猫ちゃんをシャンプーした後「ドライヤーで乾かす必要はないでしょ」と思われてる飼い主さん、本当にそれでいいのでしょうか?
確かに猫ちゃんは上手に毛繕いして乾かしますよね。でも、だからといって放っておいて大丈夫なのでしょうか?
また、ドライヤーをかけようとオンしてみたら超特急で逃げられてしまったなんて経験はありませんか?
今回は上手く飼い猫にドライヤーをかけられない飼い主さんへドライヤーの正しいかけ方を詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
猫にドライヤーをかける正しい方法
そもそも猫は聴力が非常に優れています。五感の中では一番優れていると言われており、猫の聞くことができる範囲は人間のおよそ三倍とも言われています。
低い音は人間とさほど違わないのですが、人間には聞こえない高い音も聞き取れる事ができるのです。
これは野生の時に獲物を捕らえるためだったり、天気の急変を早く察知するために聴力が発達したと言われています。
ネズミ捕りをして人間と暮らしてきた猫はこの野生の気質が色濃く残っているのです。ドライヤーをかけた途端に猛ダッシュする猫の秘密は、野生の気質が残っているからこその事だったのですね。
ドライヤーは必要
元々が砂漠出身な猫は体が水に濡れて、気温が下がる夜に低体温で死んでしまう可能性がある事を本能で知っているので、水に濡れる事を嫌がるのです。
飼い主さんが洗ってあげる環境では低体温になる事はないにしても、猫をシャンプーした後に濡れたまま放置してしまうと、特に冬場は風邪を引いてしまうこともありますし、ひどければ肺炎になってしまう事もあります。
また、暑い夏は蒸れて皮膚炎になってしまう事もあります。
長毛猫は必須
毛が長いタイプの長毛猫。例えばメインクーンやノルウェージャンフォレストキャットなどの猫はふわふわした毛が独特な手触りで人気ですね。
この長毛の猫はお水が付いたまま放置すると、乾かなくて風邪を引いてしまうばかりではなく、がっちりした固い毛玉になってしまうのです。
シャンプー後は必ずドライヤーをかけ、ブラッシングしましょう。
猫のブラッシング方法については、『毛玉対策は必須!猫のブラッシングを正しくする方法!』の記事で詳しく解説しています。
ドライヤーに慣らす
猫にとってドライヤーは私たちが聞いている以上にうるさく感じている事は、先ほどの説明でおわかりいただけたでしょう。
そういう事からも、まず猫にドライヤーをかける場合は子猫の時から慣らす事が基本です。
逃げようとはするけれど、暴れないくらいまでに慣れてもらわないと、猫にドライヤーをかける事はなかなか難しいです。
ブロー(ドライヤーで乾かす事)をする
猫のシャンプーが終わったら、いよいよブローです。簡単に手順をご紹介します。
- 優しく絞ってしっかり水を切りましょう
- タオルを使って水気を拭き取ります
- ドライヤーを当てながら手で大まかに乾かしていきます
- スリッカーブラシを尾の付け根から毛を持ち上げて根元から乾かします
- 背中が乾いたら横腹、胸を乾かします
- お尻・お腹・顔・足・尾を乾かしていきます。
具体的にブローの仕方がおわかりいただけるような動画をご紹介しましょう。プロの方は上手ですね。猫もおりこうさんです。
猫にドライヤーをかける時の気をつけたいこと
シャンプーは猫も飼い主さんも大変ですよね。その後のブローですからバタバタと大変な思いをしないように、あらかじめ準備しておいた方が良い物があります。
先ほどご説明した手順の細かな注意点についてもご説明していきましょう。
両手が使えるように
ご家族の方のお手伝いがあれば良いのですが、一人で猫にドライヤーをかける場合には、両手が使えるようにドライヤーを設置できるスタンドを購入しておくと良いでしょう。
吸水性の良いタオル
ドライヤーをかける時間を短縮できるので、しっかりタオルドライしてあげると良いです。吸収性の良いタオルは普通のタオルを使うより楽に拭き取る事ができます。
終わってからの洗濯も少なくなるのでおすすめですよ。
ドライヤーの温度
ブローする時の温度ですが、気を付けないと火傷をさせてしまうことがあります。猫に触りながらご自分の手に風を時々当てましょう。こうすれば猫が熱くないか確認できますよね。
この時のポイントですが、ドライヤーの送風口と猫の距離です。早く乾かしてあげたいところですが、近づけ過ぎないようにしましょう。
