犬が皮膚病になる原因と対処法を解説!犬が痒がっていたら要注意!

犬 皮膚病

 

犬の皮膚病と言っても、その種類は沢山あります。

外に出かけることが多い為、散歩の途中でノミやダニに刺され、挙げ句の果てにそれらのアレルギーになったり、細菌や真菌(カビ)に感染して炎症が起きたり、最近では圧倒的にアトピー性皮膚炎の犬が増えています。

犬の場合、皮膚病で痒みが出たりすると、そこを”これでもか”という程舐めたり、引っ掻いたり、出血までしたりしていることが多いです。

気がついたらすぐに病院に連れて行かないと、殆どの場合、二次的な問題が出てきます。しばらく様子を見ていたり、飼い主さんの独自の判断でのケアは、結果的に皮膚の症状を複雑にして、治療を困難にしてしまうことがあります。

どうして皮膚病を複雑にしてしまうのか、どうして治療が難しくなるのか、そんなポイントに注意しながら病気の種類を説明していきますので、愛犬の皮膚病に悩んでいる飼い主さんはぜひ参考にしてみてくださいね。

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犬の皮膚病の原因

皮膚病の原因は、珍しいものからよく遭遇するものまで、多種多様ですが、代表的なものは以下の5つになります。

  • 感染性
  • アレルギー性
  • 自己免疫性
  • 腫瘍
  • その他

まずは上記の病気の具体的な内容を見てみましょう。

感染性

感染性と言っても、原因は1つだけではありません。その中でも、感染症は3つに分類できます。

  • 外部寄生虫感染
  • 細菌感染
  • 真菌感染

外部寄生虫感染

外部寄生虫感染は、皮膚の表面に寄生している場合と皮膚の中に寄生している場合があります。

殆どの場合、痒みと脱毛、また痒みによる自傷(自分で引っ掻いたり、舐めたりして、傷つける)を行なって、出血して、そこから細菌などの二次感染が始まることも多いです。

ノミ

人間も刺されると痒みが出るノミですが、現在はイヌノミよりネコノミが犬に感染している場合が多く、冬でも室内が暖かい為、一年中感染のチャンスがあります。

ノミアレルギーを発症すると、痒みと共にお尻周りや背中が脱毛して、発疹が見られます。ノミからは瓜実条虫が感染します。

マダニ

茂みに入れば必ずついて来るとも言えるマダニも、一年中注意が必要です。吸血したマダニはあずき粒よりも大きくなり、痒みが出て、こちらもダニアレルギーになる場合があります。

犬はバベシアという赤血球に住む寄生虫、人間は重症熱性血小板減少症(SFTS)を発症するウイルスなどが感染する可能性があるので、特に要注意です。

犬のノミ・ダニ対策については、『犬のノミ・ダニ対策!ノミを見つけた時の対策と予防方法!』の記事で更に詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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疥癬

ヒゼンダニの寄生で起こる皮膚炎は非常に痒く、ダニは皮膚に穴を掘って生活しています。

多くの場合、耳介と呼ばれるピラピラした耳たぶの辺縁に垢のような塊が付着しているので、それを顕微鏡で覗くと、小さなダニが見つかります。

全身に寄生しており、発疹やフケ、脱毛が見られ、あちこちを搔きむしり、出血して二次感染を起こします。人間も注意が必要です。

毛包虫(ニキビダニ)

幼犬に多いニキビダニは、毛包の中に住んでおり、痒みは特にひどくはありません。

皮膚に普通に存在している(常在)ダニですが、免疫力の低下によって多く増えてしまって脱毛したりすることがあります。

耳ダニ

耳の中に寄生するダニで、痒みが出ます。特徴的な耳垢(黒っぽい、ポロポロした性状)が出ます。

耳の周りなども掻きむしって出血し、そこから二次感染を起こしたり、痒さのあまりに首を振ったりして、垢が飛び出すことがあります。

細菌感染

環境のどこにでもいる細菌は、人間にとっても身近な感染源ですが、当然犬も同様に細菌感染を起こします。代表的な皮膚病は以下の2つになります。

膿皮症

人間の皮膚と同様に、犬の皮膚には常在菌と言われる普通に存在している細菌がいます。幼犬や免疫力の低下などで、皮膚のバリア機能(皮膚を守る力)も落ちていると、この常在菌が極端に増えてしまうことがあります。

ブドウ球菌が主な原因菌で、痒み、赤み、発疹、フケ、脱毛、などが見られます。顔、脇、四肢末端、お腹から陰部の周囲、などに発症することが多く、大抵、犬は舐めたりして、症状を悪くしてしまいます。

