犬が老衰・老化している兆候とは?老衰した時にかかりやすい病気と飼い主の寄り添い方

犬 老衰

 

”犬の年齢を人間に例えると、何歳になる”と言う発想をよく耳にしますが、人間の約80歳の平均寿命に対して、大型犬は12歳程度、小型犬でも15歳程度です。

明らかにあっという間に歳をとって、老化が始まることがわかります。

例えば、今まではお散歩の時に階段を喜んで登っていたけれど、最近はあまり足が進まない気がする、そう言えばご飯をよく残すようになった、あまり話しかけても尻尾を振って寄ってくることもなくなった、体重が随分減って来た、などが見られる場合は、老化現象が進んで来ているのかもしれません。

犬の高齢(シニア)と言われる年齢は個体差がありますが、大型犬では6歳、7歳、小型犬は9、10歳を超えたら、そろそろだとイメージすれば良いでしょう。

ここではそんな高齢犬の変化である老衰や老化について解説していきますので、老犬との寄り添い方の参考にしていただければと思います。

犬が老衰・老化していると気付く兆候

飼い主さんがまず気づくことは、以前は散歩の時にグイグイ引っ張っていたけれど、最近はトボトボ歩く程度でペースが明らかに落ちた、といったことではないでしょうか?

こういった老化の兆候は一つだけではありませんから、気づかないことも中にはあるかもしれません。どんなものがあるのか、以下に紹介していきますので、ぜひ参考にして下さい。

犬の一般的な老化の兆候|外見の変化

犬の老化の兆候は、外見の変化を始め、多くの部分で人間と共通しています。

  • 白髪
    人間同様に白髪が目立つようになります。特に黒い犬の場合には、一番わかりやすいでしょう。
  • 毛艶
    若い頃に比べると被毛自体も元気がだんだん無くなって行き、食欲にムラがあるなどの問題を抱えていると、一層、被毛の質が落ちて行きます。
  • 目の濁り
    高齢犬では、核硬化症と言って眼球のレンズの部分(水晶体)の核と言われる部分が硬くなって、白く見える老化現象があります。水晶体が白く濁る白内障に似ていますが、核硬化症は視力が多少低下しても失明はありません。白内障も高齢犬で見られますが、こちらは視力が落ちて失明する可能性もあり、物にぶつかるようになった、急に触るとびっくりする、などがある場合には、こちらを疑うべきでしょう。
  • 皮膚のできもの
    皮膚にいぼのようなできものができることがあります。一番心配しなければならないことは、悪性腫瘍の可能性も考えられる為、単なる小さな”できもの”でも放置せずに、必ず、獣医師のチェックが必要です。
  • 体重の変化
    犬によっては太り始める場合と、痩せ始める場合とがあり、脂肪が増える、逆に痩せて筋肉も衰える、といったことも見られます。何かの病気が隠れていないか、健康診断で確認すべき状況です。

犬の一般的な老化の兆候|行動の変化

  • 排泄の失敗
    トイレが我慢できなくなって、粗相をすることが多くなる場合がありますが、それ以外にも隠れている病気(尿の粗相であれば、例えば腎不全や糖尿病)が原因であったり、認知症による場合も考えられます。
  • 機敏さが減る
    昔はすぐに何かに反応して、すぐに動くことが出来たはずが、段々、とっさに立ち上がって動く必要があっても、出遅れるようなことが多くなります。反応が遅いだけではなく、この背後には四肢の関節炎や背骨の問題が隠れていて、痛みを感じ始めている可能性も考えられる為、健康診断で確認をしなければなりません。
  • よく寝る
    飼い主さんが帰宅してもゆっくり寝ている、といったことが目立ち始め、普段も寝ていることが多くなり、あまり遊びなどにも関心を示さなくなります。
  • 食欲の変化
    好き嫌いが多くなったり、食べる量が減る、逆に増える、ということがあります。病気のサインである可能性もあるので、早急に受診しましょう。
  • 性格の変化
    耳が聞こえない、目が見えない、という状況になって来ると恐怖を感じ始め、飼い主さんがそばに来ても、不安であったら突然唸ったりするかもしれません。うっかり飼い主さんが痛い場所を触ってしまった場合にも攻撃して来る可能性があります。元気でハキハキしていた犬があまり遊ばなくなった場合には、老化によって鈍くなっただけではなく、どこか具合が悪いのかもしれません。獣医師に判断してもらうことをおすすめします。

