猫のおやつにピーナッツをあげている飼い主さんがいるようですが、猫にピーナッツをあげるのは、あまりよくないことをご存知ですが?
ピーナッツを与えると、猫はポリポリと美味しそうに食べているけれど、実は猫の身体にとってはあまりよくないことがあります。
そこで今回は、何故ピーナッツがよくないのかを紹介するのと同時に、それ以外で猫が食べてはいけない物もいくつか紹介していきますので、是非参考にしてください。
目次
猫がピーナッツを食べてはいけない理由
ピーナッツには脂肪分が豊富
ピーナッツを食べ過ぎて吹き出物ができてしまった、なんていう話を聞いたことがありませんか?そこからも分かるように、ピーナッツには脂肪分が大量に含まれています。
猫が脂肪分を摂取し過ぎてしまうと、嘔吐や下痢を引き起こす原因になりかねませんし、膵炎(すいえん)という病気の引き金にもなってしまうことがあります。
また、人用のピーナッツには塩分も多く含まれていますので、これも猫の身体に負担をかけることとなり、腎臓疾患を引き起こしてしまうことがあるかもしれません。
ピーナッツには食物繊維や炭水化物も多く含まれているのですが、猫はこれらの消化があまり得意ではないため、ピーナッツを与えてしまうと消化不良を起こす原因にもなってしまうでしょう。
肥満へのリスク
先に紹介したようにピーナッツには脂肪分が多く含まれていますので、これを猫におやつとして日常的に与えてしまうと、当然多くの脂肪分によって体重は増加していき肥満傾向になってしまいます。
猫は少し太めのほうが可愛いと思う方は多いかもしれませんが、肥満が原因で起こる病気もありますので、将来的に長く健康を維持するためにも脂肪分の多いピーナッツは避けるほうが賢明です。
それでも、どうしても猫にピーナッツを与えたいというのであれば、ピーナッツで接種したカロリー分を減らすために、フードの量を減らすしかありません。
そうすると、摂取カロリーの減少はそれでクリアできたとしても、フードを減らされたことにより必要な栄養素まで減る結果となり、結局体調不良のきっかけになってしまうでしょう。
窒息の危険性
市販されているピーナッツは、殻付きの物とそうでない物があります。人は殻付きの物でもきちんと剥いて食べることができますが、猫は殻を取り除くことができません。
殻付きのピーナッツを剥いて与える習慣がある場合、猫は殻の付いたままのピーナッツを食べる物として認識してしまいます。万が一猫がそれを盗み食いしてしまった時に、殻のままたべようとして喉に詰まらせてしまう危険性もでてくるでしょう。
猫が食べてはいけないもの
猫にとって危険な食べ物
人間が普段普通に食べている物でも、猫が食べてしまうと中毒症状を起こしてしまう物は意外と多くあります。
- 長ネギ、玉ネギ、ニラ
- チョコレート、ココア
- ぶどう、干しぶどう
- キシリトール
- アルコール
- 牛乳
- 練り物(ちくわ、はんぺんなど)
- 卵白
- 香辛料
- 古いフード
- ドッグフード
長ネギ、玉ネギ、ニラ
長ネギ、玉ネギ、ニラに共通して含まれるアリルプロピルジスルファイドという成分は、猫の血液中に含まれている赤血球を破壊する働きがあります。
そのため、猫がネギ類を摂取してしまうと、赤血球が破壊されたことにより溶血性貧血となる可能性が出てきてしまうでしょう。
味噌汁やシチューなどのネギ類を使用した料理には、その成分が溶け込んでいますので、汁部分だけだとしても猫に与えるのはやめるようにしてください。
チョコレート、ココア
チョコレートやココアなどのカカオが主成分となっている食べ物や飲み物には、テオブロミンという成分が含まれているのですが、猫はこれを分解する酵素を体内に持っていませんので、これらを摂取することで嘔吐や下痢を引き起こしてしまいます。
摂取した量によっては、血圧上昇や不整脈を引き起こすこともあり、最悪の場合は命に危険が及ぶこともあるのです。
ぶどう、干しぶどう
ぶどうや干しぶどうに含まれているどの成分が、猫に対して中毒症状を引き起こしているのかは実は明確には分かっていません。
ただ、ぶどう類を摂取することにより、嘔吐や下痢だけでなく、時には心不全を引き起こすこともあるそうですので、与えないにこしたことはないでしょう。
キシリトール
猫にキシリトール製品を与えると、インスリンの過剰分泌を引き起こしてしまうことがあります。これにより、低血糖を起こしてそのまま意識不明になり死亡してしまうことも可能性もあるのです。
キシリトール成分の入った人間用の歯磨き粉などを、猫が誤食しないように気を付けるようにしてください。
アルコール
人と猫の体重の違いを考えてみてください。標準体型で考えるとおよそ10倍近くの差があるはずです。人にとってはほんの少量のアルコールであっても、猫にとってはその10倍の量を摂取したことになってしまいます。
