皆が寝静まった夜中、猫がニャーニャーと鳴き、起こされる事は飼い主さんならたびたび経験していますよね。少し相手をすれば落ち着くのですが、また寝静まるとニャーニャー…。どうしてこんなに鳴くの!?とガックリしてしまっていませんか?
ご近所にも迷惑になってしまうし、安眠を妨害されるので何とかしたい!と考えている飼い主さんもいらっしゃいますよね。
そんな悩みでなかなかぐっすりと眠れない飼い主さんへ、どうして夜鳴きをするのか原因と対策をご紹介します!
目次
猫の夜鳴きがヒドい時に考えられる理由
猫が鳴くのは飼い主さんへ何かを伝えたがっていることが多いですよね。では、猫からすると一体何を伝えたがっているのでしょうか?伝えたがっている内容を理解してあげることで、解決策が見つかるかもしれませんよ!
お腹がペコペコ!
夜鳴きの理由として、一番多く挙げられるのが「お腹が空いている」ということ。猫には適切なご飯の量がありますが、もっと食べたい時や、何らかの事情で食べられなかった時に、餌を欲しがる欲求として鳴きます。
もっと食べたい時は、食いしん坊と思わずに、まずは餌の量が猫のライフステージに適切か確認してあげましょう。普段、餌を残す猫の場合、一度に食べられる量が少なくなっていることもあります。この場合は、量を減らして回数を多く与えましょう。
何らかの事情で食べられなかったケースで多いのは、多頭飼いをしている場合が多いですね。1匹ずつちゃんと食べられているか、飼い主さんがチェックする必要があります。
また「フードの中に水が入ってしまった」や「餌を食べる食器が変わった」などの些細なことでも猫は嫌がることがあり、餌をちゃんと食べない時もあります。こんな時にお腹が空いているので、餌が欲しいと欲求で鳴くことがあります。
トイレをキレイにして欲しい!
猫はキレイ好きな性質を持った動物です。猫は人間と共に生活をすることで、人間に合わせた生活リズムを刻もうとします。なので、寝る前にトイレに行っておこうとする猫も多いですね!そんな時に、トイレが汚いと用を足すことができません。
なので「トイレを掃除して欲しい」「こんなに汚いとできない」と飼い主さんに伝えていることがあります。何もこのタイミングで…と思ってしまいがちですが、常日頃から猫のトイレをキレイにしてあげておくといいですね!
寂しい、不安を伝えたい
猫を里親でもらい受けた場合や、保護をした場合に見られることが多い夜鳴きのケースです。
新しい環境に猫が不安を感じ、寂しさを募らせることや、子猫の保護の場合は母猫を呼ぼうとしていることもあります。できれば、親子や兄弟で一緒に保護をしてあげるといいですね。
狩りの時間
猫が早朝に鳴く場合、実はこれは自然なことなのです。猫は、薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)と言う、早朝と夕方に活動が盛んになる習性を持っています。
この習性は、猫にとっては狩りをしやすい時間帯であり、運動をしたい時間帯でもあるのです。なので、習性だから仕方ないと割り切ることも大切です。猫が活発になる時間帯について、『猫は夜行性なの?!猫の元気になる時間と睡眠時間』の記事で詳しく解説しています。
繁殖活動ために鳴く
不妊手術をしていない猫が、発情期に差し掛かった時に夜中に鳴くことがあります。これも上記の薄明薄暮性の習性から、早朝に鳴くことが多いですね。発情期の猫は、他の猫を呼び寄せるために、大きな声で鳴きます。
シニア猫の場合は痴呆も考えられる
フードの品質の向上により、猫の平均寿命も長くなってきたので、シニア猫の数も増えてきましたね。猫も人間と同じように、年配になると痴呆の症状が出る猫もいます。この痴呆の症状から、夜鳴きに繋がるケースもあります。
出産や手術後でホルモンバランスが不安定になっているため
猫が出産や手術をした場合、ホルモンバランスが不安定になってしまうことがあります。今までは夜鳴きなんてなかったのに急に夜鳴きが始まった…と思う場合は、これらのことが原因で夜鳴きをするケースがあります。
ホルモンバランスは一定の期間がたてば、通常に戻りますので、日にち薬と考えましょう。
これで猫が夜鳴きをする原因がわかりましたね!鳴くことには、理由が必ずあります。ですので、しっかりと飼い主さんが見極めてあげることが重要なポイントとなります。では、次に夜鳴きを減らす方法をご紹介していきますね。
夜鳴きを減らす方法
餌の量を考える
猫がお腹を空かして鳴く場合は、餌の量を管理しなおしてあげましょう。猫は1歳~5歳は食べ盛りな時期ですし、8歳以上のシニア期には食欲が落ち着いてきますが、子猫は体も小さいので、一度の食事の量がたくさん取れません。
猫のライフステージによって餌の量を変えてあげることは、大切なことなので、もう一度見直してみましょう。詳しくは、『動物看護師が答える!猫に与える1日の餌の回数や時間は?』の記事を参考にしてみてください。
猫のトイレは清潔に!