犬の一般的な老化の兆候|体調の変化

  • 口臭
    特に定期的に歯石除去を行っていない場合には、高齢期に歯石が付着していることで口臭がきつくなります。内臓などの病気でも口臭がきつくなることがあり、いずれの場合にも放置する問題ではありません。
  • 視力低下
    白内障などになると、徐々に視力が落ちて物にぶつかることが多くなる為、出来るだけ早い時期に治療を検討しなければなりません。
  • 聴力低下
    耳が聞こえづらくなることがあり、飼い主さんの声に反応しないのは音が聞こえないからなのか、それとも無関心になったからなのか、といった判断は獣医師に任せましょう。
  • 下痢・便秘
    腸も段々老化現象で消化運動が鈍くなる為、下痢や便秘になることがあり、健康診断で問題が無い場合は、適切な食餌や与え方を検討する必要があります。

犬の精神的な老化の兆候

肉体的に足腰が弱くなるなどの老化現象だけではなく、人間同様に認知症を発症する事があります。

一般的な老化の兆候と重なる部分も沢山あり、判断が難しい為、何れにしても獣医師に相談すべき状況です。以下に示した主な症状を参考にして下さい。

排泄の失敗

一般的な老化現象でも挙げましたが、もしかしたら、どこがトイレか分からなくなってしまっている、外にトイレに行っていた習慣は忘れてしまった、という可能性が考えられます。

食欲の変化

食に興味が無くなったり、食べていないことを忘れている為、食餌を与えても食べないことがあります。

無関心

飼い主さんが呼びかけても無反応だったり、ボーっと立ち尽くしていたりすることが多い場合には、認知症の疑いがあります。

落ち着きが無い

理由もないのにやたら吠えたり、物を壊してみたり、夜鳴きや徘徊を始めることもあります。

記憶力低下

普段の散歩の道順を忘れていたり、前には出来ていた芸などを忘れてしまう、新しいことは覚えられない、などの症状が見られます。

性格の変化

性格の変化は認知症の症状として出て来る場合と、何か病気があってそれに対する反応で以前と性格が違うように見えるだけの場合がありますから、判断が難しい問題の一つです。

犬が老衰・老化した時にかかりやすい病気

人間も犬も高齢になればなる程、病気にかかりやすくなり、治りにくくなります。

ここでは、高齢犬がかかりやすい病気の最も代表的なものを以下の順に解説します。

  • 目の病気(白内障)
  • 歯の病気(歯周病)
  • 神経の病気(特発性前庭疾患、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症)
  • 心臓の病気(僧帽弁閉鎖不全)
  • 腎臓の病気(腎不全)
  • 生殖器の病気(前立腺肥大、子宮蓄膿症)
  • ホルモン関係の病気(糖尿病、甲状腺機能低下症)
  • 腫瘍(肛門周囲腺腫、乳腺腫瘍)
  • 脳の病気(認知症)

目の病気

白内障

老化現象による白内障は、6歳を過ぎた頃に発症すると言われており、目の水晶体(レンズ部分)の一部、或いは全体が徐々に白く濁って行きます。

初期、未熟、成熟、過熟、の4つの段階に分かれていますが、発症した時点では視力は問題ありません。

進行するにつれて視力低下が起こり、物にぶつかる、高い所にジャンプしたり、降りたりが出来ない、などが見られるようになります。現在は手術も可能ですが、眼科専門医の受診が必要です。

