おもちゃを追いかけて高い位置までジャンプする猫達。すごい跳躍力ですよね。
高い場所からの着地も「シュタッ」と華麗に飛び降りる姿はカッコイイですね。この猫達の特殊な能力ですが、実は筋肉や平衡感覚の良さだけではなく「ある部分」が深く関係しているのをご存知でしょうか?
正解は「後ろ足の爪」なのです。今回はこの猫の後ろ足の爪の大事な役割について、そして後ろ足の爪切りが必要なケースについて具体的にご説明していきましょう。
目次
基本的に猫の後ろ足の爪切りは必要ない
前足の爪はCの形に伸びてきて、飼い主とのじゃれあいや遊んでいる時などに引っかかってしまうので「また爪切りしなきゃ」と思われる飼い主さんも多いでしょう。
でも、後ろ足はどうでしょうか?前ほど伸びる事がないので切らない方が多いですよね。
前と後ろで伸び率が変わってくるのは、実は後ろ足の爪の役割にあったのです。まずはこの後ろ足の爪の役割についてのご説明からしていきましょう。
前足と後ろ足の爪の役割
元々、ネズミ捕りとして人間との関りを持ってきた猫たち。ネズミを見付けて狙いをすまし、瞬時に駆け出していく時に後ろ足の爪が「スパイク」の役割をしてあの瞬発力を生み出しているのです。
そして、方向転換をする時も後ろ足の爪がしっかり「ブレーキ」をかける事で複雑に逃げるネズミを追いかけていけるのです。そして前足の爪を出し、獲物をガッチリ捕まえて離さないという事ができます。
着地に役立つ
猫がジャンプをする時や着地をする時、地面をしっかりとらえる事ができるのは実は後ろ足の爪があるからなのです。
後ろ足の爪で踏ん張る事ができ、自身の重心を支える事ができるからスムーズに猫は着地することができます。
爪とぎの必要性
先ほど説明したように、前足の爪は獲物を捕らえるために常に爪とぎをして尖らせておく事が必要なのです。
そして、後ろ足の爪はご説明したように「スパイク」になって「ブレーキ」としての役割をしていて、常に削れています。
ですから、猫が後ろ足の爪をといでいるのを見たことはないでしょう。尖らせておく必要がないからなのです。
外飼い猫の後ろ足は爪を切る必要はない
外に外出する猫はコンクリートで常に爪が削れているため、後ろ足の爪を切る必要はないです。
また木登りなどをする時に後ろ足で踏ん張れないと落ちてしまう危険があるため、安全のためにも切らなくて良いでしょう。
室内飼いの猫も積極的には切らなくても良い
元気に走り廻っている猫でしたら歩いているうちに床に擦っているため、前足に比べてもさほど伸びないので切らなくても良いでしょう。
しかし、様々な理由で後ろ足の爪切りが必要になってくる事があります。前足の爪切りの際に後ろ足の爪もチェックしてあげていると安心ですよ。
後ろ足も爪切りが必要なケース
基本的には切らなくてもよい後ろ足の爪なのですが、年齢と共に活動量が減ってくると爪があまり削れないので切る必要が出てきます。
では、次に後ろ足の爪が伸びてしまった場合にどうなるのか、また注意したいケースについてご説明していきましょう。
巻き爪になる可能性
猫の爪は何層にもなっていて、後ろ爪も前の爪同様です。前足は爪とぎをする事で剥がれていくのですが、後ろ足は爪とぎはしませんよね。
では、どうしているかと言うと後ろ足の爪のお手入れ方法は、猫自身がかじって剥がしているのです。
老猫になると、この爪のお手入れが不完全になる事があります。そうすると爪が幾重にも重なってしまい「巻き爪」になってしまします。
こうなると爪が太くなってしまい「鞘」にしまえなくなって、歩くときに「カツカツ」と音を立てて歩くようになります。
巻き爪対策
猫自身も痛いですし、歩き方が変わる事で関節に負担がかかってしまう事もあります。
巻き爪になっても切っていくうちに重なっていた爪が剥がれて、通常の状態に戻る事ができます。こまめに切るようにするようにしましょう。
