毎年暑い季節が近付くと、猫が快適に過ごすにはどうすればいいのか悩まれる飼い主さんは多いようです。特に高齢にさしかかる猫を飼っている方は、暑さ対策は大切なことになります。
そこで今回は、暑い夏をどうにか過ごすための暑さ対策をいくつか紹介していきたいと思います。実はNGな対策も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
飼い猫にやってあげたい夏対策
念入りなブラッシング
暑さ対策で何故ブラッシング?と思われるかもしれませんが、これが意外と効果があります。猫は年に2回の換毛期に、被毛の量を自分で調整します。
暑くなる前の春の換毛期には、冬場に防寒の為にまとっていた被毛が抜けていくのですが、これが綺麗に抜けきれていない場合があるのです。
この抜けきれていない冬用の被毛を、ブラッシングによって取り除いてあげます。これにより、不要な被毛がなくなってすっきりしますので、皮膚への風通しもよくなり暑さ対策になると実践されている方が多いんですよ。
猫の換毛期や夏毛については、『猫が夏毛に生え変わるのはいつ?抜け毛が多い季節とは?』の記事で更に詳しく解説しています。
水の量を増やす
夏は脱水症状の心配もしなくてはいけません。普段から猫はあまり水をガブガブ飲むことはしませんが、なるべくたくさん水は飲んで欲しいものです。
そこで、いつもよりも水を飲める環境を増やしてあげましょう。ただ増やすとはいっても、やみくもに増やせばいいのではなく、猫の毎日の様子を確認して猫がいつも涼んでいる場所や必ず通る場所に水のお皿をおいてあげます。
猫は少し喉が渇いたなと感じても、水飲み場が遠いと余程でなければそこまで移動して水を飲むことはしてくれません。でも、水がすぐそばにあれば飲んでくれるようになりますので、そのための対策となります。
特に子猫や高齢の猫にとって脱水症状は致命的になりますので、水をあまり飲んでいないようでしたらカリカリフードをふやかして水分を含ませた物を与えるなどの工夫も必要になってくるでしょう。
なかなか水を飲んでくれない場合にできることを、『飼い猫がなかなか水を飲まない!そんな時にしたい水を与える方法』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ熱中症対策の参考にしてみてください。
カーテンやすだれを使う
日差しが部屋に入りこむ時間には、カーテンを閉めて日差しを遮るようにしてください。遮光カーテンを使用すると、室内温度の上昇が2~3度程は抑えられます。
窓の外にすだれをかけるのも効果があります。できるだけ室内の温度をあげないように緑のカーテンを作るなど、室外の環境にも工夫をするようにしましょう。
風通しをよくする
飼い主さんが在宅中は、家中の窓を開けていても問題はないと思いますが、外出する際にも可能であれば風通しをよくするために、窓を少しでも開けていってあげてください。
ベランダなどの窓を開けておくのが難しいようであれば、キッチンやお風呂場、トイレなどに小窓があればそこを開けておき、それぞれのドアも閉まらないようにストッパーを付けて開けておきます。
室内の対角線上の窓が開いていると、そこから風が抜けていきますので室内はだいぶ風通しがよくなり、閉めきった時と比べるとだいぶ過ごしやすくなります。
ただ注意していただきたいのは、窓を開けておく場合には防犯用のロックをつけ、猫が網戸を開けて外に出てしまわないような対策をする必要があります。猫は網戸を破ったり、開けたりして脱走することが多くあります。
また、猫が湯船に落ちて溺れてしまう事故も少なくありませんので、お風呂場を開けておく場合には湯船の水は必ず抜いておくようにしましょう。
エアコンを付ける
ここ数年の猛暑では、いくら暑さ対策をしてあげても快適に過ごすことは難しいこともあるかもしれません。窓を閉めて外出をする際には、エアコンを付けてあげることをおすすめします。
エアコンを長時間使用することで、電気代の心配をされる飼い主さんもいると思いますが、蒸し風呂のような室内で長時間過ごした猫が、万が一熱中症にでもなってしまった場合、動物病院での治療費は電気代の数十倍以上はかかってしまいます。
大切な飼い猫の健康維持のためにも、エアコン稼働が可能な環境であれば活用するようにしてください。
