猫っていつも寝ているなと思ったことはありませんか?飼い主さんが遊びに誘わなければ、食事をする時以外は寝ているんじゃないかと思ってしまう程ですよね。
猫の睡眠時間が長いのには習性が関係している部分もありますので、今回は猫の睡眠時間について紹介していきたいと思います。
目次
猫がずっと寝てる理由
猫の睡眠時間
猫を初めて飼う人は、1日の大半を寝て過ごしている猫をみると具合が悪いのではないかと心配してしまうこともあるようです。
- 子猫の平均睡眠時間:約19時間
- 成猫の平均睡眠時間:約15時間
- 老猫の平均睡眠時間:約20時間
このように、猫は1日の3分の2は寝て過ごすことが通常となっています。猫は別名「寝子」と呼ばれることがあるのは、この睡眠時間の長さからきているのでしょう。
特に子猫や老猫は、食事を取る時以外はほぼ寝ていることが多いです。
これは、子猫は睡眠時間に成長ホルモンを分泌しますので、健康的に成長していくためにもミルクや食事を取った後にはたっぷりと睡眠を取る必要があるということを、本能で分かっているからだといわれています。
そして成猫から老猫になるにつれて再び睡眠時間が長くなっていき、食事をとる時やトイレに行く時以外は寝ているようになるでしょう。
老猫の場合には、食事の摂取量もだんだん少なくなっていきますので、その少ないエネルギーを無駄に消費しないために寝ていることが多くなるといわれています。
寝ていても猫は熟睡はしていない
睡眠時間の多い猫ですが、実はその眠りは小さな物音でも目が覚めるような浅い眠りで、熟睡はほとんどしていません。
睡眠には浅い眠りのレム睡眠と、熟睡といわれる深い眠りのノンレム睡眠の二種類があり、この二種類の睡眠を行き来しながら身体を休ませています。
人の場合は、ノンレム睡眠がほぼ80%を占めているのですが、猫の場合はその逆で長い睡眠時間のほぼ80%が浅い眠りのレム睡眠となります。
猫の祖先たちは、自然界のなかでいつ襲ってくるかも分からない敵から身を守りながら生活をしてきました。そのため、万が一敵が突然襲ってくることがあっても、すぐに反撃体制を取れるように浅い眠りであることが多いといわれています。
また、肉食動物である猫は、大切な食糧となる次の獲物をいつ捕ることができるのか分からないため、不必要には動かず体力を温存するために睡眠時間を長くとる習性があるのです。この習性が今の猫にも受け継がれているのでしょう。
動物界のなかでは長時間深い眠りにつく人間の方が珍しいのであって、眠りが浅く周りを警戒しながら生きているのはごく自然なことといえます。
良質な睡眠は長寿に繋がる
眠りの浅いのが猫の習性とはいえ、健康的に長生きをしていくためには深い睡眠をきちんと取る必要があるでしょう。
猫の眠りの深い時間をゴールデンタイムと呼ぶのですが、このゴールデンタイムを毎日3時間以上確保できない猫と、きちんと取れている猫とでは平均寿命が違ってきてしまいます。
野良猫の平均寿命が短いのには、栄養状態も影響していますが、睡眠がきちんと確保することができないことも原因の一つです。
睡眠状態をチェック
猫が良質な睡眠を取れているかどうかは、その寝ている姿を見るとある程度確認することができます。
前足を伸ばしている
猫にとっての適温である15~22度の室温のなかで、快適に寝ている時の姿です。前足を伸ばして寝ている時が、猫にとって最も良質な睡眠が取れている時となります。
お腹を見せて寝ている
お腹を見せて寝ている時も、リラックスしてゆったり寝ている証拠です。周辺に敵がいない事を確信して安心しきっている時にこの体制を取ります。
ただし、室温が少し暑い時にもお腹を見せて寝ることがあるので、お腹を出している時には室温チェックをするようにしてください。
丸くなって顔をうずめている
猫が身体を丸くして、そのなかに自分の顔をうずめるようにして寝ている時には、寒さを感じている可能性が高いです。
猫のベッドに暖かい毛布などを入れてあげるか、室温自体を上げるようにしてあげてください。また、体調不良が原因で丸くなっている場合もありますので、それについては次の項目で紹介していきます。
