春先になると蜂が飛んでいるのを見掛けるようになりますよね。自分が刺されるのはもちろん嫌ですが、犬や猫が刺されてしまっても困ってしまいます。
もしも犬や猫が蜂に刺されてしまったら、どうしてあげればいいのか知らない方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、犬や猫が蜂に刺されてしまった時に、まずは何をしてあげればいいのかを紹介していきますので、いざという時に慌てなくて済むように、是非参考にしてみてくださいね。
目次
飼い猫や飼い犬が蜂に刺された時の対処法
刺された場所を確認
蜂に刺された場所は、赤く炎症を起こしていますのでますはその場所をよく確認します。もしも蜂の針が皮膚に残っていましたら、それを取り除くのが先決です。
蜂の針には毒の入った毒嚢があり、針が刺さったままですとそこからどんどん体内に毒が注入されていってしまいます。
針を抜く時には、指で取ろうとすると小さな針を逆に奥に押し込んでしまう恐れがありますので、毛抜きやトゲ抜きなどを使用して針の根元から静かに抜くようにしてください。
毒は水で洗い流す
蜂の毒は水溶性ですので、針を抜いた後は流水をよくあてて毒を洗いながしましょう。
また、冷たい水で刺された場所を冷やすことで血管が冷やされ、血の巡りが少し緩やかになりますので、蜂の毒が全身に巡ってしまうのを遅らせる効果が期待できます。
民間療法のなかには、蜂の毒はアンモニアで解毒できるという話が昔から伝えられていて、刺された場所におしっこをかけるような人がいまだにいるようですが、針を抜いた後の傷口から雑菌に感染してしまうこともありますので、そのようなことは絶対にしないでください。
流水で毒を洗い流した後は、ビニールなどに氷水を入れた物で刺された箇所をとにかく冷やし、念の為動物病院にて診てもらうようにしましょう。
犬や猫が暴れる場合
蜂に刺されたことで、飼い主さんも多少パニックになると思いますが、犬や猫もその痛みと飼い主さんの慌てた様子を見て同じように動揺してしまいます。
刺された箇所を確認しようにも、すんなり見せてくれない場合もあるかもしれません。その時の対処法についても紹介しておきます。
犬の場合
普段どんなに穏やかな犬でも、蜂に刺された驚きと痛みで噛みつく場合もありますので、口輪をするのがおすすめです。
2人居る場合には、1人が犬をしっかり両手で支えて、もう1人が患部を確認します。1人の時には犬を後ろから抱きかかえるように片手でしっかり保定し、もう片方の手で被毛をかき分けて患部を確認しましょう。
針を抜く時には両手を使う必要がありますので、座りこむような体勢で犬を自分の足と足の間に挟むと安定します。
犬があまり暴れてしまって針を抜くことが難しいようでしたら、無理はせずにそのまま動物病院へ連れて行って処置をしてもらうようにしましょう。
猫の場合
猫は犬よりも暴れる可能性があります。刺された箇所を確認しましたら、素早く洗濯ネットのなかに入れてしまえば、だいぶ大人しくなってくれるはずです。
この洗濯ネットは、爪切りをする時や動物病院へ連れて行く時などにも活用できますので、猫の大きさに合わせて1つは用意しておくといいでしょう。
洗濯ネットに入れましたら、刺された箇所だけをネットの入口から出し、犬の時と同じように抱え込むようにして針を抜いてあげてください。
洗濯ネットを使えば猫はすごく大人しくなることが多いので、動物病院など嫌がる場所へ連れて行く時などにも利用できます。
詳しくは、『猫が洗濯ネットでおとなしくなる理由と洗濯ネットを使うメリット』の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
蜂に刺された時に出る症状
局所的症状
犬や猫の皮膚は被毛に覆われていますので分かりにくいのですが、蜂に刺された箇所を中心に、その周辺に赤い斑点のようなものが表れます。
その後、かなり大きく腫れあがるうえに痛みもありますので、刺された直後はパニック状態になってしまうこともあります。
アナフィラキシーショック
アレルギー反応の一種で、急性的に全身に強いアレルギー症状が出ることをアナフィラキシーショックといいます。
これは人も同じ原理になりますが、犬や猫の身体は異物が身体の中に侵入してきた時に、自分の身体を異物から守る為に体内の免疫が働きを始めるようになっているのです。