先に紹介した遮光カーテンとエアコンを併用すると、日差しが遮られ室内温度が通常よりは高くなりませんので、エアコンもフル稼働せずにすみ省エネ効果が期待できます。
夏の部屋の温度はどのくらいが最適なのかを、『猫の夏の過ごし方!エアコンは何℃の設定が適正?』の記事で更に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
夏に行ってはいけない間違った暑さ対策
水シャワーは逆効果
暑い日には、子どもたちが水浴びをしている光景をよくみかけます。猫にも水浴びをさせてあげようと思われている飼い主さんが意外に多いですが、猫への暑さ対策として水浴びをさせることは逆効果です。
稀にシャンプー好きの猫もいますが、基本的に猫は水で身体が濡れることを好みません。暑そうにしているからといってシャワーなどで水をかけてしまうと、猫にとってはストレスになってしまう場合が多いです。
その後、ドライヤーで乾かしてあげなくてはいけませんが、そのドライヤーも猫にとってはストレスになってしまいます。
気温が高くてすぐに乾くから、自然乾燥で大丈夫と思われるかもしれませんが、自然乾燥ですぐに乾くのは表面の被毛だけで、皮膚に近い根元付近はいつまでも湿ったままになってしまいます。
生乾きの皮膚には雑菌が繁殖してしまい、皮膚トラブルの原因にもなりかねません。特に夏場は雑菌の繁殖スピードも速いので湿ったままの状態でいることは、猫の肌にとってはかなりよくない状態となります。
扇風機
エアコンは電気代が気になるから、扇風機を使用するという飼い主さんも多いです。ただし、猫は人とは違い汗腺が肉球にしかありませんので、扇風機の風にあたることで涼しさを感じることはありません。
そのうえ、猫は風が直接身体に当たることをあまり好まないといわれています。
暑さ対策になるというよりも、猫が室内を移動することで回っている扇風機を倒してしまったり、電気コードをイタズラしてしまったりという危険性の方が高いでしょう。
夏に使ってあげたい猫の納涼グッズ
クールマット
ただのマットに見えますが、触るとひんやりするマットです。夏場が近付くとホームセンターなどでも色々なサイズやカラーのものが販売されています。
防水加工が施されている物もあり、汚れなどもすぐに拭き取れて毎日の使用でも清潔な状態を保つことがでるでしょう。これは、猫がお気に入りの場所にひいてあげるのがおすすめです。
他にも熱伝導率の低い大理石素材の物もありますので、猫が好みそうな物を選んであげてください。ただし、猫は新しい物には警戒心を抱きますので、暑さが本格的になる前に用意をして、慣らしておく必要があります。
ペットボトル
ペットボトルに水を入れて凍らせた物を用意して、猫がお気に入りの場所や通り道にいくつか置いてあげましょう。できればなるべく大きめのペットボトルを使用する方が、中の氷も溶けにくくて長持ちします。
氷が溶けていく段階で結露が付きますので、タオルで巻いておいても構いませんし、猫がそれを水分補給代わりに舐めることもありますのでそのままでも構いません。どちらにしてもペットボトルを設置する場所は、濡れても大丈夫なように工夫しておきましょう。
その他にも猫に留守番をさせる時にも熱中症になってしまうことが多いです。夏に留守番させる時に気をつけたいことを、『夏は要注意!飼い猫が夏に留守番をする時に気をつけたい事』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
暑い季節を乗り切るための対策をいくつか紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。猫は寒さだけでなく暑さや高湿度にも弱いので、夏は対策をしっかりとってあげるようにしてください。
カーテンを使用したり網戸にしたりして室内環境を整えるだけでなく、首に巻くタイプやドーム型など様々な形のクールマットもありますので、猫が気に入りそうな物を選んで上手に活用していきましょう。
特に子猫や高齢の猫がいる場合には、熱中症にならないように十分注意をする必要があります。いつもより呼吸が荒かったり、ぐったりしていたりして元気がない様子でしたら熱中症の恐れがありますので、念の為早めに動物病院へ連れていくようにしましょう。