猫を連れて電車でお出かけする事になると「大丈夫かな?」と皆さん不安になりますよね。
「鳴いてしまったり、酔ってしまったりしたらどうしよう」と思われる飼い主さん。トラブルを回避するために事前に準備しておく事で不安が払拭されますよ。
今回は猫と電車でお出かけする際に用意する物や注意すべき事、また猫を電車に乗せる時にかかる料金も細かくご紹介していきましょう。
猫と電車移動する時に気をつけたい事
電車という不特定多数の人が行きかう場所に愛猫を連れて行く事になるわけですから、事前の準備は抜かりなく行っておきたいですよね。特に愛猫の安全と周りへの配慮は必須です。
電車に猫を乗せる時は必ずキャリーバッグなど蓋の付いた容器に入れる必要があります。でも、キャリーバッグもいろいろ出ているので、どんな物が良いか悩んでしまいますよね。
電車移動時にどういったキャリーバッグが良いのかわかりやすいように具体的に、一つ一つ説明していきますね。
キャリーバッグの選び方
電車移動する場合にはある程度の固さのあるキャリーバッグをおすすめします。
プラスチック製であれば汚してしまった場合には丸洗いできますし、混雑した時に潰される心配もありません。
お好みで布製の物が良い場合は柔らかいバッグのようではなくて、しっかり自立するタイプの物の方がおすすめです。
キャリーバッグにカバーできる物
外の状況が見えている事で猫が怖がる場合があります。プラスチック製のキャリーバッグであれば、全体を覆う事ができるタオルやブランケットを持っていくと良いでしょう。
また、メッシュ部分にカバーが付いていて開け閉めできる物も販売されています。
気になった時は簡単にメッシュ部分を開ける事ができるので猫の様子を見る事もできますし、怖がっているようでしたら閉めてあげると安心する事ができます。
キャリーバッグの中に入れておくと良い物
猫は安心できる環境にないとトイレをする事を嫌がりますので、キャリーバッグの中で排泄する事は滅多にないです。
ですが、万が一キャリーバッグの中で排泄してしまった場合や嘔吐してしまった場合に備えて「ペットシーツ」を敷いておきましょう。吸水性が良いので安心です。
また猫が安心できるように自宅の匂いがついたタオルなどを入れておくのもおすすめです。猫が嘔吐や排泄してしまっても吸水してくれますし、洗う事ができますよね。
出かける2,3日前から猫が寝る場所などにタオルを置いておき、猫自身の匂いをつけておくと良いですよ。
万が一のためにハーネス(胴輪)付きリードをしておく
猫は動きがとても速い生き物です。万が一、キャリーバッグの扉が開いてしまって猫が飛び出した場合に人間の反射では間に合いません。
キャリーバッグの取っ手部分や扉などにリードを繋いでおく事をおすすめします。猫をキャリーバッグに入れて連れて行く際の迷子の予防になりますよ。
首輪も猫を繋ぐ事はできるのですが猫はパニックを起こすと体が柔らかいため、想像以上に簡単に抜けてしまう事があるのです。
胴輪も抜いてしまう事はあるのですが、首輪より抜きにくいので胴輪をおすすめします。
熱中症に注意
電車の中はしっかり空調が効いている事が多いので、冬場はブランケットなどのカバーをかけておく程度で大丈夫ですが、夏場は要注意です。
電車内はクーラーがかかっているとはいえ、猫の緊張も伴ってキャリーバッグの中が暑くなってしまう事があります。
着いてみたら「ぐったりしていた」などという事にならないように注意が必要です。ヒンヤリタオルや保冷剤をタオルで巻いていれておくなどの対処をしましょう。
カバーやタオルでキャリーバッグを覆っている場合は、時折外して空気を通してあげましょう。
フェリウェイスプレーを使ってみる
不安になって鳴いてしまう猫の対処として、フェリウェイをキャリーバッグにスプレーしておくという方法があります。
猫の口周りから出るフェイシャルフェロモンと呼ばれるフェロモンは猫に安心感を与え、情動を落ち着かせる効果があると考えられています。
その効果を利用した商品で事前に準備しておく事ができます。人が嗅いでもほんのり甘い香りがする程度です。個体差はあるものの、効果がある場合が多いので利用してみるのも良いでしょう。
