1日の大半を寝て過ごしているような猫ですが、起きている時にはグルーミングをしている姿をよく見かけませんか?
身だしなみを整えている面もあると思うのですが、それにしても多いな?と感じる飼い主さんも多いですよね。
実は、あまりにもグルーミングをする時間が多い時には、注意をしなければならない時があります。そこで今回は、猫がグルーミングをする理由について紹介していきたいと思いますので、是非読んでみてください。
目次
猫がグルーミングを長時間する理由
身体を綺麗に整えている
猫は大変綺麗好きな動物ですので、毎日グルーミングをすることによって自分の身体に付いているゴミや埃、フケなどを取り除いています。猫の舌はザラザラとしていますので、ゴミを取り除くには最適といわれているようです。
そして、猫の唾液にはリゾチームという殺菌作用のある酵素が含まれているのですが、これには細菌の一部を溶かす働きがありますので、猫は自分の身体を綺麗にグルーミングすることで皮膚炎の原因になる細菌を自然と排除し健康維持に繋げているともいわれています。
体温調整
人は汗を発散する汗腺が全身にありますが、猫は肉球にしかこの汗腺がありません。
そのため、体内にこもった暑さを発散するために、グルーミングを行い被毛に付いた唾液を蒸発させて身体を冷やしているのです。
その逆に冬場は、グルーミングを行うことで被毛の間に空気を取りこみ、それによって保温効果を出しています。
暑い季節に、猫がいつもより多くグルーミングを行っている様子がみられたり、肉球を触ってみて少ししっとりしていたりする様子でしたら、熱中症の恐れがありますので室内温度を調整するか、涼しい場所に連れて行くようにしてください。
猫にとっての季節ごとの適温を、『猫にとっての適温は何度?春夏秋冬それぞれを解説!』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
転位行動
猫は何かに驚いた時や飼い主さんに怒られた後、他の猫と喧嘩した後などにグルーミングを行うことが多いです。
これは転位行動といい、何かことが起こった時に全くそれとは関係のない行動をして、気持ちをどうにか落ち着かせようとすることの表れだといわれています。
時折おもちゃのキャッチや、ジャンプを失敗した後にもグルーミングを必死に行う姿を見掛けることもありますが、あれも転位行動の一種で照れ隠しなのかもしれません。
匂いを消している
猫の祖先は、鳥やネズミを捕まえて食べるという生活を長くしていました。その獲物たちに自分の存在を知られないようにするため、捕獲行動をする前にはグルーミングをして自分の身体の匂いを消していたといわれています。
現在の猫は、そこまでして獲物を狙う必要はありませんが、日常的にグルーミングを行うのは、いつでも狩りができる準備をするのが習性として残っているからでしょう。
猫がシャンプーをされた後に必死にグルーミングをするのも、グルーミングをすることでシャンプーの匂いを消しているのかもしれません。
コミュニケーション
猫を多頭飼いしている場合、猫同士でグルーミングをし合っている姿を見掛けることもあります。
グルーミングは猫にとって大変重要な行動ですので、これを自分以外の猫にするということは、その猫を仲間として認め大切に思っている証拠です。
飼い主さんに対してもペロペロと舐めてくる猫がいますが、これも猫が飼い主さんのことを信頼しているということになります。猫が飼い主や他の猫を舐める理由には、他にもあります。
詳しくは、『猫が飼い主を舐めるのはなぜ?他の猫まで舐める理由も!』の記事で紹介していますので、ぜひ猫の気持ちを知っておいてくださいね。
同じ箇所を舐め続けている場合は注意!