後ろ足でケリを強くする場合
夢中になって飼い主にじゃれついてくる姿は愛らしいですね。ですがこの時、猫が後ろ足で「ケリケリ」してくることがあります。
とても可愛らしいですが、これがまた痛いですよね。ご自身の愛猫がこの「ケリケリ」する癖のある場合は、前足ほど尖っていなくても飼い主の腕が傷だらけになってしまいますので、切る必要が出てくるでしょう。
怪我の恐れがある場合
ちょっとしたかゆみがあって掻いた所が、後ろ足の爪が伸びていた事で傷になってしまう場合があります。そこからばい菌が入ってしまい、腫れてしまったりするケースもあります。
また怪我や病気で猫の上半身に猫にとって「気になる部分」がある場合、後ろ足で「ケリケリ」してしまって状態が悪化する事もあります。
こういった場合はこまめに観察して後ろ足での爪をカットしてあげましょう。
あまりに掻くときはエリザベスカラーで対処する事をおすすめします。
後ろ足の爪の切り方
猫の爪は半透明な部分とピンク色の部分に分かれている様子を見る事ができます。このピンク色の部分には血管と神経が通っています。
血管と神経を誤って切ってしまうと、もちろん猫は痛いです。後足の爪は前足よりも血管の部分までが短いので、先を切るぐらいで十分です。深爪に注意しましょう。
爪切りの種類
ハサミ型とギロチン型がありますが、子猫からハサミ型で慣れている飼い主さんはハサミ型でも構いません。
ただ、ギロチン型の爪切りの方が固い爪には適しています。どちらの爪切りにしても、一度にスパッと切ってしまいましょう。
ギロチン型爪切りの注意点
ギロチン型の爪切りは使い方に注意しないと深爪させてしまいます。刃が付いている方を手のひら側に持って、可動する側を握って切ります。
これを逆に持ってしまうと爪切りの刃の部分が動いてしまうので、予定した部分より根元近くで切ってしまうことになります。ギロチン型の爪切りを使用する前には必ず確認しましょう。
爪切りを嫌がる場合
猫はとても逃げ上手ですよね。後ろ足を持ったらスルリと抜けていってしまってなかなか押さえる事が難しいです。上手に切るためのポイントをご紹介しましょう。
- 爪切りに猫の意識を向けない
- 爪を切っている様子がなるべく猫から見えない位置でやる
- 爪切りの道具を猫に見せない工夫
- 口輪やエリザベスカラーなどを使って飼い主も安全に
- タオルに包んだり、ネットに入れて猫の動きを制限
- 一度に全部の爪を切る事にこだわらない
- 熟睡している間に切ってしまう
爪切りを嫌がる時の具体的な対策
高さのあるテーブルなどに猫を乗せる事で、いつもは見えない景色に猫に意識が周りに向きます。キョロキョロしている間にササっと切ってしまいましょう。
また二人がかりでやる事で早く済ませる事ができます。猫を立って抱っこして横向きにしてもらいます。かがむか椅子に座って猫から見えない位置で後ろ足の爪を切ります。
反対を切る時は猫の向きを変えて抱っこしてもらうとやりやすいですよ。
爪切りを専門の人に頼む
特に巻き爪になっていると血管が見えず、切る事に抵抗を感じる飼い主さんも多いでしょう。
できないと感じたら無理せず、ペットショップや動物病院に相談される事をおすすめします。料金は500円~1,000円ほどで行ってもらえますよ。
猫の爪切りが必要な頻度については、『猫に爪切りをする頻度は?おとなしく爪切りをする方法を解説!』の記事で更に詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
猫の年の取り方は人間よりスピードが早いですが、見た目にも可愛らしさは変わらないので飼っていて猫が年を取っていく事を忘れてしまう事がありますね。
日常的にいろいろな場所を触りながらチェックしておく事で猫の体の変化に気付く事ができます。
コミュニケーションを取りながら愛猫の健康を守っていってあげてくださいね。