ただしフェリウェイはアルコールが入っているので注意が必要です。
- 直接、猫にはかけない
- スプレーして15分以上経ってから猫を入れる
(アルコールを飛ばすため、扉は開けておきます)
マイクロチップを埋めておく
これは猫に埋め込む迷子札のようなものです。小さいチップを肩甲骨の間に埋め込みます。このチップには猫の身元に関する情報が入っています。
もし、迷子になって保護された時はこのマイクロチップを専用の読み取る装置で読み取って確認する事ができます。
GPS機能はないのですが、その情報で飼い主の元に帰る事ができるのです。万が一を考えられて検討される場合は動物病院に相談してみましょう。
酔い止め薬を貰っておく
猫は三半規管が発達しているため乗り物酔いしにくいと言われていますが、やはり個体差があります。
乗り物酔いしてしまう事がわかっている場合は、あらかじめ動物病院に相談してお薬を処方してもらっておきましょう。
また、嘔吐してしまう事もあるのでと、ご飯を抜いてしまおうと思われる飼い主さんもいるでしょう。
しかし、空腹だとかえって酔いやすい猫もいますし、食事を済ますことで出かける前に排便を促す事ができます。食事時間を調整して6時間前には食事を済ませるなど工夫が必要です。
電車の中では扉を開けない
猫が気分を悪くして嘔吐してしまった時、扉を開けて片付けをしてあげたくなりますね。
しかし万が一、猫がパニックを起こして脱走してしまったら猫自身も危険ですし、他の乗客にも迷惑がかかってしまいます。最悪、電車の運行にも影響が出る可能性もあります。
そういった事から電車内やホームなどでは、絶対にキャリーバッグの扉は開けないでください。扉があるトイレなど個室を見付けて、安全に片付けができる場所まで行ってから行うようにしましょう。
もし、猫を旅行に連れていきたいと考えられているのであれば、一度考え直した方が良いでしょう。その理由について、『猫を旅行に連れて行くのはナシ?連れて行く時の注意点を解説!』の記事で詳しく解説しています。
猫と電車に乗る場合は別料金が必要
猫を電車に乗せる際にはどの電車に乗せる場合でも、必ずキャリーバッグなどの蓋ができる容器に入れる事が求められます。
他の乗客に危害および迷惑をかけるおそれがない事や座席には乗せず、膝の上や自席の前のテーブルに置く事などのマナーも必要です。
電車に猫を乗せる際には手回りという扱いになります。手回り品として持ち込むには扉の大きさなどから、持ち込めるキャリーバッグ等の大きさに決まりがあります。
規定のサイズ以上のサイズでは電車内に持ち込む事ができせん。ちょっと大きめのキャリーバックはタテ、ヨコ、長さの合計が90cmを軽く超えてしまいますので、お持ちのキャリーバックを計測して確認してみましましょう。
また、手回り品は無料の電車と、手回り品としての切符を購入しなければならない電車があります。以下、各線についてまとめていますので、参考にしてみてくださいね。
JR全社共通
- 手回り品(ケース)1個につき280円
- 長さ70cm以内
- タテ、ヨコ、高さの合計が90cm程度
- 重さ10kg以内
- ケース2個まで
- ペットバギー、ペットカートはカートを含めた寸法が制限を超えてしまうため不可
(ケースとカートが分離でき、ケースが制限内の大きさであれば持ち込み可能)
(関東)東京メトロ・小田急電鉄・京成電鉄・京急電鉄・東武鉄道・西武鉄道
- ペットの持ち込み運賃と以下の範囲は無料
- 長さ70cn以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ10kg以内
- 個数制限は記載なし
東急電鉄
- ペットの持ち込み運賃と以下の範囲は無料
- 長さ70cn以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ10kg以内
- ケース2個まで
都内地下鉄
- ペットの持ち込み運賃と以下の範囲は無料
- タテ、ヨコ、高さの合計250cm以内
