猫はまたたびが大好きっていうのは、一般常識化していますよね。でも、どうしてまたたびが好きなのか、どんな効果があるのかは意外とよく知られていません。
猫にまたたびを与えると、ゴロゴロく ねくねしますが、あんまりうっとりされてしまうとまたたびは害がないのだろうかと、とちょっと不安になったりもします。
そこで、猫に与えるまたたびについて詳しくまとめましたので、同じような疑問をお持ちの飼い主さんは、是非参考にしてみてくださいね。
目次
猫にまたたびを与えても良い年齢
またたびについて
まずは、またたびとは何なのかを説明しておきたいと思います。猫の上あごには、ヤコブソンというフェロモンを感知する器官があります。このヤコブソンが、またたびに含まれている「マタタビラクトン」と「アクチニジン」という成分に反応をしているのです。
この成分を感知すると、たいていの猫は興奮や陶酔状態になります。またたびは猫にとっては、人間でいうアルコールのような物なのかもしれません。適量のアルコールは良薬になるのと同じで、正しい使い方をしていけば、またたびは猫にとって良薬なのでしょう。
幼猫には与えない
幼猫にまたたびを与える事はあまりおすすめしません。またたびは、猫の中枢神経に働きかけ麻痺させるような効果がありますので、まだ身体のきちんと出来上がっていない幼猫には、使わない方がよいでしょう。
そもそもまたたびに反応するかどうかは、猫の性成熟に大きく関係しているので、子猫は試しに与えたとしても反応はしない可能性が高いです。成猫でも、避妊去勢手術済の子は反応が薄いですし、メスよりもオスの方がより反応が強いと言われています。
しつけに使えます
またたびは、猫のしつけの際に便利に使えます。特に爪とぎのしつけをする時には、その効果を存分に発揮します。爪とぎを購入した時に、粉末のまたたびが必ず付いてくるのをご存知ですか?
あれは特に意味のないサービスではなく、またたびを振りかける事で何の変哲もない段ボールが、猫の爪とぎに変身してくれます。
ただの段ボールでは興味を示さなくても、またたびを振りかけるだけで興味を示してくれるようになりますので、そこですかさず「ここで爪とぎをするんだよ」と猫に教えてあげると、爪とぎの場所を早く覚えてくれるようになりますよ。
色んな所で爪とぎをする飼い猫に悩んでいる飼い主さんへ、『猫が色んな所で爪とぎをする時にしつけ方法を徹底解説!』の記事で爪とぎのしつけ方を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
またたびを与えると多くの猫が喜ぶ!
またたびには食欲増進効果がある!
猫が食欲不振になった時には、フードにまたたびを少しだけ混ぜてあげると、不思議と食べてくれるようになります。人間でいうところの、疲労回復や滋養強壮と同じ効果があるようです。
夏バテをして食欲が落ちてしまった猫などに試してみるといいかもしれませんね。飲み水にほんの少しだけまたたびを浮かせて、それを飲ませる方もいるのです。
静かに飲んでくれればいいのですが、飲む前にまたたびの匂いに先に反応してしまうと、飲み水の前でくねくねし始めて、水をこぼして猫もびっしょり、なんて事があるかもしれませんので、その点はご注意ください。
ストレス解消でイライラを抑える
新入りの猫がきてストレスを感じているような時や、庭に知らない野良猫が来るようになって、縄張りを荒らされた気分でイライラしている様子の猫にも効果があります。
イライラしている様子の時には、またたびの小枝を与えてみましょう。かじったり、身体をこすりつけたりすると思いますが、それがストレス解消になるのです。小枝タイプのまたたびは、かじって食べてしまう子もいますがそれでも問題はありません。
ただ、30分以上経ってもそのままスリスリとしているようでしたら、そっと取り上げるようにしてください。長時間に渡る使用はよくありませんので、与えた後は様子をみるようにしましょう。
運動不足解消