糖尿病の合併症による白内障もある為、糖尿病の犬は常にリスクがあります。

歯の病気

歯周病

歯周病は、プラーク(歯垢)という口の中の細菌と食べ物の残りカスが合わさった”垢”のようなもので、歯肉(歯茎)に炎症を起こす原因です。

炎症がひどくなると、歯肉は歯から剥がれて隙間が空き、歯の根っこ(歯根)までプラークが入り込み、最悪な場合は顎の骨もダメージを受けることもあります。

プラークは時間とともに唾液の成分のカルシウムと結合して歯石になり、凸凹した歯石にプラークが付着しやすくなる、という悪循環ができ上がるのです。

高齢犬でよく見かける、目の下が腫れて膿が溜まる状態は、根尖性歯周炎という状態で、麻酔をかけて処置しなければなりません。

骨の病気

関節炎

人間の高齢者も犬も同じように、年齢と共にあちこちの関節の軟骨が擦り減って、骨同士のぶつかり合いから炎症が起こり、やがて痛みを感じるようになります。

動きが鈍いのは、もしかしたら膝に痛みがある、或いは、起き上がりにくそうにするのは、肘がに痛みがあるのかもしれません。

普段の健康診断では内臓ばかり注目してしまいがちですが、実は骨も確実に老化してきています。

高齢になったら、体重管理のみならず、関節炎予防にグルコサミンやコンドロイチンなどが含まれているフードを選ぶことも、一つの予防になりますから、獣医師にフード相談をしてみましょう。

神経の病気

特発性前庭疾患

耳は外側から、外耳、中耳、内耳、と分かれており、内耳には前庭という平衡感覚を司る器官があります。

特発性前庭疾患は高齢犬に非常に多い病気で、特発性(原因不明である、という意味)に前庭神経に異常を来たし、首が傾いたり(斜頸)、めまい、眼球振盪(目がユラユラと勝手に動く)を起こして気分が悪くなり、嘔吐や食欲不振、回転する、ふらつき、などが主な症状です。

大抵は1週間ぐらいで少しずつ症状が改善して行きますが、完全に元に戻らずに斜頸のままなどの後遺症が出ることがあります。

すぐに命に関わる病気ではありません。診断は症状から行うことが多いですが、腫瘍などの可能性もある為、慎重に経過を観察することが必要です。

椎間板ヘルニア

どんな高齢犬でも発症するリスクがある椎間板ヘルニアは、ハンセンⅡ型と呼ばれています。

背骨は椎骨という骨がいくつも連なった構成をしており、その椎骨と椎骨の間にクッションとして存在しているのが椎間板です。

椎間板の中心部(髄核)はゼラチン状の物質から成り、その周りを囲むようにして繊維輪という組織が存在します。

椎間板ヘルニアは、老化現象によって繊維輪に断裂が生じて、髄核が入り込んで膨らみ、その膨らみが脊髄を圧迫して背中の痛み、四肢の麻痺、歩行困難といった症状が出る状態です。

重症な場合には、排尿や排便も自力でできなることがあり、高齢というリスクの下に手術を行うかは、獣医師と十分に検討しなければなりません。

犬のヘルニアについては、『犬がヘルニアになる原因とは?犬が椎間板ヘルニアになった時の治療法と気をつけたい飼い方』の記事で詳しく解説しています。

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変形性脊椎症

背骨は老化現象により、その構成単位でもある椎骨と椎骨の間の軟骨(椎間板)が潰れて、椎骨同士がぶつかり合い、摩擦によって椎骨と椎骨の間に尖った骨(骨棘、こつきょく)が形成されます。

この骨棘が脊髄を圧迫して、軽度では無症状ですが、重症では背中に痛みが出たり、骨棘によって椎骨同士が繋がって”ブリッジ”(橋)と呼ばれる状態になる犬もいるので、6歳、7歳を超えた頃からレントゲンにより健康診断を実施することが必要です。

