猫が飼い主さんと一緒にお散歩をしている姿を見掛けたことはありませんか?実は最近では、猫も犬のように散歩をさせる飼い主さんが増えてきているそうです。
自由気ままにしている猫にとって、リードやハーネスを装着されて、自由を制限されながら歩くのは飼い主さんの自己満足では?との声もあり意見が分かれています。
そこで、猫の散歩は本当に必要なのかをまとめてみました。そして、実際に猫を散歩させるとしたら、どんなことに気を付けるべきなのかもまとめましたので、猫のお散歩について興味のある飼い主さんは、是非参考にしてみてください。
目次
猫に散歩が必要かどうかは猫次第
好奇心旺盛な猫
猫にも性格が様々ありますので、好奇心旺盛な子や神経質な子もいます。窓辺で外の様子を見ているだけでは満足できずにストレスを溜めてしまう子もなかにはいます。
しかし、突然粗相をし出したり、急に凶暴な面を見せたりするときにはストレスが溜まっている可能性があります。好奇心旺盛なタイプの猫は、活発な子であることも多く、運動不足でストレスが溜まっているのかもしれません。
このような猫は、時には外に連れ出して外の空気を感じさせてあげることで、好奇心が満たされ気分転換にもなります。そのまま少し運動をさせてあげれば、運動不足も解消され、自宅では穏やかに過ごすようになることもあります。
元々は外で過ごしていた猫
ある程度の月齢までを外で過ごしてきた猫は、室内での生活に慣れたあとでも、時々外に行きたがるような仕草をみせることがあります。
室内での穏やかな生活に満足はしていても、変化に富んだ外の世界を思い出すことがあるのかもしれませんので、時には外の空気を吸うために連れ出してあげると良い気分転換になるでしょう。
散歩のメリット
猫を散歩に連れて行くことで得られるメリットはいくつかあります。
- 外の空気を吸うことでストレス解消につながる
- 運動不足の解消になる
- いつもと違う環境に出ることで、気分転換になる
- 飼い主さんと一緒にいつもと違った時間を過ごし、絆が深まる
猫の散歩は、犬のように何十分も歩いたり、走り回ったりする必要はありません。
少し外を歩くだけでも十分ストレス解消や気分転換になりますし、毎日きちんと決まった時間に連れていく必要はなく、時間のある時に時々連れていく程度でも十分です。
散歩のデメリット
散歩にはメリットもあればデメリットも当然あります。
- 見慣れない物を見たときや、大きな音がしたときにパニックになってしまう
- ダニやノミが寄生する
猫はイレギュラーな出来事には敏感に反応し、場合によってはパニックになり思いがけない動きをすることがあるかもしれません。
そのような時に誤って逃げ出したりすることのないように、ハーネスなどはきちんとサイズの合った物を用意する必要があります。
もし猫に散歩させるなら気をつけたい注意点
ハーネスを用意しましょう
猫を散歩させる時には、首輪にリードというスタイルではなく、胴体に通すタイプのハーネスを用意するようにしましょう。サイズもきちんと身体に合った物にしてください。
猫は頭が思ったより小さいので、首輪をきちんとしたつもりでも、何かの拍子に抜けてしまうことがよくあります。
外は何があるか分かりませんので、万が一首輪から抜けてしまってそのまま迷子にでもなってしまったら大変です。ハーネスも室内で装着練習を何度も行ってから外に出るようにしましょう。
ワクチンや寄生虫の予防
外には野良猫もたくさんいます。野良猫たちは病気を持っている可能性もありますので、感染症のワクチン接種はきちんとしてから散歩に行くようにしてください。
ノミやダニに寄生されてしまう可能性もありますので、そちらの予防もきちんとしておきましょう。
猫のダニやノミ対策については、『猫のダニやノミはどう対処すべき?早めにやっておきたい予防法!』の記事で詳しく解説しています。
散歩コースの選択
猫との散歩コースは、なるべく人通りが少なく車もあまり通らないような道を選択するようにしてください。
野良猫が多い地域では、飼い主さんが前もって下見をして野良猫が多く集まっている場所などは避けるようにしたほうが無難です。
人が連れていれば見知らぬ猫が自分たちのテリトリーに入ってきたとしても、そうそう喧嘩になることはありませんが、念の為野良猫が多くいる場所には近付かないことをおすすめします。
散歩中に猫は草を食べたがりますが、道路に生えているような草は猫が口にすると危険なものの場合もありますし、近くに感染症を持った猫がいた場合に草を通して感染しないとも限りません。
実は猫にも天敵がいます。もし散歩する場合には天敵に気をつけるようにしましょう。猫の天敵については、『猫に天敵は存在する?外の気をつけたい生き物たち』の記事で詳しく書いています。
散歩中は、猫が道端の草などを口にしないように注意するようにしましょう。
家でもストレス発散や気分転換をさせる方法はある!
