日の当たる出窓などに寝そべっている猫を見ていると幸せな気分になりますよね。「可愛いなぁ」と覗き込んでみると、寝ていると思いきや片目や薄めを開けてこちらを「チラリ」なんて事ありませんか?
「そんなに警戒しなくても」と思うくらいに猫ちゃんは警戒心が強い生き物です。そんな猫達が本当にリラックスしている時ってどんな時かご存知ですか?実はそれを見極めるポイントがあるのです。
今回は猫が安心しきってリラックスしている時の猫の行動と飼い主さんが愛猫に今すぐできるリラックス法までご紹介していきますので、猫にリラックスしてもらう為の参考にしてみてくださいね。
目次
猫がリラックスしている時の仕草や表情
猫を動物病院で扱う時には安全に処置を行うために「保定」と呼ばれる押さえ方をする事をご存知でしょうか?
処置する際には怪我をさせないようにジッとしていてもらわないといけないので、猫を動物看護師などが押さえます。
保定の仕方を簡単にご説明しますと、猫を横に寝かして、両前足を片手で持って後ろ足をもう片手で持ちます。そして、この時のポイントは猫をしっかり伸ばす事なのです。
「なぜ猫を伸ばすの?」とお思いになった方、それは猫の体の秘密にあるのです。では、次にその秘密とその秘密からわかる猫のリラックスした時のポイントについてご説明しましょう。
猫の体の秘密
猫は背中を丸めている事で瞬時に走り出したり、飛び上がったりする事ができます。
ですから、逆に背中を伸ばされていると、瞬時に動き出す事ができないのです。猫の保定はこの事を利用して、安全に処置する事ができるように考えられているのです。
香箱座りは安心できていない証拠
「香箱座り」と呼ばれる猫の独特な寝姿は有名ですよね。手足を畳んで尻尾を体に寄せて伏せる姿は猫らしいポーズです。寒い時にもこの寝姿をしますが、このポーズはしっかり背中が丸まっていますよね。
先ほどご説明したように猫が警戒している時はいつでも走り出して逃げ出せるように背中を丸めています。
ですから、このポーズをしている猫、一見するとリラックスしているように見えますが、実はまだ安心しきってはいないのです。
毛繕いの意味
動物病院など猫にしたら緊張する場所から帰ってきた時、猫は一生懸命に毛繕いをしていませんか?これは猫にとって「病院の嫌な臭いを取っている」という行為の他に落ち着く行為なのです。
それと猫にとって「ここは大丈夫」という認識を持たないと毛繕いをしません。ですから、猫にとって毛繕いができる場所というのは「ここは安心できる場所」という意味なのです。
具合が悪く、体調がすごく悪くなってしまった猫も毛繕いをしません。病気の猫の毛並みが悪くなるのは栄養面だけではなく、猫自身でお手入れできなくなっている事も原因なのです。
そういった事からも猫が「くつろぎながら毛繕いしている」という行為は「元気だし、安心してるよ」という猫からのメッセージなのです。
足踏み
子猫がおっぱいを飲む時に母乳の出をよくするために前足をフミフミする行動があります。
この行為が残っている猫は柔らかい毛布や一緒に寝ている飼い主さんなどに、同じようにフミフミすることがありますね。
これは猫が母猫を思い出し、安心して甘えている行為だと言えるでしょう。
お腹を見せる
暑くなってくるとダラリと寝転がる様子を見かけます。この時に猫にとっての急所であるお腹を見せているポーズは警戒心がない時にしかできないですよね。
瞬時に逃げる事もできませんし、危険はないと判断して安心しきっている状態なのです。
あまりにも可愛い無防備な寝姿を披露する猫もいるようですね
https://www.youtube.com/watch?v=iILx19LpG7k
尻尾の動き
猫の尻尾の動きに注目してみてください。何か機嫌が悪い、気に入らない事があった時はパタパタとせわしなく動いています。
逆にゆっくりとユラリユラリ動かしている時は獲物を狙っている時にもする事がありますが、ご機嫌で気分が良い時にも同じように動かすのです。
また、甘えたいときは尻尾をピンと立てて先だけユラユラしてくる場合もありますね。嬉しい時はプルプル震えていたり、猫の尻尾は猫ちゃんの気持ちを表してくれているのですね。
猫が飼い主に甘えたいというサインは他にもあります。詳しくは、『猫が甘える時はどんな時?見逃したくない甘えのサイン』の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
伸び
猫が行動を開始する前に気持ちよさそうに伸びている時があります。危険を感じていたり、警戒している時には瞬時に動く事ができないので、このポーズは行いません。
