猫の血液検査でかかる費用を紹介!血液検査でわかる内容・項目とは?

猫 血液検査 費用

 

人間も毎年人間ドックで血液検査を行っていると思いますが、医師に指摘された悪い数字以外はあまり気していなかったりしていませんか?

実際の動物病院でも、飼い主さんに説明をする時に、「検査項目は人間と同じなんですよ」とお話ししても、皆さん、苦笑いです。

血液検査は、猫の健康状態を知る重要な手がかりですから、内容を十分理解しておくことで、今後どういったことに気をつけるべきかを知ることができます。

ここでは、費用を始め、一般的によく検査されている内容や項目を説明しますので、ぜひ参考にして下さいね。

猫の血液検査でかかる費用

動物病院で血液検査と聞けば、とても高いイメージがあると思います。ただ血液検査と言っても、種類や項目の数によって、当然値段の幅があります。

何も知識がないと、一体、それが高いのか安いのかの検討がつきません。病院の支払いでびっくりしないように、以下に挙げる数字を参考に、病院に出かける前の準備をしておきましょう。

猫の一般的な血液検査にかかる費用

血液検査を行うにあたって、まず最初に知っておかなければならないことは、病気で検査した場合と、健康診断で検査した場合の違いです。

病気の場合には、飼い主さんから聞いたお話と診察をした状態から、「これが必要だな」と、獣医師が思う検査を選んで血液検査を行うことが多く、健康診断の場合には、ほとんどがセット項目になっており、大抵15項目以上をチェックする仕組みになっています。

この2つの違いに注目して、費用の比較をしてみましょう。

病気の猫の血液検査費用

病院によって多少のばらつきがありますが、多くの獣医師は、診察した上で必要最低限の検査を検討して選択して、その結果に応じて必要な項目を更に増やす、という方法を取ります。

このやり方のメリットは、必要はないと思われる項目は検査をしないので費用を抑えることができる一方で、はじめの検査結果を見ながら、必要な検査を追加していくことで、時間がかかるデメリットもあります。

都内の平均的な病院での費用を紹介します。

 項目 費用
初診料 1,500円前後
(聴診、視診、触診、などは含まれている)
採血技術料 1,000円〜
血液検査一般
(血球の検査、赤血球や白血球の数、貧血の有無など)
1,000円〜
血液生化学
(内臓の状態をチェックするもので、項目数によって費用は変動)
1項目 1,000円以内
合計 7,000円~

健康診断の為の猫の血液検査費用

動物病院の健康診断は、レントゲンやエコー検査も含めてのキャット・ドックのようなタイプのものや、血液検査と聴診などの一般的なチェックのみのものがあります。血液検査のみであった場合は、

項目 費用
初診料 1,500円程
(聴診、視診、触診、などは含まれている)
血液検査
(血球検査と血液生化学)
10,000円〜
合計 15,000円程度

※血液検査項目の数によって費用の変動があるのは確実で、基本的には項目が多いほど割引率は良い形に設定している所が多いと思います。

猫のワクチン接種の種類や費用については、『猫の予防接種を知ろう!ワクチンの種類や費用まとめ』の記事で詳しく解説しています。

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猫の血液検査でわかる内容・項目

血液検査で腎臓の数値です、肝臓の数値です、と説明されても、なかなか頭にすんなりと入ってイメージできるものではありません。

ここでは、一般的に行われている血液検査の項目を個別に説明していきますので、既に行なった血液検査の結果をお持ちであれば、是非、この項目を参考にもう一度眺めて見て下さい。

飼い猫の体調が今まで以上に理解できると思います。

猫の血液検査の内容

血液検査の内容は、大きく分けて2つあります。

費用の項目でも説明を加えましたが、1つは血液中の赤血球、白血球、血小板、などの血球成分の数や貧血などを見る検査。

もう1つは、血液の液体成分である血清や血漿を用いて、体の中の臓器の働きなどを見る検査です。

血球成分を見る検査

この検査は CBC (Complete Blood Count 全血球計算)と呼ばれており、以下のものを見ます。

  • 赤血球・白血球・血小板の数
    例えば赤血球が少ないと貧血、白血球が多いと感染症や白血病、血小板が少ないと血液凝固障害、などの状況が考えられますが、これだけで病気を診断する訳ではありません。
  • ヘモグロビン
    血色素とも言われますが、赤血球の中の酸素を運搬する働きがあるタンパク質で、この数字から貧血の有無と、もし貧血があれば、どういうタイプの貧血であるかの診断材料になります。
  • ヘマトクリット値
    血液中の赤血球の割合と等しく、低い数字だと貧血、高い数字だと脱水や多血という判断ができます。
  • 平均赤血球容積 (MCV)
    平均的な赤血球1個の大きさを示しており、貧血の種類の診断材料になります。
  • 平均赤血球血色素量(MCH)
    平均的な赤血球1個の中のヘモグロビンの量を示しており、貧血の種類の診断材料になります。
  • 平均赤血球血色素濃度(MCHC)
    平均的な赤血球1個に対するヘモグロビンの濃度を示しており、貧血の種類の診断材料になります。