心臓の病気

僧帽弁閉鎖不全(そうぼうべんへいさふぜん)

僧帽弁閉鎖不全はどの犬にも発症する可能性がありますが、特に小型犬で多く見られます。

4、5歳を過ぎた頃から徐々に体調に変化が見えて来ますが、初期の段階では飼い主さんにはあまり気付かれずに、ワクチンなどの健康診断時に心雑音を聴取して発見されることが多いです。

心臓の左側には、僧帽弁と言って左心房(心臓の上側)と左心室(下側)を仕切る弁があり、正常であれば心臓の動きに合わせて弁はしっかりと閉まって血液の逆流を防ぎますが、加齢によって弁が弱くなって来ると閉まりが悪くなります。

その結果、逆流が起きて全身に回る血液量が減り、心臓に負担がかかり始め、疲れやすい、咳をする、舌が紫になる、虚脱、などの症状が見られ、非常に危険な状態です。

早期発見には、中年期に差し掛かる頃から定期的な健康診断で、レントゲンやエコー検査を行うことが特に重要と言えるでしょう。

腎臓の病気

慢性腎不全

多くの犬は、高齢になると腎臓の機能が低下してきます。

腎臓は体の中に発生した毒素を尿として外に排泄する機能を担っていますが、その働きが十分でなくなると、毒素が体に蓄積して尿毒症という状態に陥り、亡くなる危険性もある恐ろしい病気が腎不全です。

多飲多尿、体重減少、嘔吐、食欲不振、口臭、便秘、或いは下痢、といった症状が出る頃には腎臓の75%が機能しなくなっている段階と言われています。

腎不全は、腎臓そのものが原因である場合と、心臓病が原因である場合、尿路の問題が原因である場合、と分かれますが、慢性化したものは早期から適切な治療をすることで進行を遅らせることが可能です。

生殖器の病気

前立腺肥大

未去勢のオス犬は、人間の男性に見られるように、高齢になるとオスのホルモンの関係から前立腺が大きくなります。

前立腺の場所は直腸の下に存在する為、前立腺が大きくなると直腸を圧迫して便が出しづらくなることがあり、去勢手術が必要になります。

子宮蓄膿症

未避妊のメス犬は、子宮が細菌感染を起こして膿が溜まる子宮蓄膿症になることが多いです。

食欲不振や陰部に膿が付着していたりすることで気付きますが、放置すると命に関わることもある病気で、治療には再発しないように避妊手術が行われます。

高齢の未避妊メスに非常に多く、高齢で病気になった犬の手術は若齢の手術よりもずっとリスクが上がり、入院治療が長引く可能性が高い為、若いうちに避妊手術を受けることが必要です。

ホルモン関係の病気

糖尿病

7歳以上の高齢犬に多い糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島β細胞から生産・分泌されるインスリン(血糖値を下げる働きのあるホルモン)が十分に分泌されなかったり、その効果が十分に出なかったりすることで高血糖になり、尿の中に糖が出る病気です。

症状は、多飲多尿、食べる割にどんどん痩せて行く、などがあります。糖尿病には白内障や神経障害の合併症があり、一つの病気で済むわけではありません。

遺伝的な要因や、肥満、運動不足、ということもリスクを上げるので、小さい時から食べ過ぎに注意して適切な体重を維持し、運動することが必要です。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は若い犬でも発症することがありますが、高齢犬でも多く、喉にある甲状腺という器官から作られるホルモン(甲状腺ホルモン)が足りなくなる病気です。

