感染症!?子猫の目やにが多い時の原因と対処法

子猫 目やに

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猫は、年齢問わず、目やにが多いことがよくあります。中でも特に子猫は、目やにが多いケースが頻発!

目やにが多くなる原因は、目自体の病気や怪我の場合と、全身性の病気のいち症状である場合があります。子猫の場合は、全身性の病気が原因のことが多く、治療のタイミングを逸すると、命を落とすことも。

あなどれない子猫の目やに。命を落とすこともあると知って不安になったかもしれませんね。その不安の解消のためには、敵を知ることが必要!ということで、今から子猫の目やにについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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子猫の目やにが多い時の考えられる原因

猫の目やに

目やに(眼脂)は、結膜などから出る粘液に、老廃物(古くなった目の細胞など)や目に入ったホコリなどが混じったものです。

つまり目やには、病気ではなくても出るもの。正常な猫の目やには粉コーヒーの絞りカスのような、赤茶色〜黒色をしています。

正常であれば、目やには、まばたきの際に涙と一緒に目頭にある涙点という穴から涙道(涙小菅→涙嚢→鼻涙管)に入って、鼻に流れるため、目に過剰に蓄積することはありません。

蓄積するとしても、寝起きに目頭に少しだけついている程度。目やにの量が多くなったり、いつもと違う色になったりした場合、それは病気のサインです。

こんな目やには要注意!

以下のいずれかひとつでも該当する場合、その目やには、何らかの異常のサインである可能性が高く注意が必要です。

  • 色が違う目やに
    正常な色(赤茶色〜黒色)とは違う色の目やに(白色、黄色、緑色など)
  • 量が多い目やに
    拭き取ってもすぐに目やにが出る、目やにで目が開きづらくなっている、透明で水っぽい目やにが沢山出る
  • 涙を伴う目やに
    涙が目の下の毛を濡らすほど出る場合
  • 目のかゆみや違和感を伴う目やに
    目を肢で掻いたり、壁や物に顔を擦り付けたりする場合
  • 目やまぶたの赤みを伴う目やに
    まぶたが腫れぼったく感じたり、目やまぶたに赤みを感じたりする場合
  • 目以外の症状を伴う目やに
    鼻水、咳、食欲不振、元気消失などを伴う場合

子猫の目やにの原因ダントツNO.1は猫風邪!

子猫が目やにを主訴に来院したら、真っ先に獣医師が疑う病気が「猫風邪(上部気道感染症)」です。猫風邪は感染している猫の目やにや涙、鼻水、唾液などを介して感染し、猫の世界で蔓延している病気。

だから、ペットショップやブリーダーの元など、多数の猫と一緒に過ごす環境で過ごしていた子猫は、猫風邪が多いのです。

さらに、猫風邪には予防接種が有効ですが、子猫の場合、まだ予防接種していなかったり、その効果が十分に出ていなかったりすることが多いのも、猫風邪が多い原因のひとつ。

猫風邪は、呼吸器感染症の総称です。その病原体は複数あり、代表的なのは、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジア(細菌)、マイコプラズマ(細菌)。これら病原体のひとつ、もしくは複数に感染することで、猫風邪を発症します。

猫風邪のいち症状として両目に結膜炎を発症し、目に入ってきた病原体を白血球が取り込んだり分解したりし、それが目やにとして排泄されます。

その結果、目やにが多くなるのです。結膜炎以外の症状(鼻水、咳、発熱、食欲不振、元気消失など)も伴い、時として命を落とすこともあります。

猫風邪については、猫風邪はただの風邪?かかった時の症状と対処法の記事で更に詳しく解説しています。

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猫風邪以外の子猫の目やにの原因

猫風邪以外で、子猫の目やにの原因として多いものを紹介しますね。

目の外傷

子猫同士や同居猫とのじゃれあい、葉の先が目に触れる、自分の肢で目を掻くなどによって、目に外傷を負うと、目やにが増えます。

細菌に二次感染して結膜炎を起こすことが多いです。当然ながら外傷を負った目にだけ発症するので、片目だけ目やにが多くなるケースがほとんど。

目への刺激

逆まつ毛、ゴミなどの異物の刺激によって目やにが増えます。刺激を受けた部位のバリア機能が低下し、細菌に二次感染して結膜炎を起こすことも。

鼻涙管閉塞・狭窄(きょうさく)

鼻涙管が塞がれ、目やにが目から鼻に流れ出なくなるため、目やにが多くなります。先天的に鼻涙管が閉塞している場合と、何らかの後天的な原因(例えば猫風邪による目やにの増加)によって詰まってしまう場合があります。

ペルシャやエキゾチックショートヘア、ヒマラヤンなどのように、鼻が短い猫種(短頭種)は、その特徴的な頭の形の影響で、鼻涙管が狭窄していることが多く、他の品種と比べて目やにが多い傾向にあります。