アレルギー性の皮膚炎
アレルギーによる症状で皮膚に痒みが出てくると、猫はそこを気にして舐め続けてしまうことがあるようです。人と同じで猫のアレルギーも原因は様々あります。
- ノミやダニによる寄生
- 花粉
- 食べ物
- ハウスダスト
猫は普段からグルーミングをして身体を綺麗にしていますので、その時にノミやダニの糞だけでなくハウスダストなどが体内に入り、それがアレルギーの原因になることもあります。
また、毎年ある一定の季節にだけやたらに身体を舐め続けるような時には、花粉が原因によるアレルギーの場合もあるようです。食事に含まれている原料が身体に合わず、それが原因になってしまうこともあります。
アレルギーが原因の場合、猫が舐め続けている箇所を確認してみると発疹ができていたり、痒みのせいから自分で噛みついたような跡が残っていたりすることがあるでしょう。
もしもそれが確認できましたら、そのまま放置しておくと更に皮膚の状態が悪化してしまうこともありますので、早めに動物病院で診てもらうようにしてください。
ストレス性の転位行動
猫は何かストレスを感じそれに耐えられなくなってくると、そのストレスから逃れようと過剰にグルーミングをし始めることがあります。
これはストレス性の転位行動をいわれ、グルーミングをし続けた結果その部分がハゲてしまうことを、転移性脱毛症と呼ぶこともあるようです。
猫が感じるストレスの原因は様々あります。
- 引越しで生活環境が変わった
- 飼い主さんとのコミュニケーション不足
- トイレが汚れている
- 同居の猫と相性が悪い(喧嘩が多い)
- 運動不足
ストレスによる過剰なグルーミングは、その原因を取り除いてあげないことにはなくなることはありません。猫の様子をよく確認して、ストレスの原因を探り改善をしてあげるようにしてください。
猫のストレスを失くす為にできること
猫のストレスを失くすには、それがどのような原因であったとしても飼い主さんが改善をしていくしかありません。先にあげたストレスの原因について解消方法を紹介していきましょう。
引っ越しても猫のお気に入りは利用する!
引越しなどで生活環境が変わってしまう場合には、猫がお気に入りだったソファーなどは、せめて新居に慣れるまでの間はそのまま使用するようにしたり、家具の配置も以前の住まいと似たようにしたりするといいでしょう。
引越し時に気をつけたい事を、『引っ越しは猫のストレスも最大!愛猫の為に引越し時に気をつけておきたい事』にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーションを積極的に!
日中はお留守番をさせているのであれば、帰宅後は遊ぶ時間やブラッシングなどのコミュニケーションを取る時間を意識的に設けるようにしてください。
トイレをキレイに!
猫は綺麗好きな動物ですので、トイレが汚れたままの状態は非常に嫌がります。排泄物はこまめに掃除をするのと同時に、トイレの数を増やす方法もおすすめです。
同居猫と上手く関係づくりを!
多頭飼いの場合には、同居猫との関係性が悪いと毎日ストレスを抱えて過ごすことになります。
喧嘩が頻繁に起こっているような状況であれば、そのうち慣れるなどと放置はせずに、一度別々の部屋で過ごすような環境を作り、猫が自分だけで安心して過ごせるスペースを作ってあげてください。
運動不足解消
室内飼いの猫が、自由に走り回れるように家具などを置かないという飼い主さんがたまにいますが、猫は平面を走ることよりも高さのある動きを好みます。
広い空間を作るよりも、キャットタワーのような上下運動ができる物を設置する方が、狭い範囲のなかでも猫は満足するようになるでしょう。
洋服は着せないで!
猫がやたらに身体を舐め続けるので、それをやめさせようと猫に洋服を着せてしまう飼い主さんもいるようですが、これはあまりおすすめできません。
ストレスが原因の場合には、その原因となっているストレスを取り除かない限り身体を過剰に舐める行為は収まりませんので、洋服を着たことによって身体を舐めることもできなくなり、更にストレスが溜まってしまいます。
アレルギー性の物が原因の場合には、洋服を着せてしまうと皮膚への風通しが悪くなってしまいますので、患部にもよい影響を与えません。特に、治療を開始する場合には医師の指示に従いエリザベスカラーなどで対応するようにしましょう。
猫にできるだけストレスを感じさせないような生活をさせてあげる方法を、『猫がストレスを感じた時の行動とは?ストレスフリーな生活をさせる為にできること』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
猫がグルーミングをする理由について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。猫がグルーミングをすることは基本の行動ではあるのですが、時には何か問題を抱えていることもあります。
いつもよりもグルーミングの回数や時間が多いと感じた時には、猫の行動や皮膚の状態を確認してあげるようにしてください。