甲状腺は体を元気に動かす働きを担っている為、ホルモンが足りなくなると、元気がなくなり、全体的に動きも鈍く、太りやすくなり、尻尾も振らない状況になります。

脱毛や皮膚炎が見られることも多く、これらの症状は老化の兆候と勘違いすることもありますから、しっかりと検査することが必要です。

腫瘍

肛門周囲腺腫

肛門周囲腺腫は、特に高齢の未去勢のオスに多く、オスのホルモンが関係している病気です。

お尻の周りにできる腫瘍で、硬いしこりとして発見されますが、オスの場合は良性、避妊メスの場合は悪性が多いと言われています。

腫瘍は出血して化膿したり、便が出しづらい、などの症状を伴い、再発の確率を低くする為に去勢手術と腫瘍摘出を同時に行いますが、念のための経過観察が必要です。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、メスのホルモンが関連した腫瘍で、8歳以上の高齢の未避妊のメスに非常に多い病気です。

半分以上が良性であると言われていますが、中には悪性もあり、胸のしこりが徐々に大きくなったり、破裂、数が増える、と言う症状に悩まされます。

治療は外科的に切除を行いますが、発情前の生後6か月頃までに避妊手術を受けることで発症率は明らかに低下するので、子宮蓄膿症と共に、病気予防の避妊手術はメス犬を飼う前に家族でよく検討しておくべき内容です。

脳の病気

認知症

犬は、人間のアルツハイマー型に似ていると言われる認知症になることがあります。

徐々に進行して行く病気で、脳の神経細胞が失われ、以前出来たことができなくなってしまったり、排泄の失敗が増えたり、飼い主さんに攻撃的になったり、などが主な症状です。

診断には以下の DISHAという症状の基準が設定されています。

  • D:Disorientation(見当識障害):方向がわからなくなる。
  • I:Interaction changes(社会的交流の変化):飼い主さんに無反応になる。
  • S:Sleep-wake cycle changes(睡眠サイクルの変化):昼に寝て夜に起きる。
  • H:House soiling(不適切な排泄):あちこちに排泄する。
  • A:Activity levels changes(活動性レベルの変化):遊びたがらない、新たなことを学習出来ない、性格変化、分離不安、などが起きる。

具体的な症状は、犬の精神的な老化の兆候を参考にして下さい)

認知症を予防するには、何かと刺激を与えて脳を活発化されることが大事です。

オモチャを使ったゲーム感覚の遊びを一緒に行ったり、オヤツを与える場合には、何か工夫しないとおやつにありつけない、という状況を作ることも有効と考えられます。

(参考文献:CLINICAL VETERINARY ADVISOR 2nd edition, TEXT BOOK OF SMALL ANIMAL SURGERY 3rd edition)

