うっかりした隙に飼い猫が脱走してしまい困っている場合、まずは何をしていいのか気持ちばかりが焦ってしまいますよね。
「脱走してしまった時にどうやって探せば良いんだろう…」
早く帰ってきてほしいのに、帰ってこないと何かあったのかと不安になってしまいます。そこで、猫が脱走してしまった時の探し方について、生活環境別に紹介していきますので是非参考にしてください。
目次
室内飼いの猫が脱走した場合の探し方
まずは家の周辺を重点的に
猫は大変警戒心が強く、縄張りをとても大切にする動物です。完全室内飼いの猫が、何かの勢いで思わず室外に出てしまったとします。
その猫の縄張りは、厳密に言うと今まで毎日過ごしていた室内だけになりますが、毎日家の庭を窓から眺めていたのであれば、かろうじて庭も自分の縄張りとしているでしょう。
猫が自分の縄張りから出るということは、相当の勇気と何か大きなきっかけが必要です。うっかり室外に出てしまい、そのまま自分の縄張りである敷地外へ足を踏み出す場合、周りの様子を警戒しながらおそるおそる前に進んでいくはずです。
どんなに好奇心の強い猫でも知らない場所は怖いはずですので、何か物音でもすれば物陰に素早く隠れるでしょう。一度物陰に隠れると、今度はそこからなかなか動くことができなくなってしまう猫は多いです。
このような理由から、室内飼いの猫が遠くまで行ってしまうのにはそれなりの時間がかかるでしょう。そのため脱走した直後は、とにかく自宅周辺を念入りに探すことをおすすめします。
車の下や物置の下の狭い隙間など、思いがけない場所に潜んでいることもありますので、目線を低くしながら、猫が潜りこめるような隙間はないかを注意深く確認しながら、優しく名前を呼んであげてください。
自宅から呼びかける
脱走してしまった当日の夜になっても帰宅しない時には、外がだいぶ静かになった頃を見計らって、部屋の明かりを付けて外に向かって猫の名前を呼んでみましょう。
外に出てみたものの怖くてじっと物陰に潜んでいる場合は、猫は早く安心できる家に帰りたいと思っているはずです。
知らない人や車の往来がある時間帯には怖くて動くことができなくても、夜になって周りが静かになれば少しずつ行動をするようになる可能性が高いと思われます。その時に飼い主さんの声かすれば、それを頼りに帰ってくるかもしれません。
この呼びかけは、早朝の人がまだ活動をし始める前の時間帯に行うのも効果的です。
家の周辺には居ない場合
飼い猫が脱走した後にバッタや蝶などの獲物になりそうな物を見付けてしまい、夢中で追いかけてしまった時や、オス猫であれば盛りのメス猫の匂いや鳴き声に誘われてしまった時などは、我を忘れて縄張りから簡単に出ていってしまうことがあります。
家の周辺を重点的に探しても見当たらない時には、その可能性も考慮に入れて探す範囲を広げるようにしましょう。
探す範囲ですが、完全室内飼いをしている猫が脱走した時の行動範囲は、およそ半径100メートル、広くても200メートル以内といわれていますので、自宅を中心にその範囲内までは探していくようにしてください。
ただし、外にはそこを縄張りとしている野良猫が多数います。自分の縄張りに入ってきた見知らぬ猫を追い立てる猫も当然いますので、予想外に遠くまで行ってしまうこともあります。
家の近くを重点的に、少しずつ範囲を広げながら物陰を重点的に見るようにしていってください。
行政への届け出を忘れずに
猫が脱走してしまったら、探す作業と並行して行政への届け出を忘れずに行っておきましょう。まずは管轄の警察署に迷子猫の届け出をします。
警察署によっては対応が多少違うかもしれませんが、大抵の場合は電話での連絡で問題ありません。
届け出の際には、猫の特徴は勿論ですが、首輪の有無や居なくなった日時などを聞かれます。特に特徴は分かりやすく伝える必要がありますので、伝え漏れがないようにメモに書き出した物を手元に用意してから電話をするのがおすすめです。
猫の行動範囲を考慮した時に、届け出をした警察の管轄外もその範囲に含まれる可能性のある場合には、そちらの警察署にも届け出をする必要があります。
警察署は管轄外へは情報共有をしていませんので、少しでも可能性がある場合は必ず届け出をしておきましょう。
警察署以外では、動物愛護センターや保健所などにも届け出を必ずしておきます。外を歩いている猫は、飼い猫か野良猫かの区別が付きにくいため、行政がわざわざ捕獲にくることは滅多にありません。
ただし、近隣の方などが迷子猫だと思い捕まえて警察などへ持ち込んだ場合、善意からの行動であったとしても、飼い主さんが見付からなければ数日で殺処分されてしまう恐れがあります。
この時迷子猫の届け出をしておけば、必ずそれと照合はしてくれますので、殺処分を免れることができるでしょう。