「さてお水でも飲もうかな」「撫でてもらおう」などリラックスした気持ちで行っているのです。
猫にリラックスさせる方法
普段は気ままにお昼寝したり自由に過ごしている猫ですが、『猫がストレスを感じた時の行動とは?ストレスフリーな生活をさせる為にできること』の記事でも紹介している通り、ちょっとした事からストレスが溜まることがあります。
「引っ越し」や「新米猫が来た」などという事ならわかりやすいですが、飼い主も気が付かないような小さな事からストレスになることがあります。
例えば近所で大きな音で工事が始まったり、花火大会が続いたなど音で恐怖を感じてストレスを抱える場合もあります。また、トイレを気に入らない場所に移動してしまったなどという事からストレスを感じる猫もいます。
さて猫はそんな時、どういった行動をとるのでしょうか?飼い主としてはそんな愛猫のストレスにいち早く気付いて、なんとかしてあげたいところですよね。
では、次にどうしてあげたら猫が安心してリラックスしていてくれるのかも含めてご説明していきましょう。
過剰に舐める場合はストレスを感じている証拠
先ほどくつろぎながら毛繕いしている時は猫がリラックスしているというご説明をしましたが、被毛がベタベタになるくらいに過剰に毛繕いをする事があります。
ひどい時は自分で毛を抜いてしまう事もあります。これはその場所が痛かったりする事で舐める場合もありますが、猫がなんらかのストレスを抱えていてなんとか解消しようとしている行為なのです。
撫でてあげる
猫は気ままな生き物ですが、とても甘えん坊さんな猫が多いですよね。飼い主さんが忙しくて遊ぶ時間や撫でてあげる時間が少なくなっていてストレスになっている事もあります。
また、会話ができない猫にとって飼い主との触れ合いは会話と同じなのです。大きな音に怖がっているようなら「大丈夫」と伝えてあげましょう。飼い主の心に思う事を猫は言葉ではなく、感じ取るのです。
愛猫が「なんだかストレスを感じていそうだな」と思ったら、まずは猫とコミュニケーションを取る時間を作って、たくさん撫でて可愛がってあげましょう。
遊ぶ
これは若い猫が特にそうなのですが、野生の本能を色濃く残す猫は走り廻ったりする事以外に獲物を狙って取る「疑似遊び」をさせる事がストレス発散になります。
定番の猫じゃらし以外にもいろいろな遊び道具があって目移りしちゃうぐらいですね。
猫の嫌いな匂いはできるだけ避ける
自宅で飼い主さんがリラックスできるように、アロマを焚くという方もいらっしゃると思います。
ですが、猫は匂いに敏感です。特に柑橘系の匂いは猫が嫌う匂いです。また、アロマの精油は猫にとって毒で危険な物でもあります。
猫がストレスになるような匂いがあれば、まず取り去ってあげましょう。
またたび
猫と言えば「またたび」と言うほどに有名ですよね。猫にまたたびを与える事は、人間でいうとお酒を飲んでストレス発散することに近いです。
粉末を爪とぎに振ってあげたり、木の場合はおもちゃにして遊ぶこともあります。
猫によってはあまり関心を示さない事もあるようですが、種類によっては気に入ってくれる事もあるので試してみられると良いでしょう。
その際は使用量を守って、猫があさって勝手に口にしないような保管場所にしまいましょう。またたびを与えても良い年齢や量については、『猫にまたたびを与えて良い年齢は?またたびのリスクと効果を知っておこう』の記事で更に詳しく解説しています。
おいしいおやつを与えよう
食べる事は人もストレス発散になりますよね。愛猫が好きなおやつをご褒美的に与える事は猫もストレス発散になります。
「なまり節」はにおいも強く、食欲が落ちてしまった猫でも食べてくれる事があるのでおすすめですよ。
猫がリラックスする音楽
猫のために考えられた音楽が意外にも評判が良いです。臆病な猫はもちろん、やんちゃな猫にも効果があるようですから、お試しになってみてください。
マッサージ
猫のマッサージは資格があるほど確立したものになっています。さする程度ですからご自身の愛猫にも取り入れてみたくなりますよ。以下、参考になさってくださいね。
まとめ
猫が「ゴロゴロ」と喉を鳴らして撫でられている時の満足気な姿は本当にリラックスしていますよね。言葉が通じない猫達ですから、飼い主が一番にわかってあげたいところです。
猫がリラックスした日々を過ごす事で健康に長生きに繋がります。また、その姿を見る事で飼い主も「ホッ」として癒される事ができますよね。
猫の快適な生活をできる限りサポートして、幸せな時間を一緒に過ごされてくださいね。