犬の認知症については、『犬も認知症になる!?気をつけたい犬の認知症と予防法』の記事で詳しく解説しています。

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老衰した犬との飼い主の寄り添い方

若い時とは大きく異なり、今まで出来たことができなくなることも多いと考えられます。

高齢になったことで、一番気にしなければならないことは、病気の問題です。年に最低2回程度は健康診断をして、順調に歳を重ねているかどうかを診てもらいましょう。

病気を発見した場合には、病気によって適切なケアが必要になります。

犬によって状況は異なる為、かかりつけ獣医師に指導してもらうことが一番安心ですが、ここでは、一般的に飼い主さんが出来るケアについて説明します。

老衰した犬の健康管理

若い時とは違って、食べたり、食べなかったり、が出て来ます。それによって排泄も変わり、体重も変わります。以下のポイントは必ず毎日確認しましょう。

食餌の量

しっかり必要量を食べたかの確認が大事です。食べなかった場合には元気を確認して、元気が無ければすぐに受診、元気があれば、一度、電話で獣医師に相談をおすすめします。

飲水量

飲めば良いと言うよりも、どれぐらい飲むのか、という問題です。明らかに以前より増えていると感じたら、すぐに受診をしましょう。

排尿

回数が多い、一回の量が多い、色、などの変化があるか確認しましょう。変化があれば、すぐに受診して下さい。

排便

フードによっても便は、回数や形が変わります。いつもの便より硬い、出ない、臭気、下痢、などの変化は高齢犬にはよくあることですが、病気が隠れている可能性もあります。

定期的に出ない、便秘気味、下痢、となれば受診が必要です。

体重

大型犬は自宅での体重測定が難しいですが、月に1回程度、測定をしておくべきです。体重減少や増加が続く場合は、獣医師に相談して下さい。

老衰した犬の生活環境

普段の生活環境では、以下の点に気を配って下さい。

静かな環境

突然音を発したり、常に騒がしい状況を作ることは避けて、ゆっくりできる空間を確保しましょう。

特に小さなお子さんは、必ず大人と一緒に接して、何故静かにしなければいけないかを説明し、その理由を理解させることが非常に重要です。

ベッドに気を遣う

自力で寝返りがうてる場合には、あまり柔らかいと腰に負担をかけることがある為、適度の硬さがあるものが必要ですが、寝返りができない場合には、柔らかい物や介護用クッションを使いましょう。

水や食餌は寝ている近くに置く

自力で食べたり、飲んだりできる場合には、寝ているそばに置きましょう。

ただし、ひっくり返さないように、固定できるものが必要です。首が痛くないように高さも調節してあげましょう。

障害物は置かない

特に目が見えない場合には、ぶつかりそうな物は周りに置かない、フロアに物を落としてもすぐに拾う、などの気配りが必要です。

目が見えなくなってから、家具の配置を変えることはしないで下さい。残っている記憶によって避けることができます。

フローリングは避ける

フローリングは滑りやすく、足腰に負担がかかりやすいので、カーペットを敷いたり、なるべく歩かせないようにしましょう。爪も定期的に切ってあげて下さい。

室温と湿度

留守中の部屋の温度は、一定に保つように設定しましょう。

高齢犬の体調や犬種によって最適温度は個体差があり、夏は25℃前後で風通し良くする、冬は22℃前後で必ず暖かい毛布などを用意する、などの調節が必要です。

湿度も人間が不快になるような湿度を避けて、50〜60%を目安にして下さい。

老衰した犬のケア

老衰した飼い犬には普段の生活の中で、直接どのようなことをやってあげられるか、以下のポイントを参考にして下さい。

食餌

歯が悪かったりすることもありますから、なるべく食べやすいタイプのフォームを選びましょう。

自力で食べられない場合には、獣医師にどのようなタイプのフードが与えやすいか、どのように与えるべきか、を相談して下さい。

横になったままでは誤飲することもあり、犬の体調を知った上で個別に検討するべき問題です。

排泄

自力で排泄が出来ない場合には、獣医師の指導を受けて下さい。垂れ流しの状態でオムツをしている場合には、お尻周りや陰部は綺麗にバリカンで刈り上げることが大事です。それによって拭き取ることが簡単になります。

刈り上げてしまっても、オムツをしていることで保温できますが、オムツかぶれは一番の問題です。

こまめに軟膏を塗布する必要があり、かぶれの状況によって治療が異なる為、獣医師の指示に従って下さい。

シャンプー

不潔な状態は感染を起こしやすく、体を洗ってあげたい一方、シャンプーは非常に体力を使いますから、体調を見極めなければなりません。以下の例を参考にして下さい。

A. サロンに依頼

もしも、長年グルーミングしてくれている担当の方がいらっしゃれば、その方にお願いするのが一番安心です。サロンへの移動ストレス、全身シャンプーの必要性などは、獣医師と相談しましょう。

B. ドライシャンプー

自宅で行う場合には、手間がかからないドライシャンプーを行う方が無難です。

最初によくブラッシングをして無駄毛や毛玉を全て取り除き(不慣れである場合に皮膚を切る恐れがある為、ハサミは使用しない)、シャンプー剤の指示通りにドライシャンプーを体にかけてマッサージをして下さい。