検査機器によっては、白血球の種類である好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、の割合を詳しく見ることができるものがあり、それを同時に教えてくれる場合もあります。

これらは、病気の場合に診断の手がかりなります。(血液塗抹と言って、必要に応じて獣医師が顕微鏡で白血球の種類や赤血球の形態をチェックすることもあります)

血液生化学検査

この検査は、血液の液体成分である血清や血漿を使って、あらゆる臓器の機能を確認することができます。

アルファベットばかりで表示されたり、病院によっては日本語表示である場合もありますが、慣れていないと非常に分かりづらいものです。

これらの項目は個別で診るものではなく、全てを総合して診断に繋げるものであり、1項目が異常であればすぐに診断につながる、という訳ではありません。

個体によっても低い傾向があったり、高い傾向があったり、なども考えられ、獣医師の的確な診断が必要です。ここでは一般的によく調べる項目の意味を説明します。

  • GLU(血糖値)
    人間の血液検査でもおそらくお馴染みと言えると思いますが、血液中の糖の量を表します。猫は興奮していると、すぐにこの数字が上がってしまうので、検査の時にはなるべく興奮されないようにすることが必要です。
  • BUN
    尿素窒素を意味し、タンパク質が体内で利用された残骸に相当し、腎臓で濾過されて尿に出ます。腎臓の機能低下があれば上昇し、尿毒症の状態になります。尿の排泄ができない尿路閉塞(結石などで尿道が詰まる)や心臓が悪い場合などでも異常値が見られます。
  • CRE
    クレアチニンを意味し、筋肉由来の物質で腎臓から尿に排泄される為、腎臓の濾過機能の指標になります。尿路閉塞や重度の脱水がない状態で、この数字が上昇してる場合には腎臓機能に直接問題があると考えられます。
  • GPT
    ALTとも呼ばれ、肝細胞に含まれる酵素で、肝臓に何らかの問題があった場合に上昇します。
  • GOT
    ASTとも呼ばれ、肝臓を始め、心筋、骨格筋、腎臓、などに存在している酵素で、これらの臓器に異常があると上昇します。
  • ALP
    特に骨、小腸、肝臓、胎盤、腎臓に多く存在している酵素で、肝胆道や骨疾患などがある場合に上昇します。
  • GGT
    ガンマGTと呼ばれ、腎臓、膵臓、肝臓、などに多く存在する酵素で、肝臓や胆道に問題があると上昇します。
  • T-BIL
    総ビリルビンと呼ばれ、赤血球が破壊されて(溶血)出る色素で、血液とともに肝臓に運ばれて胆嚢に貯蔵されていますが、特に溶血があったり、胆嚢に問題があると上昇し、黄疸の原因でもあります。
  • TP
    総蛋白と呼ばれ、重度の脱水や感染症では上昇し、腎臓や肝臓の働きに問題があったり、タンパク質が体に吸収されない状態であれば低下します。
  • ALB
    アルブミンというタンパク質で、総蛋白と同様に腎臓や肝臓、消化管の問題などを知る手がかりになります。
  • Ca
    カルシウムを表し、その異常値は様々な病気の可能性があり、他のデータと合わせて診断して行きます。
  • P
    リンを表し、腎不全(注1)や甲状腺機能亢進症(注2)、出血傾向のある病気などで上昇します。
  • AMYL
    アミラーゼを表し、消化酵素の一つで、膵臓の問題を探る為の参考値になります。
  • LIP
    リパーゼを表し、アミラーゼと同様に消化酵素で、膵臓の問題を探る際に、参考にします。
  • T-CHO
    総コレステロールを表し、例えば、糖尿病や甲状腺機能低下(猫には珍しい)があれば低値を示します。
  • Na/K/Cl
    電解質と呼ばれています。例えば、嘔吐や下痢、腎不全、といった問題があった場合に異常値が出ます。
  • T4
    甲状腺ホルモンを表し、高齢の猫に多い病気である甲状腺機能亢進症の診断に必要となります。追加項目として挙げられる検査です。
  • SDMA
    対称性ジメチルアルギニンという物質で、腎臓から排泄されます。腎臓の機能の指標になるクレアチニンよりも先に異常が反映されるので、腎不全を早期に診断できると言われています。追加項目として挙げられる検査です。

