犬を飼おうと思った時、あなたはどんな方法を選びますか?
知人からもらい受ける、ペットショップで購入することなどが、現在まで主流とされてきましたが、現在は新たな取り組みが始まっており、保健所からの里親制度で譲り受けることもできるようになっています。
ペットショップから購入するのも良いかもしれませんが、一度殺処分を前にした犬を保健所から引き取ることも選択肢の一つとして考えてみてください。
里親になりたいけれど、どのようにしたらいいかわからない方のために、今回は犬の里親制度についてご紹介していきます。
犬は保健所から引き取れる!
ペットショップから子犬を飼うこともできますが、しつけに自信が無い方や、子犬よりも成犬が飼いたい方、種類は問わないという方は保健所から犬を引き取る里親制度がおすすめです。
保健所には、野良犬を含めた飼い主がいない犬たちがいます。新たな暖かい家庭を待ち望んでいる犬たちが、新しい飼い主さんを今か今か、と待ちわびているのです。
保健所にいる犬は野良犬だけではない
保健所にいる犬は野良犬だけと思っている方もまだまだ多いと思います。しかし、実際は飼い主さんとはぐれて迷子になってしまった犬や、飼い主さんが何らかの事情で飼えなくなった犬もいるということを知ってください。
子犬がたくさん産まれてしまって、引き取り手のない場合も含まれます。今の日本のペット事情では、犬が家庭の1/3を占めているのに対し、手放す方も多いのです。一度家庭で飼われていた犬は、人間の愛情を知っていますので、飼いやすいということも、里親の魅力です。
成犬だけではない
保健所には成犬ももちろんいますが、子犬もいます。子犬を飼ってみたいという方も、保健所から引き取ることも考慮してみてはいかがでしょうか?里親に出る子犬は、離乳食が終わった通常のドッグフードを食べている大きさが多いです。
成犬の場合は、前の飼い主さんからのしつけやコマンドが入っている場合がありますが、子犬の場合はまっさらです。1から教えていくこと根気よくチャレンジできるという方は、是非子犬を見に行ってみてくださいね!
保健所での殺処分を減らすことができる
保健所に収納されている犬たちは、1週間ほどの期間を経て愛護センターへと送られ、ここで殺処分されてしまいます。愛護センターの雰囲気は独特のものがありますので、勇気が出ない方もいるでしょう。
しかし、保健所、愛護センターともに犬の里親募集は、犬の生涯が終わるその時まで行っています。命を助け、パートナーとして側に置き、犬を飼うことはとてもいいことだと思います。殺処分の問題は日本ならでは、ということも知って欲しいと思います。
犬の殺処分の現状については、『犬の殺処分の現状。殺処分ゼロの為に一人ひとりが考えたいこと』の記事で詳しくお話しています。
海外のペット事情では里親制度がメジャー
日本ではまだまだ、ペットショップからの購入が多く、里親制度を利用する方が少ないペット事情ですが、海外では正反対なことをご存知でしょうか?
海外の国によってはペットショップが廃止されている国もあり、ブリーダーか里親でしか飼えないようにしている国もあり殺処分数は0なのです。
欧米諸外国に比べると日本はペット後進国と言ってもいいですよね。まずは、あなたが先駆けとして保健所から犬を里親で譲ってもらってみませんか?一人ひとり犬の里親制度を知っていってほしいとそう思います。
保健所は各市町村にある
保健所の場所が分からないという方は、まずインターネットで調べてみると、正確な場所が分かると思います。保健所は各市町村に配置されています。街の役所に電話で問い合わせをすると、詳しく教えてくれることでしょう。
犬を保健所から引き取る方法
保健所から犬を引き取ってみたいと考えたあなたは、素晴らしいですね!でも、どうやって引き取ったらいいかわからない…という方のために保健所から犬の引取方法をご紹介します。
どんな犬がいるのかチェックしてみよう!
各自治体の保健所のホームページを開くと、里親募集中の犬たちの画像や情報が掲載されています。情報は、以下のものが挙げられます。
- 犬の画像何点か
- 毛色
- 性別
- 現在の体重(子犬の場合は成犬になった時の体重の見込み)
- 推定年齢
- 性格
- 保健所の連絡先
これらの情報で、飼い主さんの生活に合った犬を選びましょう。
譲渡ボランティアのサイトも見てみよう
殺処分の期日が迫った犬たちは、譲渡ボランティアさんの家庭や施設に命のリレーとして預かられていることもあります。なので、そのリレーのバトンを受け取るために、ボランティアの方のサイトを見てみましょう。
保健所と同じような情報が掲載されていると思いますので、気になった子がいれば連絡をしてみましょう。この時に、フリーメールアドレスよりも、携帯のメールアドレスを使ったり、直接電話をかけることがおすすめです。
見つけたらすぐ行動!
保健所で新しい飼い主さんを待っている犬の中で、気になる子がいたらすぐに行動に移しましょう!殺処分当日の場合は、電話よりも直接保健所や愛護センターに出向きましょう。
これはなぜかと言いますと、過去に同じようになられた方がいましたが、保健所や愛護センターに犬を殺さないで欲しいという電話が殺到し、本当に引き取りたい方の電話が繋がらなかったということがありました。
これでは本末転倒ですよね。なので、殺処分日数が残り少ない場合は、直行でもかまわないのですよ!