ベランダで日向ぼっこ
たまに猫を外に連れていくことのメリットは理解できても、やはりデメリットを考えると散歩には乗り気になれない場合には、自宅のベランダで日向ぼっこなどをさせてみるのもおすすめです。
ただし、ベランダの柵の隙間から屋根に降りて、そのまま脱走してしまう場合もあります。ベランダに出す時には、事前にベランダの構造をよく確認して、ペット用のフェンスやワイヤーネットを付けておくようにしましょう。
猫はよじ登れたり、高くジャンプをしたりすることも計算に入れて、ベランダから外には出られないような環境を作るようにしてください。
庭で遊ばせる
ベランダ以外では、庭がある家では庭に出して遊ばせる方法もあります。ただ、ベランダと違い庭の場合にはノーリードは心配ですので、長めのリードを用意して自由に動ける範囲を広げてあげましょう。
自宅の庭でしたら、野良猫に遭遇することも知らない人に出会うこともないので、猫は自分のペースでゆっくりと外の空気を感じることができます。
猫を庭に放す場合には、花壇や植木などに猫にとってよくない植物がないかを確認するようにしてください。
キャットタワーを用意する
全ての猫が外の散歩を喜ぶ訳ではなく、なかには警戒心が強かったり臆病だったりする猫もいます。そのような猫は、無理に外に連れ出すと逆にストレスを感じてしまうかもしれません。
散歩に連れ出そうして嫌がる様子を見せるようであれば、無理強いをすることはしないでください。
外が苦手な猫もストレスは溜まりますし、運動不足にもなります。そこで、室内で上下運動をすることができるように、キャットタワーを用意してあげると、運動不足の解消やストレス発散に繋がるでしょう。
外に行くのは嫌でも、外を眺めるのは好きな猫は意外と多いです。キャットタワーに登った時には、そこから外を眺めることができるような場所に設置してあげてください。
まとめ
猫を散歩させる人が増えてきてはいるといっても、実際はまだまだその数は少ないのかもしれません。それは、猫の散歩は犬の散歩とは違い、必須のことではないからではないでしょうか。
外へ連れ出すことは、気分転換や運動不足の解消に繋がるとはいっても、猫は平面での運動よりも上下の運動を好みますので、キャットタワーを設置してあげればある程度の運動は室内で可能になりますし、ノミやダニの寄生を考えると躊躇してしまう飼い主さんが多いのかもしれません。
ただ、時々外の空気を吸わせて、季節の温度変化を肌で感じさせてあげるようにすると、換毛期以外の時期には被毛が抜けにくくなるという猫もいるのです。
確かに猫のお散歩は必須のことではありませんが、飼い主さん自身が散歩に出るときなどに、嫌がらないようであれば時々猫も一緒に連れて行ってあげるようにしましょう。
猫は散歩に行くことによって生活に変化が生まれると同時に、一緒の時間を共有することで飼い主さんとの絆も更に強くなっていくのではないでしょうか。お互いの気分転換に、上手に散歩を利用するようにしてみてください。