子猫の目やにが多い時の対処法

通院の必要性の有無

子猫の目やにの原因で最も多いのは猫風邪で、時として命を落とすこともあるというのは前述の通り。

もし命の危険がない病気だったとしても、目やにが多いまま放っておくと、目が濁ってしまい、見た目にも視力にも問題が出たり、まぶたがくっ付いてしまって目が開かなくなるなど、後遺症が残ることもあります。

一方、ホコリが入ったなどによる一過性の目やにの増加であれば、細菌感染を起こさない限り、自然に治ります。目やにが多いと一口に言っても、そのケースは様々。

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どのような場合に通院すべきなのか悩むと思いますので、通院の必要性を判断する目安をお示ししますね。

動物病院にすぐに通院すべきケース

次のいずれかに該当する場合は、すぐに動物病院に通院しましょう。

  • 2日以上、目やにが多い状態が続く場合
  • 目やにが多い状態を頻繁に繰り返す場合
  • 目やにの色がおかしい場合
  • 目やに及び多涙以外の目の症状(目の赤み、まぶたの腫れ)も伴う場合
  • 目以外の症状(鼻水、咳、食欲不振、元気消失など)も伴う場合

目やには拭きとりましょう

目やにをそのままにしておくと、毛が着色したり、皮膚炎を起こしたりすることがあります。目やにに気付いたら、綺麗に拭き取りましょう。

目やには、コットンやティッシュで簡単に拭き取れます。直接手で取るのはオススメしません。目や皮膚を傷付けるリスクと、衛生的な問題があります。

目やにがこびり付いている場合は、濡らしたコットンやティッシュを目頭にあてたまま15秒ほど待ってから拭き取ると、目やにがふやけて取りやすくなります。

ペット用のウェットティッシュや赤ちゃん用のお尻拭きを使うのも、便利でオススメです。猫風邪の病原体のひとつであるクラミジアは、時として人に感染することがありますので、目やにをとった後は、すぐに手を綺麗に洗いましょう。

涙が多くなる時の原因と対処法

涙と目やにの関係

涙は、目にある涙腺から分泌される透明な液体。次の役割を担っています。

  • 目を潤して乾燥を防ぐ
  • 異物を洗い流す
  • 殺菌酵素(リゾチーム)を持ち、細菌から目を守る
  • まぶたを動かす潤滑材になる
  • 紫外線から目を守る
  • 血管をもたない角膜に栄養を運ぶ

涙の増加は目やにの増加の原因になります。涙の分泌量が増加すると、涙によって老廃物がたくさん流れ落ちるため、目やにも増えるのです。

涙と目やにはとても密接な関係にあるので、目やにと涙が同時に多くなるケースがほとんど。ついては、涙が多くなる原因についても、簡単に紹介することにしますね。

涙が増える原因

目の下の毛が常に涙で濡れているほど涙が多い状態を「流涙症」と言います。

流涙症は目が刺激を受けて涙が多く分泌されて発症するケース(分泌性流涙症)と、涙道から涙がうまく排泄できずに発症するケース(導涙性流涙症)があります。それぞれについて、子猫に多い原因を紹介します。

  • 分泌性流涙症
    炎症(猫風邪による結膜炎など)や異物(逆まつ毛、ホコリなど)による刺激、外傷など
  • 導涙性流涙症
    鼻涙管閉塞・狭窄

涙が多いと感じたら

目にホコリが入ったなどの、一過性の症状であれば、1日以内におさまります。もし涙が多い状態が2日以上続く場合や、何度も繰り返す場合、他の症状も伴う場合は、何らかの病気の可能性が高いので、動物病院に通院しましょう。

涙を綺麗に

涙で目の周囲が濡れているのをそのままにしておくと、目やにと同様に、毛が着色したり(涙やけ)、皮膚炎を起こしたりすることがあります。

特に白っぽい毛色の子猫は着色が目立ち、見た目に大きな影響が出ます。涙が気になったら、ぬるま湯でぬらしたコットンやティッシュで綺麗に拭き取ってあげましょう。

今回は子猫の目やにを中心に解説してきましたが、成猫も同様なケースが多くあります。更に詳しく、『飼い猫に目やにが多い時に考えられる原因と対処法』の記事でも解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

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まとめ

子猫の目やにが増える一番多い原因である猫風邪。猫風邪は、予防接種によって、命に関わるような事態を回避できます。猫の予防接種は、ひとつのワクチンで複数種の感染症を予防できて、とても便利で有効です。

予防接種には理想的なタイミングがあります。そのタイミングを逃さないことが大切。まだ愛猫に予防接種していない方は、是非早めに獣医師に相談しましょう。

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