譲渡前講習について
保健所から犬を引き取りたいと考えている方は、保健所にて譲渡前講習を受けなければいけません。この譲渡前講習は、犬と飼い主さんがより良く過ごしていくための講習で、費用が掛かったり、難しい勉強をさせられるわけではありません。
内容は犬を飼うにあたってのルールやマナーなど、いわゆる飼い方セミナーといったところです。できれば家族全員で受講することをおすすめします。
お見合いをしてみよう!
実際に保健所にいる犬とお見合いをして相性の確認をしてみましょう。飼い主さんの生活環境に適した犬をマッチングするためにも、大切なことです。どのような性格か、職員さんに詳しく聞くことができるので、聞きたいことをメモに準備していくといいですね!
迎え入れる準備をしよう!
あなたにマッチした犬が見つかれば、職員さんにお話しをして犬を迎え入れる準備をしましょう!準備するものは以下のものが挙げられます。
- ケージ
- 餌、食器
- トイレ
- キャリーケースやクレート
- 寝床、ベッド
- 首輪、リード
- おもちゃ
- 帰宅時に連れて行く動物病院
犬と生活するにあたって、このようなものが必要になります。動物病院につきましては、ワクチンの接種の予約や健康診断などの為に、あらかじめ電話で費用などを聞いておくと安心できます。
これらのものが準備できたら、キャリーケースやクレートを持ってお迎えに行きましょう!
譲渡申込書と誓約書を提出
インターネットからダウンロードできるものもありますが、保健所でもこれらの書類はもらえるので記入しておきましょう。内容は、飼育環境の確認や譲渡年月日などです。印鑑が必要な場合がありますので準備しておきましょうね!
万が一犬との相性が悪かった場合
里親制度で引き取った犬と生活をしていると楽しい反面、様々なことも起こることでしょう。相性が悪いと決めてしまう前にまず、考えてみて欲しいことがあるのです
犬が人間の言葉を理解するのには時間がかかる
保健所にいた犬は人間との接触が少なかった犬もいます。初めから人間の言葉を理解する犬は、まずいません。オスワリやマテなどのコマンドができない、言うことを聞かないのは人間の言葉が分からないからなのです。
何度も教えることで、きっといつかできるようになりますので根気が必要です。
人間不信になってしまった犬もいる
保健所にいたことが苦痛、もしくは捨てられた記憶が消えないなど犬によっては人間不信に陥ってしまっている犬もいます。怯えて小屋から出てこようとしない時は、そっと温かく見守ってあげてください。
犬が心を開いて、自分から近寄ってくるようになるまで必要以上にかまいすぎないことが大切です。犬のペースに人間が合わせてあげることも重要なことなのですよ。
新しい環境に慣れるまでに時間がかかる
人間なら新しいおうちにやってくると、ウキウキワクワクしますが犬は一概にそうとは言えません。犬は人間よりも嗅覚が優れており、自分が嗅いだことのないにおいに、犬は不安を感じる生き物です。
まずは犬のにおいを付けるために、1週間は寝床などの洗濯をやめてみましょう。自分のにおいが定着したら、きっと犬も落ち着いてきますよ。
吠える原因は何か探る
犬は人のように喋る事ができない代わりに、吠えて感情を伝えます。なので、なぜ吠えるのか考えてみましょう。不安を感じている、寂しい、甘えたい、怖い、外に行きたいなど、きっと何か原因があるはずなのです。
飼い主さんにしか分からない犬の気持ちを汲み取ってあげることで、きっと無駄吠えもおさまってくることでしょう。
保健所で開催される飼い方教室で相談してみる
保健所では定期的に飼い方教室を行っています。おそらく、譲渡申込書と誓約書を提出したことから自宅に案内のお手紙やハガキが届いていることと思います。
この飼い方教室に行ってみて職員さんに相談してみましょう。どのようにするといいか、一緒に考えてきっといいアドバイスをくれると思いますよ。
せっかく出会った命。よりよい生活を。
命のリレーをあなたが繋げたのですから、とても素晴らしいことですよね!なので、相性が合わないということだけで見捨てないで欲しいのです。どのようにしてあげるといいのか悩みはきっと尽きない事でしょう。
しかし、犬は自分の為にあれこれと悩んでいる飼い主さんをしっかり見ています。より良い信頼関係とは、こうして築き上げていくものではないでしょうか?大丈夫、今は相性が合わないと感じても、いつかきっと、とてもいいパートナーになるはずです。
犬が吠えるのを止めない時は、すごく飼い主さんを悩ませてしまいます。そんなときは、『犬が吠えるのをやめさせたい!正しいしつけの方法教えます』の記事も合わせて参考にしてみてくださいね。
まとめ
青空を見ることができて、暖かいベッドで眠って、お腹いっぱいご飯を食べる、そんな普通の生活を待ちわびている犬たちがいます。あなたの勇気が未来を変えることだってあるのです。
犬との生活は大変なこともありますが、それよりもかけがえのない大切なことを教えてくれます。犬を飼う方法として、これから広まっていくといいですね!