猫に生肉を与えたことがありますか?時々、猫のご飯に生肉を混ぜてあげているという話を耳にしますが、猫に生肉は与えても大丈夫なのでしょうか?お腹を壊すことがないのか心配になりますよね。
そこで、猫に生肉を与えても問題はないのか、もし与えるのであれば、与える時に注意しなくてはいけないことはあるのかなどをまとめました。
生肉を与えても問題がないのであれば、あげてみようかと思っている飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
猫に生肉を与えても問題なし!?
猫は肉食動物
猫の祖先であると言われているリビアヤマネコは肉食動物ですので、現在の猫も肉食動物に分類されています。その分類の通りに猫は体内で生肉を消化することが可能となっていますので、生肉を与えることには問題はありません。
最近では品質の良いキャットフードが多く出回り、その品質の良さと飼育環境の良さが加わり猫は長寿化傾向にあります。
その為、猫の食事はキャットフードのみにしている方が多く、あえて生肉を猫に与える飼い主さんは少ないとは思いますが、次の項目で猫に生肉を与えるメリットを紹介していきましょう。
猫に生肉を与えるメリット
猫に生肉を与えることによって起こるメリットをいくつか紹介します。
- ドライフードと比べると生肉は消化がいい
- 水分も含まれているので、食事と一緒に水分補給をすることができる
- 腎不全の予防に役立つ
- 食欲のない時でも、生肉を与えると喜んで食べてくれる
- 元気な身体を作り、動きが活発になる
- 余計な添加物を摂取しなくてすむ
- 猫にとって重要な栄養素が豊富に含まれている
生肉には、必須アミノ酸・ビタミンA・酵素が豊富に含まれていて、これらの成分は猫の身体を作るために必要な栄養素になります。
フードも肉が多く含まれている物を!
いくら猫が肉食とはいっても、毎日のように生肉を与えるのでは栄養バランスも偏ってしまいますし、用意する飼い主さんも大変になってしまいます。
現在市販されているキャットフードには、肉が多く含まれている物も多数ありますので、それらを選んで与えてあげれば猫が必要とする栄養素はきちんとまかなえるでしょう。
フードを選ぶ時には、裏面の原材料の欄をよく確認するようにしてください。ペットフードに限らず、原材料の欄には材料として使用量が多い順に記載する決まりになっています。
その為、原材料の最初に「肉(鶏肉・ターキー)」などの記載がある物を選ぶようにしましょう。
猫に生肉を与える時の注意点
生肉は新鮮なものを
猫に与える生肉は、その日に購入したばかりの新鮮な物にしてください。賞味期限内であったとしても、冷蔵庫で数日おいた物や、家庭の冷凍庫で一度凍らせた物を再度解凍して与えることは避けるようにしましょう。
与える部位については、脂肪分はできるだけ取り除き赤身の部分のみにしてください。生肉の脂肪分を与えてしまうと、消化不良を引き起こし嘔吐や下痢の原因になってしまいます。
また、豚肉には寄生虫が多いので、与えるのであれば鶏肉か馬肉がおすすめです。
栄養バランス
猫に生肉を与えている飼い主さんのなかには、手作り食を実践している方も多いのではないでしょうか。手作り食には愛情はこもっていますが、残念なことに栄養不足や栄養バランスの偏りが起こりやすくなってしまういます。
ここ数年の猫の長寿化は、飼育環境の向上や獣医学の進歩と共に、品質の良いキャットフードが出回ったことにも大きく関わりがあります。
現在では、キャットフードを適正量与えていれば、他の食品を与えなくても栄養バランスに問題はないと言っても過言ではありません。
ただ、生肉を与えることでメリットも得られますので、通常与えているフードに週2回程度、トッピング程度に与えるのがベストと言えるでしょう。
トキソプラズマには要注意!
猫に生肉を与える時に、一番注意をしなくていけないのが寄生虫です。生肉に多少の菌は付き物となりますが、猫がそれを食べてしまっても嘔吐や下痢の症状を起こし体外に排出してしまう場合が多く、人にも特に害はありません。
ただし、トキソプラズマに関しては別です。成猫はトキソプラズマに感染しても特に異常は表れないことが多いのですが、人へは感染してしまうことが分かっています。妊娠中の女性が感染をしてしまうと、胎児の成長過程で異常の出る場合があります。
猫がトキソプラズマに感染していたとしても、猫から人に感染することはほとんどないと言われてはいますが、絶対に感染しない訳ではありませんので、妊娠中の方がいる場合にはせめて赤ちゃんが無事に産まれるまでは、猫に生肉を与えるのは控えるようにしましょう。
生肉は成猫になってから
子猫には生肉を与えるようはやめるようにしましょう。子猫はまだ身体がきちんとできあがってないうえに、内蔵も成長段階となります。
例えば、先に紹介したトキソプラズマに感染してしまうと、成猫であれば何の症状も異常も表れないことが多いのですが、子猫が感染してしまうと嘔吐や下痢・発熱・咳・呼吸困難などを引き起こす可能性が大変高く、最悪の場合は死に至ることもあるのです。
猫に生肉を与えるのであれば、成猫になってから与えるようにしましょう。
子猫の餌の選び方は成長毎に変えないといけません。詳しくは、『これで大丈夫!子猫に餌を与える方法と、成長毎の餌の選び方』の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
性格が少し凶暴になる
猫に生肉を与え続けると、稀に性格が凶暴になることがあるようです。肉は猫の本来摂取すべき食べ物なのですが、現在ペットして飼育されている猫は、何十年も生肉を食べ付けない生活環境で育ってきました。
本来持っていた狩りをする本能が、生肉を食べたことによって前面に表れてきてしまう可能性があるということ。だからといって生肉を食べた猫が、必ずしも凶暴になる訳ではありません。
生肉には猫の心と身体を活発にする働きが含まれていますので、今までのんびりと生活していた猫が、生肉を食べ続けたことで活発に動き回るようになり、それに慣れていない飼い主さんが、猫が凶暴になったと思われたのがそう言われる原因かもしれません。
ただ、やはりあまり生肉ばかりを与えてしまうと、少し性格は変わってくるという話も時々耳にしますので、栄養バランスの面からみてもあまり頻繁に与えないようにしましょう。
その他にも、猫が食べても良い食べ物やダメなものがありますので、『栄養満点?猫が食べても良い野菜と絶対食べてはいけない野菜まとめ』の記事も合わせて参考にしてみてくださいね。
まとめ
猫に生肉を食べさせても大丈夫なのかということについて、詳しく紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
本来肉食動物である猫には、生肉を与えると様々なメリットがあることが確認できましたが、あまりあげ過ぎもよくありません。
人と同様に猫が元気で長生きする為には、栄養バランスも大切になりますので、品質の良いキャットフードと合わせて、時々ご褒美やおやつのような感覚で生肉を与えるのが、猫の健康に繋がるのでしょう。
ただし、生肉には寄生虫が付いているという心配もあります。飼い主さんのなかには、半生程度に火を通して与えている方もいます。
加熱をしてしまうと、大切な栄養素は多少壊れてしまいますが、全てが壊れてしまう訳ではありませんので、その時の状況に応じて工夫をしながら肉を与えてあげるようにしてください。