猫を飼っている人なら、足をすりすりされた経験は必ずありますよね。飼い主さんの足だけではなく、壁や柱などにもすりすりしている光景は何度か見た事があるのではないでしょうか?
このすりすりする行動には、猫なりの様々な想いが込められているのです。なぜ猫はすりすりするのか?その理由をまとめてみました。猫の気持ちをよく理解して、更に信頼関係を深くしていきましょう。
目次
猫が飼い主にすりすりしてくる理由
飼い主の足にすりすり
実は猫の頬や額からは、猫特有のホルモンが出ています。すりすりしながらこのホルモンを飼い主さんの足に付けているのですが、それはなぜか。
飼い主さんが大好きで大好きで仕方ないので、自分の匂いを一生懸命付けて他の猫に対して「この人は私のものよ!」とアピールをします。猫が足にすりすりしてきたら、この人を独り占めしたいという気持ちの表れですので、飼い主さんは大いに喜んでくださいね。
壁や家具にも体をこすりつける理由
猫が壁や家具に身体をこすりつけている光景もよく見かけます。これは一種のマーキング行為です。自分のお気に入りの場所に、自分の匂いやフェロモンをこすりつけて匂いを付ける事で、ここは自分の縄張りだと主張しているのです。
猫は元来臆病な生き物なので、マーキングをする事によって自分の縄張りを主張し、その縄張りに自分の匂いが充満しているのを感じると安心感が生まれ、穏やかに過ごせるようになるのです。
屋外に気に入らない野良猫などが来るようになると、自分の縄張りを荒らされる不安からなのか、この行動が増えてきてしまいます。
すりすりしながら鳴く時
飼い主さんの足や手にすりすりとしながら、ニャーニャーと甘えたような声で鳴く時はありませんか?そんな時は甘えモード全開の時です。
その時に尻尾もピーンと立っていたなら、飼い主さんが側にいて嬉しいし、甘えたいし、早く撫でて欲しいしで、猫の心はもう大忙しです。そんな時は存分に可愛がってあげてくださいね。
ご飯が欲しい時や遊んで欲しい時にも、同じような仕草をしますので、その時の状況に応じて猫の気持ちをくみ取り希望を叶えてあげましょう。そうすると、ますます猫は飼い主さんを信頼して仲良くなれますよ。
すりすりの延長の頭突き
すりすりしながら飼い主さんに甘える気持ちが更に増してくると、背伸びをしながら頭突きをしてくる事もあります。この頭突きは、すりすり行動と同じで「自分の物!」という事を主張する時に出る行動です。
飼い主さんの足にすりすりしているうちに、二本足で立ちあがってグイグイと頭突きをしてきます。頭突きをする行為は、元々は母猫が子猫に対しての愛情表現として行っていた行為です。
飼い主さんを母親のように思って、母猫がしてくれたのと同じ事をしてほしくて頭突きをしてくるといわれていますので、もしも猫が頭突きをしてきましたら、顔を付き合わせてあげると猫はとても喜びますよ。
その他にも猫が頭突きしてくる理由を、『猫の頭突きが激しい!甘えん坊な猫の愛情表現かも』の記事で詳しく紹介していますので、飼い猫のサインを見逃さない為にも参考にしてみてくださいね。
猫がもみもみしてくる理由
前足でもみもみする訳
猫が飼い主さんに抱っこされている時や眠りに入る寸前の時などに、前足をグーパーグーパーしながら、みもみしている事がよくありますね。
これはまだ母猫から母乳を貰っていた子猫の頃にやる仕草で、成猫になってもこの行動をする猫は、母猫と離されたのが早い時期だった子に多いと言われています。
ただ最近では、飼い猫はいつまで経っても飼い主さんの前では赤ちゃん気分でいる事が多い、と言われている事から考えると、飼い主さんへ甘えている行動とも取れますね。
特にこのモミモミをしている時の様子を観察していると、眠たそうにしている時が明らかに多いです。飼い主さんのそばで、眠り就く前の幸せなひとときに出てしまう仕草なのかもしれません。
また、母猫と一緒に過ごした幸せな時を思い出しながら、今の幸せにひたっている時に、モミモミの仕草が出るという説もあります。
自分の匂い付け
