基本的に猫はトイレのしつけを繰り返ししなくても、子猫でもすんなりと覚えてくれる動物です。
一度覚えると、きちんとその位置でしてくれますので、トイレに関しては手のかからないのが一般的と言われています。
ところが、何かのきっかけで粗相をするようになってしまい、飼い主さんを悩ませる猫も実は多いです。なぜ粗相をするようになってしまうか。原因はどんなところにあるのか、詳しく紹介していきますね♪
目次
飼い猫が粗相してしまう原因
トイレが気に入らない
トイレの大きさや、使用しているトイレの素材が気に入らない時などに粗相をするようになる子は多いです。
トイレの素材は、固まるタイプの砂や、おしっこが下のシーツに染み込むチップタイプの物など様々販売されていますが、踏んだ時の感触や音などにも猫は敏感ですので、新しい商品が出たなどの理由で、急に違う素材の物に変えるような事はしないでください。
また、猫は綺麗好きなので、トイレが汚れていると嫌がってトイレ以外の場所で排泄をしてしまいます。トイレは常に綺麗にしておいてあげてください。
それ以外にも、トイレが設置してある場所自体が、猫にとっては嫌な場合もあります。人が頻繁に通るような場所に設置するのは避けましょう。
生活環境の変化
引越しや部屋の模様替えも、猫が粗相をする原因になりやすいです。猫は家になつくと昔から言われているように、引越しは猫にとっては大事件でパニックになる猫もいます。
引越し時の猫のストレスについては、『引っ越しは猫のストレスも最大!愛猫の為に引越し時に気をつけておきたい事』の記事で詳しく解説しています。
その他には、飼い主さんに赤ちゃんが産まれたり、新しい子猫を迎え入れたりした時にも粗相をする猫が多いです。
トイレの最中に嫌な経験
トイレをしている最中に、何か嫌な事が起きた後には粗相をする猫がいます。例えばトイレ中に、偶然側に何かが落ちてきてとても驚くなど、偶然の出来事だったとしても、猫からしてみるとここは嫌な場所と覚えてしまい、違うところで排泄するようになってしまうのです。
分離不安症の猫
飼い主さんへの依存が強すぎる猫は、一人で留守番をしている時などは、飼い主さんと離れている事が不安で仕方が無く、飼い主さんの布団やお気に入りのクッションの上などに排泄してしまいます。
分離不安症の兆候がある猫を調べてみると、その70%近くはトイレ以外での排泄してしまった経験があるのです。
高齢
高齢の猫に出てくる症状ですが、痴呆や疾病の可能性がある場合です。トイレの場所が分からなくなってしまったり、泌尿器系の病気で粗相をしてしまったりする事もあります。
高齢になってから急に粗相をするようになったら、一度動物病院に診てもらう事も視野にいれておいてください。
スプレー行動
粗相をする猫が去勢手術前の雄で、近くに雌猫がいる場合にはスプレー行動の可能性もあります。これは本能的な行動なので、飼い主さんには止める術はありません。
交配相手の雌猫に、自分の存在をアピールする為のスプレー行動ですが、この時のおしっこは通常の物よりもアンモニア臭が強い為に匂いを完全に取り除くのは難しい場合があります。
粗相をやめさせる!飼い主ができる対策
絶対に怒らない
トイレ以外の場所で粗相をしてしまうと、どうしても怒りたくなりますよね。でも、どうか怒らないであげてください。
粗相をした事をきつく怒ってしまうと、今度は飼い主さんの目の届かないところでするようになるだけで、何の解決にもなりません。
トイレの素材を変える
もしも今まで使用していたトイレ素材を変えたのだとしたら、元に戻してみてください。飼い主さんの利便性や、購入費などを踏まえて変えたのかもしれませんが、猫が粗相をしてしまうようでは、余計な手間や負担がかかってしまいます。
また、トイレの大きさですが、最低でも猫がトイレの中でくるりと一周できる位の大きさは確保してください。
トイレの場所を変える
