飼い猫には可愛い首輪を付けて、更に可愛くしてあげたいですよね。でも、この首輪が原因で、部分的にハゲを作ってしまうことがあるのを知っていますか?
せっかく可愛くしたつもりでも、ハゲができてしまっては猫が可哀想です。そこで、なぜ首輪が原因でハゲができてしまうのか、その理由やそうならないための予防方法をいくつか紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
目次
猫の首輪が原因で部分ハゲが多い
被毛断裂
猫が首輪をすることで起きてしまう部分ハゲの原因は、被毛の断裂にあります。これは、首輪が常に猫の被毛と擦れることにより、その刺激で被毛が切れてしまうことをいいます。
細菌の繁殖
部分的なハゲは、皮膚トラブルが原因であることも考えられます。首輪は一度装着すると、ついそのままにしてしまいがちではないでしょうか。
常に着けたままの首輪の内側には猫の皮脂やフケなども溜まりやすく、見た目には分からなくても実はかなり不潔な状態であることが多いです。
この首輪の汚れた部分に雑菌が繁殖し、その雑菌が原因となる皮膚病になってしまうことがあります。皮膚トラブルにおける症状は様々ですが、被毛が抜けることはよく見られる症状の一つです。
ストレス
ストレス性の脱毛というのも考えられます。飼い主さんから見ると可愛らしい装飾品である首輪は、猫によっては異物のように感じてしまうこともあります。
首に直接触れる部分が固かったり、締め付けられている感じに違和感を覚えたりしていることが積み重なり、ストレスを溜め込んでしまっている場合もあります。また、鈴などが付いていて動くたびに耳の近くで音が出ることもストレスの要因になることがあります。
実際にストレスで被毛ハゲがおこることもあります。詳しくは、『猫はストレスでハゲる?!猫がストレスを感じやすいこと』の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
皮膚に合っていない
首輪の材質が猫の皮膚に合わず、その首輪の当たっている部分が炎症を起こした結果、そこの部分だけハゲしてしまうこともあります。これは個体差がありますので、一概にこの材質はNGでこの素材はOKとはいえません。
その他にも、ノミ取りの薬剤が染み込んでいる首輪が原因で、部分的にハゲてしまうことも。これも、その成分が猫の肌に合わなかった結果でしょう。
猫のイメージで首輪に鈴を付けている飼い主さんも多いですが、実はそれも猫にとってかなりのストレスになる可能性もあります。詳しくは、『猫に鈴を付けるのは良くない!?猫に鈴のイメージがある原因と良くない理由』の記事で紹介しています。
首輪が原因でハゲないようにする為できること
材質を確認する
首輪を選ぶ時にはその材質をよく確認するようにしましょう。猫の皮膚は大変デリケートですので、なるべく柔らかい手触りの物がおすすめです。
実は量産されている猫の首輪の多くは、猫用とは記載されていますが犬用の首輪と同じ材料で作られていることが多いといわれています。
犬の首輪はある程度の強度が必要とされますので、小型犬用の首輪でも固い物が多く出回って、この同じ材料で作られた首輪はしなやかな動きをする猫にとっては固すぎてしまうのかもしれません。
猫の首輪は、コットン素材のような柔らかく優しい手触りで、少し伸縮性のある物がおすすめです。長さを調整する留め具の部分も、なるべく皮膚に当たらないような作りになっているものにしましょう。
首輪は清潔に
首輪の内側は猫の皮脂やフケ、埃などで意外と汚れています。この汚れを餌に雑菌が繁殖し、その雑菌が元で皮膚トラブルを起こすこともあり、その結果被毛がすっかり抜けてしまうこともあるのです。
雑菌の繁殖を防ぐためにも、首輪はこまめに洗って常に清潔を保つようにしてください。
付けたままにしない
長期間付けっぱなしにしていた首輪を外したら、既にハゲてしまっていたなんてこともよくあります。長時間首輪を付け続けているということは、常に同じ場所が首輪で擦れて刺激を受けていることになります。
いくら柔らかい材質の首輪であったとしても、長年の刺激により被毛が切れてハゲてしまうこともあるのです。首輪を使用するのであれば、付けたままにはせずに意識的に外す時間を設けるようにしましょう。
アレルギーの可能性
ノミやダニ除去の効果がある首輪の成分が猫の肌に合わず、それが原因でハゲてしまうこともあります。そのような首輪を付けた時には、皮膚の様子を必ずチェックするようにしましょう。
猫が首輪の辺りを痒がるような仕草をしたり、皮膚が赤くなったりしているようでしたら、その成分に対してアレルギー反応を起こしているのかもしれませんので、念の為使用は中止するようにしてください。
猫にとって首輪は必要かどうか
首輪の必要性を考える
ここまで猫への首輪装着が原因で部分ハゲができてしまう原因などについて紹介してきました。それも踏まえたうえで、果たして猫への首輪は必要なのでしょうか?