ホットスポット

名前の通り、皮膚のどこか一部に赤く、膿でベタベタした、多くは脱毛をしている部分が見られます。病変部は非常に痛々しいので、触ると嫌がることがあります。

何らかの原因で痒みがあった際に、”急に”しかも”極端に”搔きむしっって(或いは舐めて)しまった結果、細菌感染してこのような状態になります。

掻きむしって、更にひどくしないように、早急に処置をしてあげなければなりません。

真菌感染

一般的に、犬を含むペットは細菌感染と同様に真菌(カビ)感染も多いです。代表的なものは以下の通りです。

皮膚糸状菌症

人間にもうつる可能性のある皮膚糸状菌(カビ)が原因の皮膚病です。例えばすでに感染している動物に直接接触した場合などに感染が成立します。

菌は皮膚や毛、爪に感染し、顔や四肢に症状が出ることが多く、円形に脱毛や赤くなることが特徴でフケも出ますが、かゆみは多少ある程度です。

特に抵抗力の低い子犬や、病気療養中などの犬は発症しやすいです。放置していると皮膚病の範囲が広がり、環境にも菌が拡散されますから、早めに受診をしなければいけません。

マラセチア性皮膚炎

マラセチアという瓢簞のような形の真菌(酵母菌の仲間)が原因の皮膚病です。

マラセチアは犬の皮膚に常在していますが、抵抗力が落ちた状態(特に免疫抑制剤などを使っているなど)や、アトピー性皮膚炎、ホルモンに関係する内分泌系の病気などがあって発症することが多いです。

痒み、脂漏(しろう、脂っぽい)、脱毛、フケ、舐めこわし(痒みの為)、色素沈着、肥厚(皮膚が分厚くなる)、臭気(特徴的な臭いを放つ)、などの症状が出ます。

外耳炎を併発していることが多く、耳の中で増殖して黒くしっとりした耳垢が出ます。

アレルギー性

アレルギー性皮膚炎は、現在、多くの犬と飼い主が戦っている病気のトップとも言えるほど、問題を抱えている犬が多いです。その主な 2つについて説明します。

アレルギー性皮膚炎(食物性)

犬にも食物アレルギーがあることはわかっており、フードの原材料や添加物がアレルギー原因物質(アレルゲン)で、体が過剰に反応し、皮膚に痒み、赤み、などが出ます。

発症は季節に全く関係なく、長期間同じフードを食べていたことが原因で、この病気の犬の3割ほどが、1歳以下で既に診断されています。

痒みがある為、皮膚を舐めたり、搔き壊しをして、細菌感染(二次感染)が起きたり、色素沈着や脱毛、脂漏(脂っぽい)が進みます。

外耳炎も併発することが多く、殆どがマラセチア性外耳炎です。皮膚以外の症状では、消化器症状(嘔吐や下痢、排便回数の増加、おなら)、なども見られることがあります。

アトピー性皮膚炎

人間と同様に、この病気は遺伝的な体質が関係しており、環境にあるアレルギー原因物質(アレルゲン)を吸い込んだりすることによって発症します。

アレルゲンの例としては、花粉、かび、ハウスダストなどですが、健康な犬は、これらを吸い込んでも体は過剰反応を起こすことはありません。

一方、アトピー体質の犬にとっては、これらは非常に危険なアレルゲンとなります。生後6ヶ月から6歳ごろまでに発症(多くは1歳から3歳までに発症)すると言われています。

主な症状は、季節性の皮膚の痒み、赤み、などから始まり、時が経過すると共に頻繁に症状が出てきます。

顔、耳、脇の下、四肢末端、脇腹、足の付け根の内側(鼠蹊部)、などに痒みが集中し、舐めたり、引っ掻いたりすることで、二次感染を起こし、更に症状を悪くしていきます。外耳炎や結膜炎を合併していることもあります。

特に、以下の犬種を飼っている方は要注意です。

  • ボストンテリア
  • フレンチブルドッグ
  • パグ
  • トイプードル
  • 柴犬
  • コッカースパニエル
  • ラブラドールレトリバー
  • ゴールデンレトリバー
  • ミニチュアダックスフンド
  • ジャーマンシェパード
  • ミニチュアシュナウザー
  • ウエストハイランドホワイトテリア

自己免疫性

普通、体は免疫システムが正常に働いていれば、外部から入ってきた病原体と戦うことで体を守ってくれますが、自己免疫性の病気は自分自身を”病原体”と勘違いして攻撃してしまいます。

色々な自己免疫疾患がありますが、特に自己免疫性皮膚炎では症状が皮膚に出ます。珍しい病気ではありますが、ここでは代表的なものを2つ紹介します。

天疱瘡

天疱瘡は原因不明ではありますが、遺伝的な要素、紫外線、薬剤、などが関係しているとも言われており、以下の4つに分類されています。

  • 落葉状
  • 紅斑性
  • 尋常性
  • 増殖型
落葉状

落葉状は天疱瘡の中でも一番多いタイプです。

症状は、かさぶた、赤み、痒み、膿疱(膿が溜まったブツブツ)、潰瘍(表皮が粘膜より深く欠損)、などが、鼻、目、耳、肉球に最初にできて全身に広がり、口腔粘膜や唇にも症状が出ることがあります。

