子猫にミルクを与えようと思っても、なかなか飲んでくれなかったり、与える回数も多かったり、意外と大変ですよね。飲まないといけない時間なのに、全然飲んでくれないと、「何で飲んでくれないの!」と思ってしまいます。
本来であれば子猫は母猫の母乳で育てるのが一番なのですが、様々な事情でそれが叶わない事は多々あります。
離乳前の子猫を拾ってしまったり、突然母猫に代わって育ててあげなくてはならなくなったりなど、そんな時のために子猫へのミルクの飲ませ方を、順を追って説明していきますね。
目次
子猫にミルクを与える方法
準備するもの
子猫にミルクをあげる時、まず準備をするものがいくつかあります。
- 子猫用の哺乳瓶、またはスポイト
- 子猫用の粉ミルク、または液体ミルク
- ノンアルコールのウェットティッシュ(人間の赤ちゃん用のウェットティッシュでも可)
最低限必要な物がこの3点です。ウェットティッシュはなくても大丈夫ですが、子猫は授乳の時に口の周りを汚したり、与える側のこちらも手が汚れたりしますので、ウェットティッシュがあると大変便利です。粉ミルクは色々種類がありますが、必ず子猫用を準備してください。
粉ミルクの場合は、ミルクを溶かす用のお湯も必要になります。既に液体になっているミルクは、分量を量ってお湯に溶かしたりする手間がなく、温めるだけで与える事ができるので便利ではありますが、子猫が飲む量はたかがしれています。
市販されている液体ミルクの容量は、子猫が1回や2回で飲みきれる量ではありませんので、一度封を開けてしまった後の管理が煩わしいかもしれません。
ミルクを用意する
ミルクは入れ物に記載されている分量通りに、一回一回その都度作るようにしてください。作り置きはおすすめしません。お湯で溶かしたミルクは、自分の手首の内側などに数滴たらしてみて温度を確認します。適温は人肌程度の温かさです。
うつ伏せで飲ませる
ここが一番間違えやすいところです。子猫にミルクを飲ませる時は、必ずうつ伏せの状態で飲ませてください。子猫が母猫から母乳をもらう時の姿が想像出来ますか?その時に子猫は仰向けではないですよね。
仰向けの状態でミルクをあげると、消化不良を起こしたり、誤飲してミルクが肺に入ってしまったりします。くれぐれも間違えないようにしてください。
哺乳瓶がダメならスポイトで
子猫をうつ伏せにしたら、哺乳瓶の先で子猫の口元を優しくつついてください。すると自然と口を開けますので、そのまま口の中に哺乳瓶の先を入れてあげれば、自分から吸い付いて飲んでくれます。
なかなか口を開けてくれない子や、哺乳瓶を拒絶する子の場合は、スポイトに切り替えましょう。少し無理矢理のようにも聞こえますが、子猫の口を指などで開けさせたら、舌の上にスポイトの先を置き、少しずつミルクをたらしていきます。
最初はスポイトも嫌がるかもしれませんが、ミルクをしっかり飲んでくれないと、子猫は衰弱するスピードが速いので、あっという間に弱ってしまう事もあります。
諦めずに続けてください。繰り返していくうちに飲んでくれるようになります。哺乳瓶は嫌がるようでも、毎日必ず試すようにしましょう。
子猫がミルクを飲まない時の対処法
ミルクの温度を確認する
子猫がミルクを飲まないと悩んでいる飼い主さん。与えているミルクの温度は最適ですか?熱すぎても、ぬるすぎても子猫は嫌がって飲んでくれません。
作った時には適温でも、子猫の元へ行き、準備をしているうちに冷めてしまう場合もあります。冬場は別の入れ物にお湯を入れていき、ミルクを温めながら与えるのもいいかもしれません。
ミルクは記載通りに作っていますか?
