猫に与える飲み物といえば、水やミルクを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?野良猫などを見掛けると、牛乳を与える方もいますよね。
猫の健康を気遣って、水道水ではなくミネラルウォーターをあげているという話も時々耳にします。
では、猫の健康のためにはどんな飲み物を与えるが本当にいいのでしょうか?そこで今回は、猫に与えたい飲み物と、与えてはいけない飲み物をその理由と共に紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
猫に与えても良い飲み物
水
離乳前の子猫に与えるミルクは別として、猫に与える飲み物は何の変哲もない水道の水だけでも問題はありません。
最近では水にこだわりを持たれている飼い主さんも多いようなので、水道水では心配の場合には、一度水道水を沸騰させた物を冷ましてからあげるのでもいいでしょう。
水道水以外ではミネラルウォーターを利用している方が多いようですが、ミネラルウォーターを与える時には、カルシウムやマグネシウムの含まれている量が少なめの軟水を選んでください。
ただし、常用してしまうと尿路結石の心配が出てきますので、他に飲み水が確保できない場合のみにするようにしましょう。
どうしても水道水を与えることに抵抗があるのであれば、ペットの健康維持を配慮したペット用のミネラルウォーターが販売されていますので、そちらを利用するようにしてください。
ミルク
離乳前や離乳食時の子猫には、人間用の牛乳ではなく子猫用のミルクを与えるようにしてください。猫用のミルクには、成猫と子猫用があるのですが、含まれる栄養成分が違いますので子猫には子猫用を選んで与えるようにしましょう。
ホームセンターやペットショップで販売されていますが、もしも手に入らない場合には動物病院でも置いてあることがありますので相談してみてください。
『猫に牛乳を与えてはいけない!下痢や体調不良の原因になる可能性も!』の記事でも記載しているように、基本的に猫は牛乳を飲むと下痢を起こしてしまうので、与えてはいけません。
ミルクが手に入らない時
色んな事情により子猫用のミルクがなかなか手に入らない場合にはどうしたら良いでしょうか?子猫用のミルクがなかなか手に入らない場合の、緊急処置方法を紹介しておきます。
ただし、あくまでも緊急時の代用品ですので長期に渡り与え続けるのは避け、あくまでも代用品として一時的に与えるのみにしてください。
無乳糖牛乳・低乳糖牛乳
乳糖が全く入っていないか、少量しか入っていない牛乳です。牛乳アレルギーの人などが飲める牛乳として有名ですので、スーパーでも手に入りやすいと思います。
猫は乳糖を分解する酵素を体内に持ち合わせていませんので、人用の牛乳だとこのような物を代用品として使用してください。低脂肪牛乳とは別物ですので、その点だけ間違えないように注意しましょう。
赤ちゃん用の粉ミルク
粉ミルクは、記載してある分量の2倍に薄めて作ります。子猫が少し弱って元気がないようでしたら更に薄めに作り、元気な様子でしたら少し濃いめにしても大丈夫です。
赤ちゃん用の粉ミルクにも無乳糖の物があるのですが、もしもそれがあれば代用品としては最適ですし、下痢をすることもほとんどありません。
普通の粉ミルクを使用して、もしも子猫が下痢をしてしまった時には与えるのは中止するようにしてください。下痢が悪化して脱水症状になってしまうかもしれません。
砂糖水
代用品も飲まず与えても下痢をしてしまう場合には、脱水と低血糖を防ぐために砂糖水を与えます。砂糖水の濃さは舐めてみて少し甘味を感じる程度にして、ミルクと同様に人肌程度に温めた物を与えるようにしてください。
麦茶
麦茶にもミネラルウォーターと同じくミネラルは含まれているのですが、それほど多くはありません。そのため尿路結石になる心配はほとんどないといえます。
また、麦茶はお茶の一種ではあるのですがカフェインが含まれていませんので、水の代用として飲ませても問題ありません。
肉や魚のゆで汁
最近は猫に手作り食を作っている飼い主さんも多いようです。猫用に肉や魚を茹でた時にでるゆで汁も、水分補給代として与えてもいいでしょう。
ただし、肉や魚を茹でる時には素材に味が付いていない物であり、ゆで汁にも調味料などが使われていない場合に限ります。与える時にはきちんと冷ました物にして、ゆで汁を与える時にも新鮮な水は常に飲めるようにしておいてあげましょう。
それでも、猫はあまり水を飲まない生き物ですが、脱水を防ぐためには少しでも多くの水分を摂らせたいですよね。