トイレが汚いことから猫が夜鳴きをする場合、トイレを清潔に保ってあげる必要があります。寝る前に掃除をしてもいいのですが、新しい砂に変えてしまうと、猫にとっては自分のニオイが消えてしまい、自分の縄張りを誇示するために猫は早速トイレに行こうとします。
なので、砂は全て交換せず、汚れている部分のみをスコップですくい、掃除をしたりすると猫も安心できるのでいいですね。猫のトイレはこまめに掃除して、清潔を保ってあげましょう。
不安を解消してあげる
もらってきた猫や保護した猫が、不安を感じ鳴く場合は、そっとしてあげましょう。猫は、暗く狭い、静かな場所を好む性質を持っています。
ですので、必要以上にかまったりせず、落ち着ける環境を作ってあげることが大切です。ケージの中にいる場合は、ケージごと大きなタオルで囲ってあげたり、段ボールで囲ってあげるといいですね!
子猫の場合は、同じ大きさ程のぬいぐるみを、寝床に入れてあげると仲間がいる錯覚を起こし、不安を紛らわすことができます。
静かな場所を好むと言っても、今までの猫の生活環境にもよるので、必要であれば小さな音でテレビや音楽を流してあげておくのもいいですね!タイマーにしていれば、飼い主さんも気になることもないので安心できます。
明るい時間帯には、声をかけてあげるようにしてあげれば徐々に新しい環境に慣れて行ってくれると思います。この時、無理に仲良くしようとすると猫はストレスに感じてしまいますので、まずは徐々に安心感を与えていってあげましょう。
薄明薄暮性を理解する
猫の習性の中に薄明薄暮性があります。これは、早朝と夕方に活動が最も盛んになる習性です。ですが早朝に鳴いたり、走り回られると飼い主としては困ってしまいますよね。
夕方にたっぷりと猫の狩猟本能を刺激するような遊びをしてあげて、夜間や早朝にはグッスリと眠ってもらいましょう。
猫の狩猟本能を刺激する遊び方は、猫じゃらしや、レーザーポインターで追いかけっこ、キャットタワーで上り下りの運動があります。運動は猫にとって、健康にもいいので是非、積極的に生活に取り入れていきましょう!
このように、猫の習慣を理解して、人間の生活スタイルに組み込むことで、夜鳴きがおさまることもありますので、コミュニケーションとしても役立つ遊びを一緒に楽しんでくださいね!
不妊去勢手術をしましょう
繁殖期に差し掛かった時に、発情期特有の鳴き声を発する猫。大音量で、飼い主さんのみならず、ご近所にも騒音被害になってしまいます。猫の発情期は年に2~3回です。これは本能的に繁殖をして子孫を残すものなので、人間には止めようがありません。
また、この発情期は、繁殖活動ができないとなると猫にとっては多大なストレスになってしまいます。ですので、繁殖を望まない限りは、猫の健康も考えて不妊去勢手術を受けさせましょう。不妊去勢手術をした猫は、発情期を無縁の生活になりますので、発情期がありません。
よって、発情期になって鳴くこともなくなります。猫にとっても飼い主さんにとっても、お互いに利害が一致する不妊去勢手術を検討することも大切です。
夜鳴きをする猫に声をかけ、かまってあげることで満足して静かになる猫もいます。しかし、かまいすぎるとトラブルにつながることもあります。
オス猫の去勢手術については、『猫の去勢手術はいつがベスト?気になる費用の相場や流れ』の記事を、メス猫の避妊手術については、『メス猫が避妊手術をする時の流れと術後に飼い主が気をつけておきたいこと』の記事で費用や流れについて詳しく紹介しています。
猫を構いすぎると分離不安症になることも…
分離不安とは
猫が飼い主と離れることによって、異常なほどの不安を感じてしまうことです。誰でも、安心できる人と離れる時、少なからず苦痛を感じます。しかし、この分離不安は、精神的にダメージを負いやすく、病的に苦痛を感じてしまいます。
分離不安の症状
猫の分離不安の症状は以下のものが挙げられます。
- 絶えず足元にまとわりつく
- ドアの向こうで叫ぶように鳴く
- どこに移動しても付いてくる
- 飼い主と離れると部屋中探し回る
- 地面や床を掘ろうとする
- 吐いたり、ヨダレを垂らす
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 毛をむしって、はげてしまう
- 尻尾をかじる
- トイレ以外での粗相
分離不安の症状は、これらの行動があります。猫が、自分の体を傷つける「自傷行為」をしたり、床を傷つける「破壊行動」、どこにいっても飼い主を片時も離れようとしない「不安行動」、トイレ以外の場所で粗相をする「排泄行動の異常」は、精神的にダメージを負ったケースが多く、その原因は「飼い主によるかまいすぎ」が多いのです。
これでは、仕事に行くことはおろか、少しの外出もできなくなってしまいます。飼い主さんといるだけが安心できるのではなく、家に1人でいる時も安心できるということを理解させてあげましょう。出かけても必ず帰ってくるということを覚えさせることも大切です。
だからと言っても、帰宅時に過激に褒めたり、撫でたりすることは控えましょう。これが生活の一部で自然の流れと理解させるために、飼い主さんは冷静にしておくことが重要ですよ!
分離不安の一つの原因として、猫と一緒に寝ることが挙げられます。詳しくは、『猫と一緒に寝るのはよくない!猫と付かず離れずの生活が良い理由』の記事をぜひ参考にしてみてください。
まとめ
猫の夜鳴きは、猫のみならず飼い主さんにもストレスになってしまいます。このストレスを回避するためにも、猫が何を訴えているか判断し、対処していきましょう。そうすれば、自然と夜鳴きが落ち着いてくると思われます。
睡眠は、猫にとっても人間にとっても、一日のできごとを脳がまとめる大切な時間です。良質な睡眠をとって、毎日健康に過ごしていきたいですね!