子犬に突然マウンティング行動をされて、驚いてしまった飼い主さんは意外と多いようです。マウンティングは、成犬のオスがする行為のように思われていますが、実はそうではありません。
子犬のマウンティング行動はじゃれついてきているような感じで、可愛い一面もありますが、そのままにしておくと後々困ることになる可能性があります。
今回は、子犬がマウンティング行動をする意味や、マウンティングをやめさせる方法について紹介しますので、是非参考にしてみてください。
目次
子犬がマウンティングをしてくる理由
マウンティングとは
犬のマウンティング行動は、発情期のメス犬に性的な行動として行うものが最も知られていると思いますが、嬉しい時の喜びを表現する時や、遊びの最中の興奮状態の時にも行うことがよくあります。
飼い主さんからすると、自分の手や足にそのような行動をしてくるのはあまり好ましいとは思えないかもしれませんが、マウンティングは犬のする行動をしては全く異常なことではなく、むしろ普通の行動といえるでしょう。
子犬のマウンティング
子犬は三ヶ月を過ぎてくると、飼い主さんの手足に前足でしがみつきマウンティング行動をし始めます。飼い主さんの手足だけでなく、適度な大きさのぬいぐるみなどにする子犬もいます。
子犬がするマウンティング行動は、成長過程に必ず見られる社会化行為の一つとなります。
これは、マウンティング行動をすることで、家族の中での自分の順位を確認しようとしている意味があるのです。そのため、オス犬だけでなくメス犬も同じような行動をとるようになります。
自分の方が偉いと思っていることも
犬が飼い主さんにマウンティング行動をする場合、飼い主さんよりも自分の方が偉いと思っている可能性が高いです。
そのため、犬のマウンティング行動を止めさせることなくそのままにしていると、飼い主さんを下に見るようになり、噛んだり吠えたりするような問題行動を起こすようになる恐れがあるだけではなく、言う事を聞かなくなってしまうかもしれません。
子犬だからといってそのままにしておくと、しつけをする際の妨げになってしまう場合もありますので、早いうちにやめさせるようにした方がいいでしょう。
マウンティング行動はメス犬もする
子犬の頃の社会化行為としてメス犬もマウンティングをすると説明しましたが、成犬のメス犬もマウンティングする場合があります。
これは特に気の強いメス犬に多い行動なのですが、この場合も相手の犬に自分の方が立場は上で、強いんだということをアピールするための行動です。
性別に関わらず行いますので、同居しているオス犬などに行う場合もありますし、散歩やドッグランなどで他の犬に対してしてしまうこともあります。
マウンティング自体は異常な行動ではないのですが、飼い主さんや他の犬に行うのは、あまり好ましい行動ではありませんので、きちんとしつけをしてやめさせるようにしていきましょう。
マウンティングではなく、子犬が足や手を噛んでくるのは、遊びたい以外にも理由がたくさんあります。詳しくは、『子犬が足を噛むのはなぜ?噛み癖を治すためのしつけ方』の記事で解説していますので、手足を噛ませるのを止めさせてみましょう。
子犬のマウンティングを治す方
子犬がマウンティングをしてきた時の対処法
子犬がマウンティングをしてきたら、やめさせるようにしつけをしますが、叱ったり大きな声を出したりして制する必要はありません。あくまでも冷静に対応するようにしましょう。
- 手足にマウンティングをしてきたら、すかさず引きはがして子犬の身体を床に仰向けにし、両手抑えて動けなくします。この時強く抑える必要はなく、優しく抑えるようにしてください。痛みを与えないように気を付けましょう。
- 子犬がジタバタしているうちは、そのまま抑え続けます。大人しくなって諦めるまでは絶対に手を離さないでください。
- 抑えている間は、子犬に話しかけたり目を見たりすることはせずに、無表情で淡々と行うことがポイントです。子犬の足元に視線を置くようにするのがいいかもしれません。
- 子犬が諦めて大人しくなったのを確認できたら、手を離してしてあげます。子犬を自由にしてあげた後に、優しく頭を撫でてあげましょう。
ここで注意していただきたい点は、子犬を抑え始めたら、大人しくなるまでは絶対途中でやめないということです。もしも途中で解放してしまうと、子犬はやっぱり自分の方が強いから暴れたら離してくれたんだと勘違いしてしまいます。
次の項目では、子犬頃にあまりマウンティングをせずに、成犬になってからするようになった場合のやめさせ方を紹介していきます。
興奮や喜びの表れ
興奮状態の延長でマウンティング行動をしてきた場合は、一切反応はせずに無視をしましょう。叱ることもする必要もありません。
興奮状態の犬を叱ったところで、犬は飼い主さんが自分の興奮状態に同じように反応してくれたと喜んでしまい、叱られていることを理解せずに更に興奮してしまう可能性があります。
この場合は、「ダメ」や「いけない」など一言だけ注意をしたら、犬を自分から引き離してマウンティング行動をできないような体勢をとってしばらく無視をします。
同居の家族が居る場合には、他の家族のところへ行ってマウンティングしないように全員で無視をするとより効果的です。
この無視をして一切反応をしないことを、マウンティング行動をしてくるたびに行っていけば、マウンティングをしても飼い主さんは喜ぶどころか相手にしてくれないということに気が付き、次第にしなくなっていきます。
上下関係を誇示しようとしている場合
マウンティング行動をやめさせようとした飼い主さんに対して、唸ったり歯を剥いたような顔をして強く抵抗したりする時には、飼い主さんを下に見ている可能性があるでしょう。
この行動は、基本的なしつけができていない犬に多く見られ、ほとんどの場合飼い主さんの甘やかしが原因であることが多いです。
愛情をかけながら、時に甘やかすことは全く問題ありませんが、ダメなことはダメときちんと教えていかないと、結果的に飼い主さんが困るだけではなく、周囲に迷惑をかけてしまうことが起こるかもしれません。
必要に応じて厳しく叱ることも愛情です。しつけをきちんとしていく過程で、マウンティング行動は自然となくなっていく可能性があります。
マウンティングをやめさせるには根気が必要
マウンティング行動をやめさせるのは、実はかなり根気のいる作業になることを覚えておいてください。
興奮した時につい出てしまうマウンティング行動の場合、犬はその時冷静な状態ではなく、気持ちの高ぶりと共に無意識に出てしまう行動です。
無意識の行動をやめさせるには、何度も繰り返し教えていかなければならないのですが、興奮によるマウンティングもそうそう頻繁に出るものではありません。
繰り返し教えようと思っても、また次にマウンティング行動をした時には、前回の制止されたことを忘れてしまっている可能性もあります。
このような理由から、マウンティング行動をやめさせるしつけは、どうしても時間がかかってしまう根気のいる作業となってしまうのです。
まとめ
子犬がするマウンティング行動の意味や、早い段階でやめさせる方法に加えて、成犬になってからのマウンティングをやめさせる方法までを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
マウンティング行動自体は、犬の本能からくるものですので決して悪い訳ではないのですが、そのままにしておくと家族以外の人に仕掛けたり、他の犬にマウンティングしようと追いかけ回したりするようになってしまうこともあります。
家族内で済んでいるうちはまだいいのですが、他の人や犬に迷惑をかけるようになってはよくありませんので、なるべく早めにやめさせるようにしましょう。
ただし、先にも書いたようにマウンティング行動自体は悪い訳ではありませんので、あまり神経質にならずに、のんびり直していく位の気持ちで対処していくようにしてください。