ミルクは記載されている分量通りに作っていますか?濃すぎても、薄すぎても、子猫は飲んでくれません。お湯で溶かす時には、だまにならないように、その点も気を付けましょう。
うんちは出ているか
ウンチはちゃんと出ていますか?きちんと排便されていないと、お腹が便に圧迫されて空腹を感じにくくなってしまいます。ミルクを飲んだ後は、毎回濡らしたガーゼやティッシュなどでお尻を優しく刺激して、ウンチが出るように促してあげてください。
おしっこも同じようにお尻の辺りを刺激すると出ます。子猫はおしっこもウンチも自力でできませんので、必ず毎日ミルクの度にお尻への刺激をやってあげてくださいね。
吸う力が弱い子猫もいる
ミルクを吸う力が弱い子猫もいます。哺乳瓶には吸い付いているのだけど、ミルクが減ってない様子でしたら、哺乳瓶の先にほんの少しだけ切り込みいれて広くしてあげてください。口を広げると、吸う力の弱い子猫でも楽に飲めるようになります。
室温も関係してきます
子猫は自分で体温調整が上手にできません。室内の温度が低すぎたりすると、体調を崩してしまいます。その為、ミルクを飲む力が弱っているのかもしれません。子猫が最適に暮らせる温度は、母猫に暖めてもらえている時と同じ位の35度前後です。
室内をその温度に保つ事は難しいので、寝床だけでもカイロを入れたり、猫用のヒーターを入れたりしてあげるなどして、暖めるようにしてください。
この時注意して欲しいのは、寝床全面を暖めるのではなく、子猫が少し暑くなったら動ける場所も用意しておくことです。
また、子猫は可愛いので飼い主さんもついつい遊びすぎてしまいます。しかし、それには絶対に注意してほしいことがあります。
子猫と遊び時の注意点を、『子猫と遊びすぎないで!子猫と遊ぶ時のやってはいけない注意点』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ミルクを与える頻度と与える年齢
授乳の間隔
子猫への授乳は、生後45日位までは3~4時間に1回が基本になります。これはあくまでも基本なので、気持ちよく寝ているところを無理に叩き起こしてまで与える必要はありませんが、次の授乳まで6時間以上あけるような事はないようにしましょう。
逆に短い間隔で欲しがるようであれば、与えても構いません。1日の規定量をきっちり飲んでくれなくても、1~5日のスパンで見て量が足りていれば大丈夫です。
離乳の時期
離乳の時期は子猫の個体差がありますが、生後30日を過ぎたら、ミルクをお皿から飲む練習をはじめましょう。お皿からミルクを飲めるようになる事が、離乳への第一歩となります。
生後45日を過ぎてくると、1回に飲むミルクの量も増えてきますので、その分腹持ちもよくなってきます。その頃になったら、離乳の準備として朝昼晩の1日3回がミルクの時間になるように少しずつ調整していってください。
離乳の方法
朝昼晩のペースに切り替わったら、離乳食をはじめてみましょう。最初のうちは、スプーン1杯位と、少なめの離乳食を与え、それを食べ終わったらミルクを与えるようにします。
その時、いつまでも離乳食を遊び食べしている様子でしたら、そこはもう切り上げてミルクを与えるようにしてください。
だんだんと離乳食の量を増やしていき、それに伴ってミルクの量を減らしていきます。そうやっていくと、いずれは離乳食だけとなり、そこで離乳が完了です。
離乳時期の目安は、生後50日~60日が一般的と言われていますが、これも個体差がありますので、神経質にならなくても問題ありません。
子猫の離乳食は、缶詰やパウチで色々種類が出ていますので、お好みの物を使用してください。もしも手に入りにくい時には、子猫用のドライフードをお湯やミルクでふやかし、それをすり潰した物でも構いません。
子猫のうちは、必要な栄養素が成猫とは違いますので、ドライフードを使用する際には、必ず子猫用の物を与えるようにしてください。子猫の餌は成長毎に細かく分類されています。
どのくらいの時期で餌を変えていくかについて、『これで大丈夫!子猫に餌を与える方法と、成長毎の餌の選び方』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
子猫にミルクをあげる時の、準備の段階から離乳の時期までの流れをまとめてみました。ミルクを飲む量も、目覚めてミルクを欲しがる時間も、そして飲み方も猫1匹1匹違います。
基本の時間に起きてミルクを飲んでくれなくても、そこは個体差としてとらえてください。神経質になり過ぎるのはよくありません。
ただ1つ、ミルクを作る時には、ミルクの缶に記載されている分量通りに計って、正確に作るようにしてくださいね。子猫の授乳は本当に大変な役目ですが、日に日に大きくなっていく子猫の成長を目の当たりにしていると、自然と幸せな気分になれますよ。