ヨチヨチと歩いて「ピャアピャア」鳴く子猫の姿はホントに愛らしくて、見ているだけでも幸せな気分になりますよね。
でも、初めて育てる飼い主さんにとっては不安だらけではありませんか?
子猫を育てるにあたって一番大事なのは「ご飯」です。体力のない猫はミルクや餌を食べてくれないとなるのは命に関わる問題となってしまいます。
今回は子猫に離乳食を与え始める時期やどんな風に食べさせていけば良いか、また注意すべきポイントも丁寧に紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
子猫の離乳のタイミング
子猫に離乳食を与えるタイミングは歯が生えてくる生後3週間から4週間程度に始めます。
そして、6週目から8週目で離乳食を終えて、子猫用のフードと水だけの食事になります。ただしそれぞれの子猫によって成長が違いますから、だいたいの目安としてくださいね。
離乳食とは
子猫用のミルクに加えて、子猫用のドライフードやウェットフードを与え始める事です。ウェットフードはお湯にとかして与えます。最初はお湯を多めにして徐々に水分量をへらします。
また、ドライフードはお湯でふやかして与えます。最初はしっかりふやけるまで時間をおきましょう。
ドライフードを離乳食で与えると成長に合わせて水分を調節していけば良いですし、しっかり密閉した容器に保存しておけばウェットフードより保存ができるので便利ですよ。
ドライフードとミルクで作る離乳食の作り方の動画もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
手軽に使える離乳食がいろいろ出ています。あれこれ試すと嫌がって食べなくなってしまったりするので、飼い主さんが厳選して与えるようにしましょう。
離乳食を与える量に注意
子猫の食事で摂取が必要なエネルギー量は成猫の約3倍ですが、胃がまだ小さいので一度にたくさんの量は食べられません。
子猫の胃腸は未熟ですし、初めてミルク以外の固形物を食べるので、いきなりたくさんの量を食べると下痢をしてしまいます。
子猫の下痢は脱水症状を起こす事がありとても危険です。必ず少量から始めて、便の状態は毎回確認しましょう。
離乳食の与え方
歯が生え始めてミルクをお皿から飲むようになったら、いよいよ離乳食開始です。大まかな目安をご紹介しますね。
- 1日目~2日目:「ひと舐め」を朝夕2回
- 3日目~5日目:「ふた口から3口程度」を2~3回
- 6日目~9日目:「食べきる量」を4~5回
- 10日目~12日目:「食べきる量」を3~4回
1日目の「朝夕」というのは時間を空けていれば、飼い主さんのご都合で昼夜でも構いません。6日目以降はその子猫の食べる量、食べ方、便の状態で加減してください。
しっかり食べられる子猫は回数を3~4回にしても大丈夫です。一気に増やさず、徐々に増やして食べきる量にしてあげてくださいね。
最初の離乳食の与え方
ミルクの飲みが良い子猫はミルクを飲む皿に少量のミルクとひと舐め分の離乳食を混ぜて与えてみましょう。子猫が嫌がらずに飲み終えたら、最初の離乳食は成功です。
観察して記録を取る
毎日の体重測定は離乳食が順調に進んでいる目安になります。食事前と後で1日に一度ずつでも良いので同じ時間に記録します。
体重が減っている時は子猫になにかしら異常が起きていますので、動物病院に連れて行くようにしましょう。
また、食事(ミルクも含めて)の量と回数、排泄の回数や状態を記録しておくと、子猫の具合が悪くなって動物病院に連れていく事になった時に明確に答える事ができます。
子猫が大きくなってからも飼い主さんの良い思い出として残りますよ。
便秘に注意
食べきる量を3~4回あげられるようになってくるとミルクを飲む量が減ってきます。
それまではミルクで水分を摂っていたので、便秘になりやすい時期です。忘れずに新鮮なお水が飲めるようにお皿に用意しましょう。
猫の便秘については、『猫が便秘で数日間排泄していない!?そんな時の対処法』の記事で更に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
離乳食はお皿にこんもりと盛る
子猫は食べる事が上手ではありません。また、子猫は体が小さいので容器のフチが高いと食べにくいです。なるべく平らなお皿にこんもりと盛り付けてあげましょう。
人間用ベビーフードは与えない
人間と猫が必要な栄養素は違います。人間用のベビーフードは猫に必要な栄養素が十分に入っていません。
また、人間用のベビーフードは猫が食べると中毒を起こすネギやタマネギパウダーが入っている事があります。中毒は猫が死んでしまうほど危険ですので、絶対に与えないようにしましょう。
離乳食はその都度作る
子猫は一度にたくさんは食べられないので、残してしまう事も多いでしょう。
もったいないと思われたり、何度も作るから作り置きしておこうと思われたりする飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、腐敗してしまったりして子猫には危険です。