そして、一か所に延々と温風が当たると火傷をさせてしまう事がありますので注意しましょう。
スリッカーブラシの使い方
先ほどのご紹介した動画でトリマーさんが使っているブラシをスリッカーブラシと言います。これはハードタイプとソフトタイプがあります。
このブラシは細い針金状になっていて、ハードタイプは文字通りは固くて扱いが難しいので、初めて使われる方にはソフトタイプの小さめの物をお使いになる事をおすすめします。
使い方にはコツがあって、毛を片手で持ち上げて毛の根元の毛に引っかけて皮膚から離していくように毛をとかします。
皮膚に沿ってブラシを入れてしまうと引っ掻いて傷になり、猫も痛がるので気を付けましょう。
ブローする順番
手順として猫をブローする場所の順番をご説明しましたが、ここでも注意が必要です。
乾かし忘れがないように一か所ずつを重点的に乾かしてはいくのですが、猫のご機嫌を伺いながら違う所と交互に乾かすなど工夫しましょう。
猫が嫌がる場所
猫が触られる事を嫌がるポイントというのが、手順の6にあるお尻、お腹、顔、足・尾です。
それぞれの猫で嫌がるポイントの度合いが違ってくるので、お尻を一番嫌がるようでしたらお尻を最後にして、他の場所を先に乾かしてあげると良いです。
そうする事である程度は自然に乾きますし、最後まで猫も機嫌も保てるのです。
ドライヤー以外で濡れた猫を乾かす方法
「シャンプーまではなんとか。でもうちの猫はドライヤー断固拒否!」なんていう飼い主さん、また「押さえてブローする時間を短くしたい!」と思われる飼い主さん、朗報ですよ。
そんな場合の対処法もご紹介していきましょう。
オートブロー
猫の専門店も現在では珍しくなくなってきましたね。猫を知り尽くした専門家の方はシャンプーした後、猫をケージに入れてドライヤーを当てておきます。
これは猫の毛をある程度まで乾かす事も目的ではあるのですが、人にいじられる時間を短縮できるばかりではなく、猫にブロー前にインターバルを取ってもらうという意味もあるのです。
最近ではBOX型ドライヤーというペット専用の乾燥機がペットショップでよく取り入れられています。
ご自宅でもプラスチック製の固いキャリーバッグでしたら応用可能ですよ。ただし、猫が暑くなり過ぎないようにドライヤーとの距離には注意が必要ですし、熱中症にならないように必ず様子を見ながら行いましょう。
ファンヒーター
冬場に部屋を暖める暖房器具の一つにファンヒーターがあります。風が出てきて部屋を暖めるので、弱いドライヤーになってくれます。
温かい所が大好きな猫はファンヒーターの前で毛繕いしている間に乾いてくれます。
こたつ
冬になると定番だったこたつ。最近ではこたつをしているお家が少なくなっているようですが、猫には大人気なので愛猫家の方はもしかしたらあるかもしれませんね。
ご自宅にこたつがある場合はこれも利用できます。猫の水気をしっかり拭き取ったら、こたつに入っていてもらいましょう。
日向ぼっこ
夏の日差しが届く出窓などがあれば、そこを利用しても良いでしょう。時間はかかりますが猫にとってはお日さま大好きですから、ご機嫌でいられますね。
ただし、天気予報はしっかりチェックする事をお忘れなく。お日さまが落ちるまでに乾くように時間に余裕を持ってシャンプーしましょう。
布団乾燥機
ドライヤーの音が大きくて怖がって嫌がる猫には、音がそこまでうるさくない布団乾燥機が使えます。
ドライヤーに比べて熱くなく、蛇腹部分を固定する事ができるのでピンポイントで当てる事も全体的に当てておくこともできます。両手を使って乾かせるという点でも便利ですね。
猫をお風呂に入れる必要がある頻度については、『猫をお風呂にいれる頻度はどのくらい?おとなしく入れる為にできること』の記事で紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
まとめ
猫は逃げる天才。洗面所など仕切られた空間をうまく利用すると「ブロー中に逃げて隠れられてしまった」なんて事にならずに済みますよ。
また猫も高齢になってくると疲れやすかったり、抵抗力が落ちてしまうことがあります。ストレスとなりそうな要因の事は避けてあげることも重要だと思います。
無理に行わず、できる範囲で猫ちゃんの生活をサポートしてあげてくださいね。