寝たきりの場合には、片面ずつ手早く行いましょう。床ずれなどの傷がある場合は、必ず獣医師と相談して具体的な方法を検討して下さい。

C. 部分シャンプー

部分シャンプーは、非常に汚れやすいお尻周りなどに適しています。

ドライシャンプーでは落とし切れず、感染源になりやすい為、ぬるま湯でしっかり濡らして、わずかなシャンプー剤を掌で温めて、最低5分程度は優しくマッサージして洗浄しましょう。

数枚のタオルでタオルドライしてから、火傷しないようにドライヤーを遠くから当て、反対の手でタオルで拭き取り、しっかりと乾かして下さい。

特に骨ばって皮膚が薄い状態である場合は、必ず獣医師に相談してから実行して下さい。

D. その他の選択肢

自宅で全身を濡らしてシャンプーすると、その後の乾燥が不十分な場合に皮膚が湿気から不潔になり、かえってマイナスの効果になることがある為、必要に応じて獣医師に相談して下さい。飼い主さんの体力も必要です。

運動

老犬になっても気晴らしの散歩は非常に良いことです。以下のことを気をつけながら、動ける時には1日に1回は外に出かけましょう。

A. 散歩道

関節炎などの問題がある犬は、平坦な道だけを選んで犬のペースで歩いて下さい。途中で疲れたようであれば抱いて帰る、大型犬は少し休んでから帰るようにしましょう。

老犬用のハーネスなどを使って、歩く際の関節への負担を減らして5分でも外に出る機会を作ってあげることも、認知症予防になります。

B. 散歩のタイミング

散歩に出かける時間は決めておいても、眠っているところを起こして無理に連れ出さないように犬の都合をよく観察して、少し自宅でウォーミングアップしてから出かけましょう。

C. 気温

屋内と屋外の気温差が大きい夏や冬は、出かける前に気温に体を慣らす必要があります。

夏場は明け方か夜遅くの涼しい時間を選び、家の外に出てムッとした熱気を感じるようであれば、無理に歩くことはやめましょう。

冬場は、暖かい格好をさせることと、家の中と外の温度差を激しく感じないように慣れさせてから外に出して下さい。

D. 無理は禁物

出かけたくなさそうであれば、そのまま寝かせてあげましょう。その代わりに、邪魔にならない程度に、しばらく側に一緒にいて撫でたりしてあげましょう。

床ずれ

飼い犬が老衰して寝たきりになると、床ずれの問題が出てきます。最近では専用のクッションなどが販売されていますから、是非、こういった製品を有効活用して下さい。

犬の体重によって床ずれの度合いはかなり差がありますが、長い時間、同じ場所だけに体重が掛かってしまう結果、血行障害が起きるのは確実です。

一緒にいられる時は、出来る限り、何度も声をかけながら体勢を変えてあげましょう。必ず、背中側を上にして反対側にゆっくりと倒して下さい。

コミュニケーション

認知症予防にも繋がる飼い主さんとのコミュニケーションは、どんな形であれ非常に大事です。

スキンシップでマッサージをしてあげたり、ただ撫でてあげて名前を呼ぶだけでも違います。

爪切りをしてみたり、耳掃除をしてみたり、ブラッシングをしてみたり、何かしら声をかけながら接することは、犬にとっての喜びであり、脳に良い刺激を伝えて血液の循環も良くなります。

まとめ

毎日、犬も人間も確実に歳をとって老化の兆候が見えてきます。

体が不自由になる日が来るかもしれないのは、誰でも同じですから、逆に当たり前と考えて準備しておけば怖いことはありません。

日頃から健康診断が受けるべきなのは人間も犬も同じであり、異常が見つかったら早急に治療を開始して、1日でも長く健康でいられるようにケアしてあげましょう。

5、6歳を過ぎたら、最低、年に一度は”ドッグ・ドック”を行って、今後どういったことに注意しなければいけないのか、獣医師にアドバイスをしっかり聞いて”老後”に役立てて下さい。

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