肉球がひび割れた状態になることもあり、症状が出た部分に二次感染を起こすことが多いです。遺伝的に秋田犬やチャウチャウに発症しやすいと言われています。

紅斑性

このタイプは、落葉状と比較すると少し症状が軽い天疱瘡です。

  • ジャーマンシェパード
  • シェットランドシープドッグ
  • コリー

上記の犬種に多いとされています。目の周り、鼻、耳に症状が出ることが多く、水疱、膿疱、かさぶた、ひび割れ、などが現れます。

尋常性

天疱瘡の中で一番症状が重篤なタイプで、犬では珍しいです。

粘膜部位(口、肛門、生殖器、結膜)や粘膜と皮膚の接合部(爪の付け根、唇、瞼など)に、潰瘍やびらん(表皮が粘膜部まで欠損)が形成されます。皮膚の症状以外では、元気が無くなったり、食欲不振になったりもあります。

増殖性

犬には珍しく、膿疱や水疱(水ぶくれ)が顔にできますが、口は一般的に問題がないことが多いです。

エリトマトーデス

エリトマトーデスは紅斑(赤くなる)を意味しますが、自分の細胞にある核を自分で攻撃してしまうことで発症します。

皮膚に症状が出るものと、全身に出るものの2つがあり、以下のようになります。

  • 円板状エリトマトーデス
    鼻の白斑(白く色が抜ける)、赤み、かさぶた、潰瘍、水疱、などが特徴です。唇や耳にも同じような症状が出ることがあります。
  • 全身性エリトマトーデス
    皮膚の症状は軽症であることが多く、顔面や耳、四肢末端の潰瘍や水疱、かさぶた、などが形成されたり、赤くなり、脱毛することがあります。
    これ以外に、発熱、腎不全、多発性関節炎、貧血、リンパ節の腫大、肺炎、など、様々な症状が考えられます。コリーや、シェットランドシープドッグ、ジャーマンシェパードに多いと言われています。

腫瘍

腫瘍には良性と悪性がありますが、ここでは皮膚にできる悪性腫瘍で最もよく見られるものを紹介します。

肥満細胞腫

皮膚にできる悪性腫瘍で、犬では一番多いと言われています。高齢になって発症することが多く、以下の犬種もなりやすいです。

  • ボクサー
  • パグ
  • ボストンテリア
  • ラブラドールレトリバー
  • ゴールデンレトリバー
  • ワイマラナー
  • ビーグル
  • チャイニーズシャーペイ

お尻の周り、四肢、体幹部(胴体部)、などにできることが多く、1つであることが殆どですが、多数の場合もあります。硬い、柔らかい、赤い、脱毛している、潰瘍になっている、など、性状は一定ではありません。

その他

ここまでで紹介してきた皮膚病の中で、よく見られるものを紹介します。

舐性皮膚炎

犬が体を舐めることは当たり前ですが、傷があったり、虫刺されがあったり、犬にとって精神的なストレスから自分の体の一部をよく舐めてしまい、結果的に脱毛、赤み、皮膚が硬くなる、などの問題が起きてくることがあります。

多くは四肢に、まるで腫瘍ができたように見えます。特に、一人ぼっちのことが多く、退屈をしていたり、不安がっている犬は注意が必要です。

甲状腺機能低下症

甲状腺という器官は、いわゆる活力を維持するための器官ですが、甲状腺萎縮などの原因でここから分泌されるホルモン(甲状腺ホルモン)が不足してくると、元気がなくなり、太って来たり、など、体のあちこちに異常が出てきます。

その中で、皮膚病として勘違いしてしまう症状が、膿皮症です。皮膚のあちこちに発疹が出たり、脱毛して痒がります。

飼い主さんは皮膚病と思って来院されて、いきなり甲状腺ホルモンの検査をすすめられてびっくりすることがあります。中年から高齢の犬に多く発症しますが、若い犬でも可能性があります。

(参考文献 Small Animal Dermatology Second edition by SAUNDERS Clinical Dog Advisor Dogs and Cats Second Edition )

犬が皮膚病になった時の対処法

残念ながら飼い主さんの判断では何もできません。

皮膚に少しでも異常と思われることを発見した場合には、すぐに受診をして下さい。その理由を説明します。

すぐに受診を勧める理由とは

痒みがある場合、大抵、翌日には皮膚の状態は引っ掻いて悪化しています。シャンプーなどをすると、被毛や皮膚に付着している原因かもしれない病原体などが洗い流されて、検査が正確にできません。

病原体が原因である場合、様子を見ている間に病原体が増え、症状が悪化する可能性もあります。場合によっては、飼い主等の人間にも問題が出るかもしれません。

万が一、何かのアレルギーであった場合、アレルゲンのある環境に治療なしで様子を見ていることは、症状の悪化が懸念され、犬のストレスにもなります。

また、傷やできものなど、全て舐めて悪化させる可能性が高いのです。皮膚に異常が表れた時は絶対に待っている暇はありません。

まとめ

犬によく見られる皮膚病について説明しましたが、症状も様々、治療法も様々です。

寄生虫や細菌類、真菌類、などの感染症が原因である場合には、多くの場合は薬剤で完治しますが、アレルギーなどの問題は生涯の治療が必要になります。

病気の内容をしっかり理解していないと、折角、症状が落ち着いて来ても、振り出しに戻ってしまうことがありますから、くれぐれも注意して下さい。

皮膚の症状だから今すぐでなくても平気、と待っている暇はありません。少しでも早く受診をして、獣医師のアドバイスを聞きましょう。

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