すりすり行動と同じで、飼い主さんへのモミモミ行動も、自分の所有物を他の猫に対してアピールする意味があります。猫は前足からも、猫特有の自分の匂いホルモンを発します。
手をグーパーグーパーしながら飼い主さんにモミモミと押し付ける事で、自分の匂いをそこに付け、この人は自分のものだと周囲に教えているのです。
ちなみに猫は、飼い主さんの事を大好きではあっても、犬のように「ご主人」や「ボス」という意識は持ちません。あくまでも、大好きな人だから自分だけで独占したいという気持ちでいるのです。
モミモミ行動で気を付ける事
前足でモミモミ行動をしながら、毛布やタオルに噛みついたり吸い付いたりする猫がいますが、これを「ウールサッキング」と言います。なぜこのウールサッキングが起こるのか、明確な理由は実は分かっていません。
一説には、早い時期に母猫から離された猫が、ストレスから起こす行動ともいわれています。吸い付きながら、布を食べてしまう子もいるのですが、もちろん猫は毛布やタオルなどの布を消化する事はできません。
便と一緒に排出されてしまえば問題はありませんが、腸に詰まってしまう事もあります。万が一詰まってしまった場合には、早期に手術などをして取り出さなければ命に危険を及ぼす事もあるでしょう。
もしも自分の猫が、このウールサッキングをしている様子を見かけたら、早めに対処をする事を強くおすすめします。噛んで食べてしまう素材の物を全て猫が触れない場所に片付けるという方法もありますが、布製の物を室内から全て片付けるというのは現実的ではありません。
簡単に行える対処方法としては、ご飯の量を増やして満腹感を与えたり、猫が充実感を得られるようにたくさん遊んであげたりすることですよ。
その他にも飼い猫が甘えたいというサインを、『猫が甘える時はどんな時?見逃したくない甘えのサイン』の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
飼い主が猫にやると喜ぶこと
あごを掻くように撫でてあげる
猫は顎を撫でられるのが大好きです。特に大好きな飼い主さんに撫でられると、とても嬉しくて喉がゴロゴロ鳴ってしまいます。喉がゴロゴロ鳴るのは、リラックスしていて幸せな気分でいる証拠です。
手からご飯をあげる
いつもお皿に出してあげているご飯を、時には直接手からあげてみてください。気まぐれで自立しているように見える猫でも、実は飼い主さんの手から直接ご飯を貰えるととても喜ぶのです。
猫じゃらしで遊んであげる
猫は動く物にとても反応しますので、猫じゃらしなどを使って遊んであげるととても喜びます。
猫じゃらしの動かし方は、床を這わすようにすべらしてみたり、上下に動かしたりなど猫によって喜ぶ動かし方も少しずつ違ってきますので、色々試してみて何が一番楽しそうか見極めましょう。
猫じゃらしの種類も、丸いボンボンが付いたような物やふわふわした長い毛が付いているものなど様々です。割と安価で手に入りますので、色々な種類の物を用意してあげるのもよいかもしれません。
段ボールで遊ぶ
猫が中で多少動き回れるくらいの大きさの段ボールを用意します。段ボールはフタを閉めた状態で、上や横に猫の足が出る位の穴をいくつか開けておきましょう。
その中に猫を入れたら、穴から指を入れて遊んであげます。猫じゃらしを穴からチラチラ見せてあげてもじゃれてくれますよ。
ただ、ダンボールを噛む行為を止めて欲しい場合には、『猫がダンボールを噛むのを止めさせたい!そんな時の対処法を解説』の記事を参考にしてみてくださいね。
まとめ
時々特に信頼関係がなくても、足にすりすりしてくる猫もいますが、これは本当に稀なパターンです。基本的に猫は、自分の信頼している人や大好きな人にしか、このすりすりはしません。
自由気ままに毎日を過ごしている猫ですが、実は愛情表は豊かです。甘える時は全開で甘えてきますので、そんな猫の甘えサインを見逃さないようにしてあげてください。猫が甘えてきたら、ほんの少しの時間でもいいので構うようにして信頼関係を築いていってくださいね。