー剤をすすぐ時には、身体の高い箇所から流すようにしていくと効率的です。シャンプー剤が残ってしまうと、皮膚トラブルの原因にもなりますので、よくすすぐようにしてください。
シャンプー剤が残ってしまいがちな足の付け根なども、念入りにすすいであげましょう。
ドライ
シャンプーを十分にすすいだら、吸水性のよいタオルなどを使用して水分をなるべく取ってください。被毛は水をたくさん含んでいますので、ギュッと軽くおさえるような感じで水分を拭きとっていきましょう。
タオルドライをしっかりしておくと、ドライヤーの時間を短縮する事ができますので、犬へかかる負担も軽減されます。
ドライヤーはお尻から首の方向へ向かってかけるのですが、あまり地肌に直接熱風が当たらないように気を付けてください。ドライヤーとスリッカーブラシなどを使用して、被毛をかきわけながら乾かしていきます。
皮膚が半渇きですと、皮膚炎や臭いの元になってしまいますので、充分に乾かしていきましょう。忘れがちな足先も、指の間まできちんと乾かしてくださいね。
最終的な仕上げは、スリッカーブラシではなく黒毛のブラシなどを使用して表面の無駄な被毛を取り除いて、被毛にツヤを出してあげましょう。
優しく声をかけながら
犬にとってお風呂は、どうしても不安になったり緊張をしてしまったりする事なので、飼い主さんが常に優しく声をかけてあげながら行うようにしましょう。
嫌がる仕草を見せた犬に対して、飼い主さんがイライラした気持ちのままシャンプーを行っていると、犬にもその気持ちが伝わってしまい、犬はますます不安な気持ちを持ってしまいます。
飼い主さんがゆったりとした気持ちで、優しく声をかけながら行う事で、犬も段々と安心して大人しくしてくれるようになっていくでしょう。文章だけではなかなか伝わりにくい部分もあると思いますので、シャンプーをしている画像を紹介しておきますので参考にしてみてください。
お風呂に入れる時の注意点
高齢犬のお風呂は基本的にはNG
高齢犬は体力も低下していて、お風呂は身体に大変な負担をかけてしまう事になりますので、あまりおすすめはしません。
排泄物などで汚れてしまった時には、水のいらないドライシャンプーや蒸しタオルを使用して拭いてあげるようにしてください。どうしても水洗いの必要がある場合には、汚れた部分のみを濡らして洗うようにして、全身を洗うのはさけましょう。
お風呂に入れる時間
夏場はさほど気にする必要はありませんが、肌寒い時期には天気のよい午前中からはじめるようにしましょう。シャンプーやドライに手間取ってしまって犬の身体が冷えてしまう事があります。
それがきっかけで体調を崩してしまう事もあるかもしれませんので、動物病院が開いている時間にはお風呂を終了させるようにするのがおすすめです。
食後すぐのお風呂はNG
犬は食後すぐのお風呂は絶対にNGです。お風呂で身体の表面が温まると表面上の血液循環がよくなる一方で、消化を助ける胃腸の血液循環が悪くなり、消化不良を起こしてしまいます。食後にお風呂に入れる場合には、1時間程度は休ませてあげてからにしてください。
犬も風邪をひくことがありますので、風邪には注意しましょう。犬がひく風邪について、『犬も風邪をひく!犬の風邪の原因や対処法』の記事で詳しく紹介していますので、予防のためにもしっかり目を通しておいてくださいね。
まとめ
犬と一緒に生活していくからには、犬にも常に清潔でいて欲しいですよね。でもあまり頻繁にお風呂に入れるのは、犬にも負担がかかりますし、皮膚にもよくないです。
日頃からブラッシングなどのお手入れをこまめに行っていれば、汚れや無駄な被毛も取り除く事が出来ますよね。それでも臭いや汚れが気になる時は、蒸しタオルで拭いてあげるだけでも十分キレイな状態を保てると思います。
お風呂嫌いの犬の場合には、まずは足先だけ洗ってみるなど、無理強いして余計にお風呂が嫌いになったりしないように、ゆっくり慣らしてあげていってくださいね。