猫が飼い主に添い寝してくる理由について、『猫が添い寝してくる時の気持ちや添い寝の良い所、悪い所を解説!』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
体調不良が原因で寝ている可能性も
常にうずくまっている
寝ている姿が常にうずくまって丸くなっているような時には、外傷がないかをまず確認してみましょう。身体のあちこちを触りながら確認し、触ると嫌がる箇所があれば無理に動かしたりせずに優しくチェックしてください。
特に外傷はないのに、お腹や腰の周辺などを触ると嫌がる素ぶりをする時には、内蔵疾患が隠れていることがあります。
その他に下痢や嘔吐、体重の減少などの症状が見られましたら、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。他に症状がない場合でも、1日のほとんどをうずくまったような体勢で過ごしているようでしたら、念の為動物病院に行くようにしてください。
呼吸が荒い
特に健康に異常のない猫が寝ている時には、お腹が上下にゆっくりと一定のリズムを刻んで呼吸をしているのが分かります。
体調不良の時には、このお腹が上下する動きがいつもよりも早かったり、リズムが一定でなかったりする場合があります。
また、息を細かく吐き出すような寝息を立てている時にも少し体調が悪いのかもしれません。そのような時には、毛並みも少し逆立っているように見えることも多いです。
餌も食べず寝てばかりいる
食欲旺盛で肥満傾向の猫が、食欲が急に落ちて寝てばかりいるようになった場合、脂肪肝になっている可能性を疑いましょう。これは、肥満が原因で猫の体内の細胞が脂肪に変わってしまい、本来するべき働きをしなくなってしまうことをいいます。
重症化してしまうと、下痢や嘔吐を伴い意識障害を起こすこともあり、最悪の場合は命の危険もありますので、おかしいなと感じましたら早めに動物病院へ行くようにしましょう。
猫が餌を食べない時の対処法について、『猫が餌を食べない!?こんな時の考えられる原因と対処法』の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
水頭症
水頭症は猫の発症率は少ないといわれていますが、稀に罹る猫もいますので紹介しておきます。水頭症に罹ると、食事もろくに取らず寝てばかりいるようになります。
それだけでは水頭症との判断はつきにくいのですが、更に歩き方がふらふらとしているような様子が見受けられましたら、水頭症の可能性を疑いましょう。
その他の症状としては、歩く時に回転をする・攻撃的になる・頭部が少し膨らんでいるように見えるなどが表れることもあります。これらのなかの一つだけ症状が出ることもありますので、猫の様子をよく確認して判断するようにしてください。
日中は全く起きず夜中に鳴き始める
猫は高齢になってくると、成猫の頃よりも睡眠時間が増えてきますので、夜間も静かに寝ていることが当然多くなります。
ところが、夜間になると突然大きな声で鳴き始め、意味もなくウロウロし始めるような行動をとることがあるのです。この場合には、認知症の可能性を疑いましょう。日中でも当然起き出してきて、やたらに鳴き続けることもあります。
猫は夜行性というイメージがありますが、実はそうではありません。詳しくは、『猫は夜行性なの?!猫の元気になる時間と睡眠時間』の記事で紹介していますので、猫の習性や本能について知っておきましょう!
まとめ
猫の睡眠とその習性について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
よく子猫の睡眠は邪魔してはいけないといいますが、成長過程で睡眠をきちんと取ることは大切なことだったんですね。
体調が悪くて寝ている時の様子についても紹介しました。猫は自分の体調の悪さを、信頼している飼い主さんにもあまり見せようとはしない動物です。じっとして痛みや苦しさが過ぎ去るのを待っているといわれています。
寝ている時に無理に起こす必要はありませんが、普段から寝姿をチェックするようにしていれば、体調不良で寝ている時にはその様子の違いに早めに気が付くことも可能となるでしょう。
自分で体調不良をアピールしない猫のためにも、ちょっとした変化にも気が付いてあげるようにしてください。