首輪を付けることで起こるメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきますので、ご自分の生活や環境を考慮して、自分の飼い猫にはどうすることが一番なのかを考えてみてください。
首輪のメリット
猫へ首輪を付けるメリットは以下の通りです。
迷子対策
外と室内を自由に行き来している猫は、野良猫とのテリトリー争いに負けてテリトリー外に追いやられ迷子になってしまうこともあります。完全室内飼いの猫も、うっかり脱走させてしまうこともあるでしょう。
迷子になった猫を探す時には、首輪は分かりやすい目印にもなりますし、運よく保護された時には首輪に記載してある連絡先が役に立ちます。
事故などにあった時
猫が自宅外で万が一事故などにあってしまった時には、首輪をしてそこに連絡先が記載してあれば、保護をしてくれた人から連絡をもらうことができます。
事故だけじゃなく何か予期せぬことが起きた時にも、首輪に連絡先が書いてあれば知らせを受け取ることが可能となります。
鈴の音
猫は人が思いもよらないところに入り込んだりすることがあります。そんな時に鈴付きの首輪をしていれば、動いた時に聞こえる鈴の音で猫の居る場所を知ることができて便利です。
飼い猫だと分かる
最近では、野良猫を保護する活動が盛んに行われています。野良猫をこれ以上増やさないためにも、捕獲をして避妊や去勢手術を施す活動をしている団体もあるほどです。
このような団体は、首輪をしている猫は飼い猫の可能性がありますので、基本的に捕獲はしません。
首輪のデメリット
一方で首輪を付けるデメリットには、怪我をするおそれのあるものが多いです。
タスキ掛け事故
首輪をする時には、あまりきつくし過ぎてはよくないので少し緩めに付ける飼い主さんが多いと思います。すると、何かの拍子で首輪がタスキ掛けになってしまうことがあります。
すぐに気が付いて外してあげれば何の問題もありませんが、そのままの恰好でいると猫はどうにか首輪を外そうともがきますので、関節を痛めてしまうことがあります。
これが外にいる時に起きてしまうと、身動きが取りにくい状態なので、車や自転車が絡む事故に繋がってしまうかもしれません。
猿ぐつわ状態
猫は毛づくろいを日課にしています。この最中に、首輪が口に引っかかってしまうこともよく起こってしまいます。これもすぐに気が付いてあげればいいのですが、そうでない場合には怪我に繋がる可能性も否定できません。
物に引っかかる
猫はジャンプなどの動きを含めた上下の動きを好んでします。この時に首輪が何かに引っかかってしまうと、命にかかわるような事故に繋がりかねません。
強い力がかかるとロックが外れるタイプの首輪をしていれば、この心配はなくなりますが迷子札の意味もなくなってしまいます。
そして、この首輪を引っかける動きをする猫は、何故か同じことを何度もしてしまうことが多いです。おそらくジャンプをする時に、物との距離が近いのかもしれません。
これはそれぞれの猫が持つ癖ですので、首輪がいくつあっても足りないという話も時々耳にします。
ストレスを感じてしまう
首輪そのものが猫のストレスになることもあります。常に首に異物が付いているという違和感や、動くたびに鳴る鈴の音が耳に付いてストレスを溜め込んでしまい、下痢などの体調不良を起こす猫もいるのです。
特に猫はストレスを感じやすく弱い生き物です。できるだけ可愛い飼い猫にはストレスのない環境を作ってあげたいですよね。
猫にとってストレスになることや、ストレスフリーな環境を、『猫がストレスを感じた時の行動とは?ストレスフリーな生活をさせる為にできること』の記事で更に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
首輪が原因でハゲができてしまう原因と、その予防法をいくつか紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
猫の首輪には、メリットとデメリットの両方があります。デメリットのなかには怪我を伴うものが多いので、本当に首輪が必要なのかを考えるきっかけにしてみてくださいね。