最近ちょっと運動不足かな?と思い、飼い主さんが猫に遊びをけしかけても、乗ってこない時ってありますよね。
そんな時には、お気に入りの猫じゃらしやぬいぐるみにまたたびをこすりつけて、追いかけっこ遊びをしてはどうでしょうか。猫はまたたびの匂いに釣られて、いつもより一生懸命追いかけてくるので、運動不足も解消されます。
元気のない時
体調が悪い様子でもないのに、なんだか元気のない時は人間でもありますよね。猫がそんな様子でしたら、またたびを使ってあげましょう。
お気に入りのおもちゃなどに付けて与えてあげてもいいですが、飼い主さんの手の平にまたたびを出して直接舐めさせても大丈夫です。
様々な形状のまたたび
市販されているまたたびは、粉末状の物が一番多いかと思いますが、様々な形状の物があり、効果の強さも形状によって変わってきます。
粉末、液体、実、枝、葉の順で効果がどんどん強くなっていくそうです。使い方によっては、猫の健康を害する事もありますので、一番効果の弱い粉末状の物が一般的なのかもしれませんね。
またたびを与える時の注意点
効きすぎる猫
またたびに過剰な反応をしてしまう猫もいます。例えば、またたびを与えた途端にハイテンションになり、部屋中をやみくもに走り回ったり、攻撃的になったりする子もいるそうです。
恍惚状態が、心配になってしまうほど長時間に渡る子も中にはいます。反応の強さは個体差がありますが、30分以上もその状態が続くようであれば、その子にとっては量が多かったのかもしれません。飼い主さんの判断で与える量は調整するようにしてください。
呼吸困難を引き起こす場合も
先にも書きましたが、またたびには中枢神経を麻痺させる働きがあります。この中枢神経には呼吸器系の神経も含まれているのですが、またたびの刺激が強すぎてしまうと、呼吸器の働きにまで影響が及んでしまい、呼吸困難に陥る事もあるそうです。
これは与えるまたたびの量が関係してきますので、適量を守って与えるようにしてください。
またたびの適量
またたびを猫に与えるのは、週に1回程度と覚えておきましょう。1回に与える量の目安は、女性の親指と人差し指で約ひとつまみ程度。グラムに換算すると、1グラムに満たない量です。
爪とぎなどに付いている物は、メーカーによっても多少は違ってくるのですが、1回に全部使いきることはせずに、2回位に分けて振りかけてあげるようにしてください。
老猫に与える時は注意
またたびには興奮作用があるため、老猫の身体には負担になる場合があります。心臓の弱い猫も同じです。猫には必ずまたたびを与えなければいけない、という事ではありませんので老猫には安全の為にも与えない方がいいでしょう。
またたびへの執着心
興奮作用や陶酔作用のあるまたたびです。猫の中には、またたびに異常な執着を見せる子もいます。またたびが入っていたビニール袋などを、迂闊にその辺に放置したり、蓋の付いていないゴミ箱に捨てたりすると、それを引っ張り出してビニールごと食べてしまう猫もいます。
ビニールはそのまま吐き出すか、便と一緒に排泄されれば問題ないのですが、万が一お腹の中に残ってしまうと大変な事になってしまいます。またたびの保管や、空き袋を捨てる際には充分注意をするようにしてください。
またたびだけに頼るのではなく、猫が喜んでくれる遊び方や触り方も飼い主さんは知っておきましょう。『猫好き必見!猫が喜ぶ触り方や遊び方を全て解説!』の記事で、猫が喜んでくれる触り方や遊び方を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
またたびには、色々な効果がある事に正直驚きました。今までは与えてみると、なんとなく気持ちよさそうだな、位にしか見ていませんでしたが、食欲のない時にも効果があるとなると、是非試してみようと思います。
ただし、与える時にはリスクも伴います。良い効果をもたらす物でも、間違った使い方をしてしまうと大変な事になってしまいますので、飼い主さんがきちんと管理をして、適量を守って与えるようにしてくださいね。