(注1)高齢猫に非常に多く、腎臓の機能が低下して体に毒素が溜まりやすくなる病気。
(注2)高齢猫に非常に多く、喉の左右にある甲状腺から出る甲状腺ホルモンが過剰で、食欲亢進や痩せる、凶暴になる、などの体に異常を来す病気。

猫の血液検査の必要性

一番気になるのは、我が子を絶食までして、わざわざ病院に連れて行ってストレスをかけ、そこまでして検査をする必要があるのか?ではないでしょうか。

この答えは「イエス」です。早速、その理由を説明して行きます。

猫の血液検査が必要な理由

うちの猫は病気になったことがないから、病院にも避妊・去勢手術以来行ってない、という方が多いかもしれません。

血液検査の目的は病気が隠れていないか、外側から症状はないけれど、何も問題ないのかどうかを診るものです。

避妊手術や去勢手術を行う生後半年の頃には、術前検査で必ず血液検査を行いますが、その後、一体いつまで元気であるのか誰もわかりません。

猫がマチュアと言われる7歳から10歳の時期は、少しずつではありますが体調に変化が現れ始めます。もしかしたら、以前より寝ていることが多くなった、動きが少し減って来た、などがあるかもしれません。

その時こそ、血液検査で体調をチェックして、健康であることを確認しましょう。

猫の血液検査の頻度

猫の血液検査が必要になるのは、少なくとも7歳を超えた頃から、最低でも年に1度程度はチェックをおすすめします。

10歳を超えてからは、血液検査の間隔は少し短めに、年に2回程度が良いでしょう。

その理由は、この時期に糖尿病、腎不全、甲状腺機能亢進症を診断される可能性が高くなってくるからです。早期に発見できれば、即刻治療を開始して、体を楽にして長生きさせてあげられます。

受けておいた方が良い健康診断

ワクチンを毎年接種している場合には、

  • 体重
  • 体温
  • 視診
  • 触診
  • 聴診

を必ずやってもらえます。この検査によって異常が見つかることもありますが、内臓の機能を診るにはこれだけでは不足です。

病院で紹介される健康診断の種類が、「沢山ありすぎてどれが必要かわからない!」という飼い主さんの為に、ここでは受けておいた方が良いと考えられる健康診断について説明します。

是非受けたい健康診断

①血液検査

多くの病院では、甲状腺検査と腎不全の特別な検査(SDMA)は、検査機関に依頼して、それ以外を院内で行います。

中には甲状腺検査も院内で行うところもありますが、この 2つの検査以外は、年齢に関わらず、できれば毎年受けた方が良いでしょう。

病院によって、健康診断血液検査メニューは、多少の差がありますから、病院ごとに確認して下さい。7歳を過ぎたら、この 2つの項目を含む全ての血液検査を行うべきでしょう。

②レントゲン検査

レントゲン検査では、腫瘍の有無や、ある程度の臓器の大きさや形がわかります。7歳を過ぎたら、なるべく胸や腹部のレントゲン検査は行う方が良いでしょう。

③エコー検査

エコー検査はレントゲンの静止した画像と異なり、臓器の動きもわかります。

特に純血種の猫ちゃんで遺伝的に心臓病が出やすい猫種は、最初のワクチンの頃から定期的に心臓のエコー検査を受けることをお勧めします。

どの猫種も7歳を過ぎたら、腹部エコーや心エコーはなるべく実施した方が良い検査です。

④尿検査・糞便検査

どちらも、健康診断を受けるに当たっては、必ず実施すべきものですが、採尿する難しさがあるので、先に獣医師に相談をして下さい。

外に出かける猫に関しては、定期的に駆虫薬を投薬していない場合には、糞便検査のみでも頻繁に行う必要があります。

健康診断を受ける際の注意

理想的には定期的に実施すべきである健康診断ですが、獣医師によって意見が異なることもあります。

例えば、ストレスをかけ過ぎるならやる必要はない、と指示が出る可能性も考えられますから、獣医師としっかりと相談して、自分の猫の体調や性格を考慮して、検査項目を減らしたりしてもう、など、最良な方法を検討してもらいましょう。

猫の健康診断の内容や、かかる費用については、『定期的に必要!?猫の健康診断にかかる費用まとめ』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。

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まとめ

猫の血液検査は、病院に連れて行くのが一苦労という問題がありますが、残念ながら多くの猫は高齢になると、腎臓や甲状腺の病気になる可能性が高く、飼い主さんが症状に気づいた時には、かなり病気が進行しています。

若いと思っていても、5歳、6歳を迎えた頃から、今後の健康診断については獣医師と話し合っておくことをお勧めします。

最近では、病院で健康診断キャンペーンをやっている場合も多く、費用を抑えることができる可能性もあるので、是非、そういったチャンスも利用するようにしましょう。

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