離乳食は必ず食べさせる時に毎回作り、離乳食の時間が終わったら出したままにしないで廃棄しましょう。
ウェットフードタイプの離乳食は傷みが早いです。早めに食べさせる事はもちろんですが、残って数日経ってしまった場合は処分しましょう。
子猫に離乳食を食べてもらう方法
子猫にとって初めて見る離乳食は「食べる物」という認識はないので、食べてくれない事があります。
離乳食を口にしてくれない子猫は、指に取って上顎に擦り付けてあげましょう。吐き出すようでしたらまだ離乳食を食べる準備ができていない場合もあります。
焦らず、数日経ってからまたチャレンジしてみましょう。
しかし、その他に理由があって子猫が離乳食を食べない場合もあります。子猫は小さくて弱々しく言葉を交わせないですから、飼い主さんとしてはハラハラしてしまいますよね。
それでは子猫が離乳食を食べない時によくある理由や対処方をご紹介していきましょう。
離乳食は温めて与える
離乳食が冷たいと子猫は食べてくれないです。離乳食を人肌程度に温める事で匂いが上がり、食欲が刺激されるので子猫が興味を引いてくれるのです。
先ほど説明したように指に付けて少し与えてみると、進んで自分から食べてくれることもあります。
また、自分から食べなくても嫌がらずに飲み込むようでしたら、少量ずつ与えてみましょう。
離乳食は温かい方が良いのですが、熱いと子猫は食べる事ができません。必ず飼い主さんが離乳食を触って、人肌程度に冷めた事を確認してから与えるようにしましょう。
味を変えてみる
初めての味で慣れずに嫌がっている事もあります。
離乳食にミルクを入れていなければミルクを入れる、ミルクを入れてある場合もミルクを足してあげる事で興味を引いて食べてくれることもあります。
また、あまり食べない場合は離乳食を変えてみても良いでしょう。
しかし、新しい離乳食の味に慣れていなくてかえって食べてくれない場合があります。その場合はもともと食べていた離乳食に戻しましょう。
ミルクでお腹がいっぱいで食べない
ミルクを飲ませた後に離乳食を与えるとお腹いっぱいで食べてくれない事があります。先に離乳食を与えて、その後にミルクを飲みたがるだけ与えましょう。
また、離乳食を食べ始めたら、ミルクの回数を減らす事も必要です。
運動させてお腹を空かせよう
離乳食を始める時期は子猫の動きも活発になってきます。適度に遊ばせて運動する事で消化が促されますので、離乳食をよく食べてくれるポイントになります。
但し、子猫は体力がないので遊びすぎはいけません。詳しくは、『子猫と遊びすぎないで!子猫と遊ぶ時のやってはいけない注意点』の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
離乳食の硬さが気に入らない
最初はしっかりとふやかして与える離乳食ですが、進んでくると少し硬さがあった方が食べてくれることがあります。
見た目ではふやけているように見えても、思ったより硬かったなどという事もあります。指で潰して硬さを確認して与えるようにしましょう。
生後一か月半を過ぎたの子猫であれば歯もしっかりしてきますから、ふやかさずにカリカリの状態のドライフードを食べてくれる事があります。
ふやかした離乳食をあまり食べない時は試してみてくださいね。
毛づくろいを利用して食べてもらう
猫は体に付いた臭いや異物を毛づくろいをして取る習性があります。これを上手に利用して食べさせる方法もあります。これはお薬を飲ませる時にも使えますよ。
鼻が詰まっている
拾ったばかりの子猫は「鼻気管炎」にかかっている事が多いです。これはいわゆる「猫風邪」で鼻がすっかり詰まっている事も多いです。
こうなっていると匂いがわからず、食欲がわかなくなってしまうので、まずは動物病院での治療が必要になりますので連れて行きましょう。
子猫の嘔吐や下痢は危険
子猫は嘔吐や下痢をするとあっという間に体力を失われてしまい、最悪の場合は亡くなってしまいます。また拾った子猫は何かしらの病気にかかっている事があります。
子猫の嘔吐や下痢がある場合は、できるだけ早く動物病院に連れて行きましょう。
獣医さんを頼ろう
離乳食を食べないと焦らず、まずは理由を考えて先ほどご説明したような内容で工夫してみてください。
それでも、理由がわからなくて不安になった場合は、動物病院に連れて行って獣医さんに相談しましょう。嗜好性が高く、栄養価も高い離乳食を処方してくれますよ。
猫は成長スピードが早いので、ちゃんと成長ごとの餌を与えないといけません。子猫を飼っている方は、『これで大丈夫!子猫に餌を与える方法と、成長毎の餌の選び方』の記事も合わせて参考にしてみてくださいね。
まとめ
子猫のそれぞれの成長は違います。最初の頃にあまり食べないのであれば、思い切ってミルクに戻しても良いでしょう。子猫の準備が整ったら、また離乳食を開始すれば良いのです。
猫の成長はとても速いです。離乳時期はほんの一か月程度の間です。大変な時期でもありますが、可愛らしい時期を楽しんでお世話してくださいね。