- 重さ30kg以内
- ケース2個まで
りんかい線
- 手回り品(ケース)1個につき280円
- 長さ70cm以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm
- 重さ10kg以内
- 個数制限の記載なし
- ペットカートはそのままの状態で持ち込み不可
(ケースとカートが分離でき、ケースが制限内の大きさであれば可能)
京王電鉄
- ペットの持ち込み運賃と以下の範囲は無料
- 長さ70cm以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ30kg以内
- ペットカートは全面的に使用不可
- 個数制限の記載なし
新京成電鉄
- ペットの持ち込み運賃と以下の範囲は無料
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ10kg以内
- 個数制限の記載なし
(関西)近畿日本鉄道・南海電鉄・京阪電車・阪神電車
- 手回り品(ケース)1つにつき280円
- 長さ70cn以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ10kg以内
- 個数制限の記載なし
阪急電車
- 手回り品(ケース)1つにつき280円
- 長さ70cn以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ10kg以内
- ケース2個まで
大阪市営地下鉄バスニュートラム
- ペットの持ち込み運賃と以下の規定内は無料
- ケースサイズ重量(ペットを含む)規定なし
- ペット用キャリーバッグ等の蓋つきの容器に入れたうえ、体毛などの飛散を防ぎ他のお客様から見えないよう容器を布で覆うなどの対処が必要。
- ペットカート、ペットバギーはカバーの大部分が不透明であり、車内で転回可能な大きさのもの
- 個数制限の記載なし
(東海)名古屋鉄道
- 手回り品(ケース)1個につき280円
- 長さ70cn以内
- タテ、ヨコ、高さの合計90cm程度
- 重さ10kg以内
- 個数制限の記載なし
猫と電車に乗るのはできるだけ避けたい理由
猫は縄張り意識が強いため、外に連れ出される事でさえストレスになってしまう事が多いです。
また、個々の性格にもよりますが、猫は知らない人が苦手な生き物です。たくさんの知らない人がいる環境はそれだけでもストレスになってしまうのです。
実はそれ以外にも電車に乗る事で、猫にとってストレスになってしまう理由や不都合があるのです。
聴覚が鋭い
猫は人間の聞こえない音も聞き取れるほどに聴覚が鋭いのです。
聞いた事のない電車の音や知らない人の声などは、私たち人間が聞いている以上にうるさいのです。それは猫にとって強いストレスになる事はよくわかりますよね。
休憩が取りにくい
電車は運行時間が決まっており、途中で駅に降りて休憩を取ってしまうと次の電車までの時間が長かったなどという事もあります。
猫のために休憩を取ってあげたつもりが到着時間が遅れて時間がかかってしまえば、かえって猫の負担を増やす事になってしまいます。
猫が嫌いな人も乗車している
「猫のアレルギーがある」または「小さい時に引っかかれた」などという事から、残念ながら猫を嫌っている人がいますよね。そういった方々も電車に一緒に乗り合わせる可能性があります。
料金もキチンと支払っていてキャリーバッグにも入れているけれど、心無い言葉をかけて来られる事も残念ながらあるのです。
この場合は車両を移動するなど対処する事も必要になるのですが、飼い主としては切ないですよね。
まとめ
どうしても猫を電車で連れて行かなければならない事情もある事でしょう。
キャリーバッグの中が安全な場所であるという事を覚えてもらうために、猫が入れるように普段から蓋を開けて置いておく事も良いですよ。
また、猫がパニックになって暴れてしまった時に備えて、キャリーバッグが壊れていないか、扉の部品が取れていないかなど、必ずチェックしてから猫を入れるようにしましょうね。