加えて、猫はアルコールを分解する肝臓の働きも人とは違い、アルコールを分解するために猫の身体にはかなりの負担がかかり中毒を起こす可能性もあるでしょう。
自分の晩酌のついでに、面白半分で猫にアルコールを与えようとする飼い主さんが時々いるようですが、それは絶対やめるようにしてください。
牛乳
人間用の牛乳には乳糖という成分が含まれているのですが、猫は体内にこの乳糖を分解する酵素を基本的に持っていません。
そのため、人間用の牛乳を与えてしまうと下痢をしてしまう猫が多くいます。猫に牛乳を与えたいのであれば、猫用の牛乳を与えるようにしましょう。
詳しくは、『猫に牛乳を与えてはいけない!下痢や体調不良の原因になる可能性も!』の記事を参考にしてください。
練り物(ちくわ、はんぺんなど)
人間用の練り物には、塩分が多く含まれています。猫に与えてしまうと、塩分の過剰摂取となり、腎臓や泌尿器系の疾患につながることがあるでしょう。
卵白
生卵の白身に含まれているアビジンという成分は、猫にとっては皮膚炎や結膜炎を引き起こす原因になるといわれています。
ただし、加熱することでこの成分は壊れてしまいますので、加熱した物を与えるのであれば良質なタンパク源となりますので全く問題ありません。
香辛料
唐辛子・カレー粉・こしょう・わさびなどの香辛料を猫に与えると、内蔵や胃腸に大きな負担をかけることになり、その結果胃腸炎や内蔵疾患を引き起こすこともあります。
その他にも、刺激の強い香辛料はいくつもありますが、これらは猫の身体にとっていい事は一つもありませんので、与えることは避けるようにしてください。
古いフード
キャットフードには、猫にとっての必須ビタミンであるビタミンB1が通常添加されていますが、一度封を開けてしまうとビタミンB1は徐々に壊れていってしまいます。
そのようなフードを与え続けてしまうと、ビタミンB1欠乏症になり歩行の際のバランスが悪くなったりすることがあります。
ドッグフード
犬と猫とでは必須栄養素が違いますので、フードに含まれている成分も当然違ってきます。そのため、猫に犬用のフードを与え続けてしまうと、猫にとって必須なたんぱく質やタウリンが不足してしまい、体調不良を引き起こす原因となってしまいます。
特にタウリンが不足すると、網膜萎縮を引き起こす原因となり最悪の場合は失明をしてしまうこともあります。
基本的には総合栄養食だけで充分!
総合栄養食とは
猫の総合栄養食とは、そのフードのパッケージに記載されている適正量を、たっぷりの水と一緒に与えるだけで、1日に必要な栄養素のすべてがバランスよく摂取できるように配合されているフードのことをいいます。
フードのパッケージに記載されている「総合栄養食」という文言は、
- 栄養成分の基準に合致しているかを証明する分析試験
- 実際に猫へ餌の給与を行って証明する給与試験
総合栄養食の選び方
ホームセンターなどに出向くと分かると思いますが、現在はキャットフードもたくさんの種類が販売されていて、どれを選んでいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、総合栄養食を選ぶ時のポイントを紹介しておきます。
必要な栄養素が含まれているか
健康な身体作りのために必要な栄養素が、下記になります。きちんと含まれているかを確認しましょう。
- タンパク質
- 脂肪
- ビタミン
- ミネラル
- 炭水化物
主原料を確認
猫は肉食動物ですので、健康維持のためにも肉を多く含んでいるフードがおすすめです。フードの原材料の項目を確認して、最初に記載のあるものが一番多く含まれている主原料になりますので、最初に鶏肉などの表示がきているものがよいでしょう。
トウモロコシや小麦などの穀物が、原材料の最初に記載してあるフードも多数出回っていますが、猫は穀物の消化があまり得意ではありませんので、長期間に渡りそのようなフードを与えていると消化器官や皮膚トラブルを起こしてしまう場合もあります。
その他にも、猫が食べて良いものやダメなものがあるので、飼い主さんは必ず何が良くてダメなのかを知っておくようにしましょう。詳しくは、『栄養満点?猫が食べても良い野菜と絶対食べてはいけない野菜まとめ』の記事を参考にしてみてくださいね。
まとめ
猫にピーナッツを与えるのは危険であるということと、猫に与えてはいけない食べ物を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
猫には与えてはいけない物や、与える量を気を付けなければいけない物などが色々とあります。
人と猫とでは身体の作りが違いますので、人の食べている物はできる限り与えず、猫には猫用の物を与えるのが、健康維持のためには一番安心かもしれません。