トイレの場所を変えてみましょう。人がよく通る廊下や、洗濯機の横なども猫にとっては落ち着かない場所です。老齢猫がいる場合には、寝床に少し近づけてあげるのもいいかもしれません。ただし、食事をする場所からは離すようにはしてくださいね。
カバー付きのトイレはやめる
トイレがすっぽり隠れるカバーの付いているトイレがありますね。おそらく飼い主さんの気持ち的には、匂いなどが部屋に充満してこないようにそれを選んだのだと思います。
でも、猫からしてみると、特に夏場は中に匂いや熱気がこもってあまり気持ちのいい物ではないのかもしれません。そのタイプのトイレに変えたら粗相をするようになったという話をよく聞きます。カバーだけ取り外す事が出来る筈ですので、一度外して使用してみてください。
トイレ掃除はこまめに
とにかくトイレは綺麗な状態を保つようにしてください。排便のあとはすぐに片付けるようにし、固まるタイプの砂を使用しているのであれば、固まった部分もすぐに取り除きます。
粗相の匂いは完全に消す
粗相をしてしまった場所の匂いは、消臭剤などを使用して完全に消すようにしてください。猫は自分の排泄物の匂いがするところには、そこがトイレでなくても再び排泄をしてしまいます。
匂いが完全に消しきれていない可能性がある場合には、当分の間はそこには入れないようにするか、何か物を置いてしまうなどの対処をしてください。
トイレの数を増やす
思い切ってトイレの数を増やすのもいい手段です。猫のトイレの数は、飼っている猫の数プラス1個が理想となっています。つまり1匹しか猫を飼っていなくても、トイレは2つ置いてあげるのが理想という事です。
猫の多頭飼いのご家庭では、いくつもトイレを設置するのは場所的な問題も出てくるかもしれませんが、猫とはそういう動物だという事を理解してあげてください。
去勢手術をする
完全室内飼いの雄猫で、雌猫が近くに居ない環境での飼育だったとしても、窓の外に繁殖期の雌猫がくれば室内でスプレー行動をしてしまいます。
将来的に子どもを産ませる予定がないのであれば、病気予防にもなりますし、スプレー行動もなくなりますので、適切な時期に去勢手術を受けさせましょう。
オス猫の去勢については、『猫の去勢手術はいつがベスト?気になる費用の相場や流れ』の記事で詳しく解説しています。
生活環境を見直す
トイレの場所や素材などを見直しても粗相が治らない場合には、何かしらのストレスを抱えているのかもしれません。飼い主さんが結婚をしたり、赤ちゃんが産まれたりして家族が増えた場合には、猫を取り巻く環境も大きく変わります。
その他にも、子猫を新しく迎え入れた時にも同じく環境は変化するはずです。
それまでは独り占めしていた飼い主さんが、自分だけのものでなくなったのを見て猫はストレスを感じてしまいます。そんな時は、わざと粗相をして飼い主さんの気をひこうとしているのかもしれません。
もしも飼い主さんの気を引こうと粗相をしているのでしたら、猫が粗相をした場所を掃除する時には、猫の方は一切見ずに黙って掃除をします。その後しばらくは猫には構わずに、一定の時間が過ぎたら充分に構ってあげてください。
これを繰り返していけば、粗相をしても飼い主さんの気を引く事は出来ないんだと猫は気が付きます。それと同時に、猫が満足のいくまで構ってあげる時間をきちんと取るようにしていけば、ストレスからの粗相はなくなっていくでしょう。
飼い猫が粗相した時の臭いや、トイレの臭いを消す方法を、『猫のトイレが臭いのを抑える方法!これでニオイに悩まない!』の記事で詳しく解説していますので、臭いに悩んでいる飼い主さんはぜひ参考にしてみてください。
まとめ
猫が粗相をしてしまう原因や、その時の対処法をいくつか紹介しました。飼い主さんからしてみると、「えっ、こんな事で?」と思うような原因もあるかもしれません。でも猫にとってみれば、とても重要な事なんです。
対処法にしても、多少の手間は必要かもしれませんが、どれもこれもそんなに難しい事ではないと思います。
粗相をされてしまうと、猫も飼い主さんもお互いにストレスが溜まってしまいますので、猫の気持ちになって出来る事から改善していってあげてください。