この場合の異物は蜂の毒になるのですが、蜂の毒が体内に入ると免疫の働きによって抗体が作られ、二度とその異物を体内に入れないような準備をします。
通常のアレルギー反応は、異物が体内に侵入した時にこの抗体が身体を防御することで起こります。花粉症の時期に鼻水や涙などが出るのは、この抗体が花粉から身体を防御する時に起こる反応です。
同じアレルギー反応でありながら、アナフィラキシーショックはこの抗体が何かのきっかけで過剰に反応を起こし、下記のような症状を引き起こします。
- 呼吸困難
- 痙攣
- 意識消失
- 血圧低下
- 下痢
- 嘔吐
- 不整脈
アナフィラキシーショックの多くは、命の危険が及ぶほどの症状を起こすこともあり、30分弱で急死してしまうこともあるほどです。
蜂に刺されるのは一度目よりも二度目が危険といわれています。これは、蜂の毒がアナフィラキシーショックを起こしやすいからだといわれています。
蜂に刺されてしまうのは、散歩している時が多いでしょう。犬の散歩の適切な時間なども含め、散歩について、『犬の散歩時間はどのくらいが適切?飼い犬が歩かない時の対処法も!』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
二度と蜂に刺されない為にできること
蜂を見掛けたら避ける
犬の散歩中などに蜂を見掛けたら、できる限り速やかにその場を離れるか、距離を持つようにしましょう。蜂は春から秋まで活発に活動し、時には巣を守るために攻撃的なこともあります。
猫が蜂を見付けて攻撃しようとしていたり、既に攻撃していたりするところを見付けたら、騒がずに猫を抱き上げてその場から離れましょう。蜂を手で追い払ったりすると、攻撃をされてしまいますので絶対にしないでください。
蜂の巣に注意
自宅の庭やベランダで蜂を頻繁に見掛けるようになったら、近くに蜂の巣がないか探してみましょう。
見付けるコツは、蜂が飛んでいる姿を見掛けたら、行く先を目で追ってみてください。いつも最終的には決まった方向に飛んで行きますので、その近くに巣がある可能性があります。その近くには行かないようにしましょう。
蜂の習性を知っておく
犬や猫が刺される可能性のある、3つの蜂についてその習性を知っておきましょう。
ミツバチ
現在一般的に見掛けるミツバチは、ほとんどがニホンミツバチではなくセイヨウミツバチでしょう。
ミツバチは一度何かを刺してしまうと、その針は蜂の身体から外れるようになっていますので、刺したのと同時に死んでしまいます。そのためミツバチは、相当の危機を感じないと自分から攻撃してくることはありません。
ミツバチは越冬する特徴もあり、越冬準備中の11月~12月と、越冬終了直後の3月に攻撃性が高くなる性質を持っています。
そして、毒性もかなり強いので見掛けたら静かにその場を離れるようにしましょう。こちらから仕掛けなければ、攻撃をしてくることはまずありません。
スズメバチ
体長の平均が3㎝~4㎝程の大きめな蜂で、攻撃性がかなり高いのが特徴です。7月~9月の暑い盛りに最も活発に動き回り、巣に近付いただけで攻撃してくることもあります。
女王蜂以外は越冬できませんので、冬場には見掛けることはないでしょう。身体が大きい分毒をたくさん持っていますが、ミツバチと比べると毒性は弱いです。
アシナガバチ
スズメバチよりスマートな身体で、長い足が特徴となります。攻撃性は本来あまりないのですが、高い位置に限らずどこにでも巣を作ってしまいますので、猫が見付けてしまう確率も高いです。
洗濯物などにも付いていることが多いので、取りこむ時にはよくはたくようにしましょう。
猫を外出させたり、家と外を自由に行き来できるようにしている家庭がありますが、猫の気をつけたい天敵は蜂だけではありません。
詳しくは、『猫に天敵は存在する?外の気をつけたい生き物たち』の記事で猫の天敵を紹介していますので、外に出したりしている人はぜひ目を通してみてください。
まとめ
犬や猫が蜂に刺されてしまった時に対処方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
犬の散歩中には、飼い主さんが気を配ることで蜂の被害は避けることが可能となりますが、自由に外に出している猫はそうもいきません。
蜂の被害だけでなく、外には様々な危険がたくさんありますので、できれば自由な外出はさせないほうが、猫の健康のためにはおすすめです。