もし飼い猫が脱走して雨の日だった場合の探し方について、『脱走した猫を探す時に雨の場合の探す場所や探し方』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
家と外を行き来している猫が帰ってこない時の探し方
事故の有無を確認
外を自由に行き来している猫は、事故に合う確率も高いです。普段の猫のペースを考えても帰宅時間が遅い場合には、近所で猫がからんだ事故がなかったかを確認してみてください。
猫が車にひかれてしまったりすると、警察や保健所に連絡がいっている場合や、近隣の動物病院へ運ばれている場合がありますので、電話にて確認してみるといいでしょう。
貼り紙を作成する
外を自由に行き来している猫の行動範囲は、完全室内飼いの猫よりもかなり広く、およそ半径500メートル以内といわれています。この範囲を探しながら、貼り紙を作成して掲示するようにしましょう。
貼り紙には、下記の内容を記載するようにします。
- 猫の写真(正面からだけでなく、横や後ろなど全体の姿が分かる物があればベストです)
- 名前(常に呼んでいる呼び名などがあればそれも記載しましょう)
- 柄の特徴(色・柄の入っている場所など詳細に記載します)
- 首輪の有無(首輪の色や材質も記載する)
- 居なくなった日時・場所
- その他の特徴(癖や身体的特徴などがあれば記載する)
- 飼い主さんの連絡先
貼り紙は、地域の掲示板や近所のスーパーなどにお願いして掲示させてもらいましょう。掲示板を利用する際には勝手に掲示はせずに、地域の公民館など然るべき場所に必ず連絡して許可を貰ってください。
地域広報誌を利用する
一定の地域にだけ配布されている無料の地域広報誌には、「猫を探しています」など地域の方のコメントを掲載するスペースがあることが多いです。
そのような物を利用するのも効果的です。地域広報誌は年配の方などが目を通していることが多く、散歩の途中などに気にかけてくれるかもしれません。
インターネットを利用する
インターネット上にも、迷子猫の情報を掲載できるサイトがあります。ある程度地域を指定することのできるサイトもありますので、猫の写真と共に掲載しておけば、広く情報が知れ渡るかもしれません。
また、TwitterやFacebookなどのSNSでも写真や特徴を掲載しておくと、それを見たフォロワーが拡散してくれたりしますので、できることは全てやっておきましょう。
どこで誰が見ているか分かりませんので、色々な方法を利用していくようにしてください。
脱走した猫を見つけた時の保護の仕方
駆け寄るのはNG
数日ぶりに猫を見つけた場合、思わず駆け寄りたくなってしまうと思いますが、これは絶対にしてはいけない行動です。猫は慣れない外の生活のなかで、今までにはない恐怖や不安を感じてきて警戒心でいっぱいになっているでしょう。
いくら飼い主さんとはいえ駈け寄られてきたのでは、警戒心と恐怖のあまりその場から逃げ出してしまうかもしれません。猫を見つけた時には、猫から目を離さずに優しく名前を呼びながら少しずつ距離を縮めていくようにしましょう。
焦らずに対応
数日間外にいた猫は、神経が過敏になっているかもしれません。ちょっとした物音や、飼い主さんの身振り手振りにも驚いてしまうでしょう。ここは焦らずに猫の名前を呼び続け、一歩一歩近付いていくようにします。
外で過酷な生活を送ったせいで、一瞬飼い主さんを認識してくれない場合もあるかもしれませんが、名前を呼び続けることで段々と警戒心が和らいでくるはずです。
ある程度まで近付いたら、手をそっと差し伸べてみてください。猫は嗅覚がすぐれていますので、飼い主さんの匂いを必ず覚えています。
手を差し出しながら近付いていくと、鼻先を寄せてくるような仕草をする時がくるでしょう。手の届く範囲まで近付くことができたら、あとは素早く捕まえるだけです。捕まえた時は少し暴れるかもしれませんので、しっかりと抱っこして離さないようにしてください。
ちなみに猫が脱走して返ってくる確率はどの程度だと思いますか?詳しくは、『猫が脱走してしまった時に帰ってくる確率と探し方』の記事で紹介していますので、合わせて参考にしてみてくださいね。
まとめ
猫が脱走してしまった時の対応方法について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。猫は犬と違い帰省本能があまりありませんので、脱走してしまった場合には帰宅を待つよりも、積極的に探すようにしてください。
行政機関への届け出ですが、警察に届けるなんて大袈裟な!などと思わずに、必ず行うようにしましょう。探し方についても、いくつか紹介しましたが、1つの方法に頼るのではなく、複数の方法を活用していってください。