飼い猫がなかなか水を飲んでくれない時の対処法について、『飼い猫がなかなか水を飲まない!そんな時にしたい水を与える方法』の記事で更に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
猫に絶対に与えてはいけない飲み物
牛乳
牛乳は栄養価も大変高く栄養素も豊富なうえに、買い求めやすいので大変優秀な飲み物といえます。
ただし、猫は牛乳に含まれている乳糖を体内で分解することができないため、猫に牛乳を与えると下痢をしてしまうことがあるようです。
稀に下痢をしない猫もいますが、基本的には人間の牛乳は猫の体質には合っていない飲み物ですので、与えないほうがいいでしょう。
カフェインを含む物
『猫にコーヒーを与えるのはNG!食べてはいけない物を食べた時の対処法』の記事でも記載していますが、カフェインには興奮作用がありますので、猫がカフェインを含む物を飲んでしまうと過度な興奮状態に陥ったり、痙攣や過呼吸を引き起こしたりして最悪の場合は死に至ることもあるようです。
これはカフェインが猫の中枢神経に働きかけ、心臓などにも負担を与えるせいだといわれています。
猫の体重1㎏に対してカフェイン150mgが致死量をいわれていますので、体重が4㎏の猫でしたら、600mgのカフェインが致死量ということです。
代表的な飲み物の、100ml中に含まれるカフェインの量が下記になります。
- 緑茶 20mg
- ウーロン茶 20mg
- コーヒー 90mg
- コーラ 10mg
- 紅茶 20mg
- ココア 30mg
- 栄養ドリンク 50mg
猫は自分の身体に害がある物でも、気にせずに飲んでしまうこともありますので、猫が普通に飲んでいるからといって与えることはせずに、その辺に放置しておくこともやめるようにしてください。
ジュースや清涼飲料水
猫は意外と甘い物が好きですので、飼い主さんが飲んでいるジュースや清涼飲料水を横から舐めてしまうこともあるかもしれません。
これらには、猫の身体にとって悪い影響を与えてしまう物が含まれている可能性もありますので、与えないようにするのがおすすめです。
与えても何の問題もない物もなかにはあると思いますが、猫にとって水分補給は水で十分なので、わざわざリスクを犯してまで試す必要はありません。
アルコール
猫の肝臓は、アルコールを分解する力がありませんので、猫にアルコールを与えてしまうと肝機能障害などを引き起こす可能性があります。
晩酌の時に、猫に少し舐めさせる飼い主さんもいるようですが、たったひと舐めでも猫の身体には大きな負担がかかり、病気に繋がることもありますので、絶対にやめるようにしましょう。
味噌汁やスープ
人用に作られた味噌汁やスープなどの上澄みを猫に与える飼い主さんも多いようです。いくら上澄みでも、人用の味噌汁などを与えてしまうと塩分の過剰摂取になってしまいます。
もちろん猫の健康には塩分も必要ですが、猫が普段食べているフードのなかには適正な塩分が既に含まれていますので、猫に必要な塩分はフードで十分に摂取できるでしょう。
塩分を過剰に取ってしまうと猫の肝臓には大変負担がかかってしまいますので、人用に作られた味噌汁やスープなどを水分補給として与えることはやめるようにしてください。
ミネラルウォーター(硬水)
最近では、猫にもミネラルウォーターを与える飼い主さんは多いようです。ミネラルウォーターには硬水と軟水があり、硬水にはカルシウムやマグネシウムが大変多く含まれています。
これを猫に与え続けてしまうと肝臓機能に悪影響を及ぼし、尿路結石を引き起こしてしまうこともあるようです。
人が健康を気にして普段飲んでいるような物でも、猫に与えてしまうと思わぬ病気を引き起こしてしまうこともあります。
猫は飲み物やストレスなど少しの変化、異常で下痢をしてしまう事があります。飼い猫が下痢をした時に考えられる原因や対処法について、『子猫が下痢になった時の考えられる原因と対処法』の記事で更に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
猫に与えていい飲み物と、与えてはいけない飲み物を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。基本的には、成猫に与える水分は水のみでも全く問題はありません。
猫が喜んで飲むから、などといった理由で人用の物を与え続けてしまうと、後々病気へ繋がってしまうこともありますので、猫には猫用のものを与えるのがベストです。